世界的なクルマの電動化が進む中、世界最強と呼びたい電動ドッグフレンドリーカーの1台が三菱アウトランダーPHEV。プラットフォームを刷新した3代目アウトランダーは、PHEV(プラグインハイブリッド)のみで勝負する、先進性や総合性能の高さはもちろん、ドッグフレンドリーカーとしての資質もまた完璧すぎる本格SUVと言えるでしょう。
進化した威風堂々たるエクステリア、先進感溢れるインテリア、PHEVでも3列シートが選べるパッケージング、先進装備、先進運転支援機能の充実度、そして上質さとダイナミクスを極めた四輪駆動のS-AWCがもたらす抜群の走行性能、三菱ならではの悪路走破性の素晴らしさが評価され、2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーのテクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。さらに小学館PETomorrowのドッグフレンドリーカー・アワード2021-2022 SUV部門も受賞した、愛犬とのドライブにこれ以上望めない、最適・最高のクルマ、PHEV=プラグインハイブリッド車でもあるのです。
この投稿をInstagramで見る
2022年初夏。そんなアウトランダーに乗って、わが家のジャックラッセルのララとともに、南房総最南端の安房白浜にある、日本を代表するアメリカ西海岸サンタモニカ発祥のドッグウエア、ドッググッズ、アメリカンカジュアルブランドのDOG DEPTが手掛けたDOG DEPT CAMP&TRAILERを訪れ、アメリカントレーラーに宿泊することに。そこはアウトドア派、キャンパーにも絶大なる支持、信頼を得ているアウトランダーに相応しすぎる、愛犬と愛犬家のためにある海辺のドッグファーストリゾートです。
わが家にやってきたアウトランダーは3列シートが標準で備わる最上級のPグレード(他グレードでは2列シートの5人乗りもあり)。アルミボンネット&樹脂フェンダーを採用して軽量化がはかられたボディサイズは全長4710×全幅1860×全高1745mm、ホイールベース2705mm。先代より一回り拡大され、クラス的には2クラス上の存在感、堂々感を発散しています。モノトーンのボディカラーに加え、ルーフを塗り分けたツートーンカラーが用意されるのも3代目ならでは。今回、わが家が乗ったのも、ホワイトダイヤモンド×ブラックマイカのツートーンカラーでした。
電動車のPHEVだけになったアウトランダーのパワートレーンは最高出力を増した2.4Lエンジンと、これまた出力を増強したフロントモーター、リヤモーター、そして駆動用バッテリーで構成され、基本は電気で走り、エンジンは主に充電を担当。現実的な燃費性能であるWLTCモードでのEV走行可能距離はグレードによって83~87kmを実現。エンジンとモーターによる総合燃費性能は、4WDのSUVにして16.2~16.6km/Lを達成しています。56Lになった燃料タンク、バッテリーの消費が大きい暖房をヒートポンプ式に改めるなどの効果で、ガソリン満タン、満充電で最大約1000kmの航続距離が可能なのですから、電動車ながら、これまでのガソリン車同様の便利さのまま、乗ることができるのです。愛犬とのドライブでもその使い勝手の良さが際立つと言っていいでしょう。言い方を変えれば、ドライブ途中で充電に寄らずとも、愛犬とのドライブを完結できるのが、PHEVのアウトランダーということです。
そして何と言っても、アウトランダーは全グレードにAC100V/1500Wコンセントがキャビン、ラゲッジルームの2カ所に備わるところも強み。愛犬とのドライブで眺めのいい安全にクルマを止められるスペースがあれば、電気ポットやコーヒーメーカーなどが車内外で使えるため、お気に入りの場所が「どこでもドッグカフェ」になるのです。合わせて、災害時に威力を発揮してくれることはもちろんです。
さて、前夜の大雨から一転、出発当日はお天気が回復。DOG DEPT CAMP&TRAILERへ出発です。今回の乗車フォーメーションは、高級感とSUVならではのタフネスさある前席にボクたち、DOG DEPTの愛犬用ドライブベッドをしっかりと固定した特等席の後席にジャックラッセルのララがゆったりと乗車しました。
2人分の機内持ち込みサイズのキャリーケース、下ごしらえ済みのBBQの食材の一部、ララのドッグカートを含む大荷物!?などは、3列目席をフラットに格納し拡大したラゲッジルームに積載。3列シート、7人乗りの場合、3列目席格納状態であれば容量は469Lと広大。それこそかさばる本格的なアウトドア、キャンプ用品だって無理なく積み込めるほど。具体的にはボクの計測でラゲッジルームのフロアは幅1070mm、奥行き950~1120mm(3列目席格納時/奥行きは2列目席シートスライド位置による)、最低天井高980mm!! 念のため持参するドッグカートを真横に積みこむことも容易でした(真横に積めないクルマだと積載効率がガクンと下がります)。
そうそう、アウトランダーのP、Gグレードには、つま先をかざすだけで開閉するハンズフリー&停止位置メモリー付きのエレクトリックテールゲートが装備されていて、例えば片手にバッグを持ち、片手で愛犬を引いているような場面でもテールゲートの開閉を操作できるので便利このうえなし。
DOG DEPT CAMP&TRAILERに向けて走り出す前に、まずはアウトランダーの機能を再確認。センターコンソールにある高級感あるダイヤル式ドライブモードセレクターは左から時計回りにパワー、エコ、ノーマル、ターマック(ここまでが常用)、グラベル、スノー、マッドの7種類。セレクター中央には安心して下り坂を降りるためのヒルディセントコントロールも用意され、これなら季節、天候を問わず、どんな道でも安心・安全に走れること間違いなし。
新鮮なのは各モードにセットすると、12.3インチの大画面フル液晶ドライバーモニター内(ナビ表示など多彩な表示が可能)に走行シーンをイメージできるイラストとモード名が大きく表示される、とても分かりやすい演出が見事です。わが家では、愛犬を乗せている時はエコモードを選択。自然と加減速が穏やかになり、犬もより安心快適に乗っていられるからです(同時に燃費も向上)。
さらに強制的にモーター走行を行うEVモードスイッチ、回生、減速度をコントロールできる回生レベルセレクター(パドルシフト)、アクセルペダルひとつで加減速できる三菱初のイノベーティブペダル オペレーションモードも完備。イノベーティブペダル オペレーションモードは回生レベルセレクターによる回生レベル最大のB5よりさらに強い減速度を発揮し、減速後はクリープで前に出る設定で、例えば公共駐車場内などでの使いやすさ、極低速域の走りやすさを実現しています。
加えて、MITSUBISHI CONNECT機能のひとつとして、エアバッグ連動型SOSコール(オペレーター接続)まで用意されているのですから、万一の際も絶大なる安心に包まれることになるでしょう。
DOG DEPT CAMP&TRAILERへのアクセス、および滞在地内で悪路は予想されませんが、悪路走破性能については、最低地上高が先代の190mmから200mmとなり、最適化されたアプローチアングル、デパーチャーアングル、ランプブレークオーバーアングルによって、三菱のSUVならではの本格的な悪路走破性が約束されているので、鬼に金棒ですね。
わが家の駐車場にある200Vの普通充電設備で寝ている間に満充電(約7.5時間)にしたアウトランダーで走り出せば、まずは大型のフロントシートのかけ心地の良さ、自然なドライビングポジション、そして電動車、高出力ツインモーター4WDによる、滑らかかつ力強く、驚くほど静かなEV感の強いウルトラスムーズなモータードライブに感動しきり。純ガソリン車から乗り換えれば、これはもう異次元の走行感覚と言っていいでしょう。加速感が素晴らしく軽快に感じられるのは、駆動力となるモーターのパワー、トルクのゆとりの恩恵に違いありません。
自宅から目的地までは、アクアライン~館山自動車道を経由し、海沿いの房総フラワーラインをひた走るルート。高級車さながらの快適で上質極まる乗り心地はフラットに徹し、不快な上下動など皆無。ハイブリッド走行を行うためエンジンが始動しても保たれる車内の静かさから、後席のドライブベッドで寛ぐ、わが家の3代目自称自動車評論犬!?のジャックラッセルのララもアウトランダーの心地よすぎる走行感覚に大満足しているようでした。
アクアラインの海ほたるの急速充電スポットに立ち寄り、約30分の急速充電。PHEVの場合、充電なしでもエンジンで走行できるため、電気だけで走る電気自動車がやって来たら、速やかに充電を譲るのがマナー。もちろん、東京~安房白浜の往復約280キロを充電なしで走行することなど、アウトランダーにとっては朝飯前なのです。
館山にあるホームセンターでトレーラーライフのための買い物を済ませた後は、わが家の歴代愛犬と記念写真を撮ってきた海沿いの駐車場で、アウトランダーのホワイトダイヤモンド×ブラックマイカのボディカラーが映えるオーシャンブルーの海と初夏の青空をバックに記念撮影。東京の曇り空から一転、初夏の日差しが眩しいほどの天気に恵まれました。そして海沿いの国道257号線を気持ち良く爽快に走り、DOG DEPT CAMP&TRAILERのすぐ近く(東京方面からなら手前)にあるスーパーマーケットで飲み物や今夜のBBQの食材の買い出しです。
ところで、DOG DEPT CAMP&TRAILERのチェックイン時間は午後2時と早め。とはいえ、今はまだお昼時。アウトランダーはDOG DEPT CAMP&TRAILERを右手に見て通り過ぎ、その先へと進みます。アウトランダーは路面の荒れた一般道の乗り心地も素晴らしく、しっかり快適。加速感はモーター感溢れるスムーズさ。高速走行でも感心した車内の静かさもあって、どこまでも走っていきたくなるPHEV、電動車ならではの走行感覚に満足しきりです。
目的地を通り過ぎたのには理由があります。実は今日のランチをいただく、テラス席ペットOKの本格イタリア料理店がその先にあるのです(絶品のサザエのペペロンチーノがお目当て。いつもあるとは限りませんが・・・館山、安房白浜の愛犬同伴可能なランチスポットは別稿で紹介します)。
やがて午後2時。房総フラワーラインを進むアウトランダーの快適すぎるドライブで、安房白浜の天然記念物でもある洗濯岩、屏風岩で有名な海沿いにあるDOG DEPT CAMP&TRAILERに到着です。ここでひとつ、注意点を。DOG DEPT CAMP&TRAILERの敷地は2カ所にあり、今回のようにトレーラー泊でも、チェックイン、トレーラーの鍵の受け取りは、館山方向からであれば、手前のキャンプサイトの入り口にある受付トレーラー(DOG DEPTのフード、おやつなどの物販あり)で行う、ということ。そして一度、房総フラワーラインに出て、その先にある、現在6台のトレーラーが立ち並ぶエリアに進むのです。
それにしても、キャンプサイトの受付トレーラーのエリアに足を踏み入れただけで、南国の風景に迷い込んだかのようなリゾート感満点です。ララだってほら、ご覧の通りの上機嫌。
このエリアには受付トレーラーのほか、スタンダードキャンプサイト×4、ワイドキャンプサイト×5、キャンプサイト用のオシャレで清潔な男女別、愛犬同伴可能な24時間利用可能なシャワー&トイレ、女性専用パウダールーム、新設されたピンクの建屋の女性専用シャワー&トイレも用意されています。なお、敷地内は全エリアWi-Fiが利用可能です。
すぐにでも海に出たければ、暑い時期に用意される数台の可愛い愛犬クールダウン用MINIトレーラーの先から、海に出ることができます。もちろん、わが家も真っ先に海へ!!(砂浜がよりきれいなのはトレーラーハウスがある側のビーチです。洗濯岩、屏風岩の岩場なので、愛犬の水遊びは可能ですが、海水浴には適していません)。
それにしても、高級ホテルのエントランスにも似合う高級感、存在感あるアウトランダーですが、こうしたアウトドアフィールドにも似合いすぎるほど似合うことを痛感。
そして、現時点で6台あるトレーラーエリアへ(今夏、もう何台か高台に増設予定)。トレーラーはウッドチップ敷きのプライベートドッグラン(ノーリードOK)兼駐車スペース(別途駐車スペースあり)の奥に位置し、ロングUSA(全長9200×幅2450×高さ2100mm)とレトロUSA(全長5600×幅2450×高さ2000mm)の2タイプ。すべてアメリカ製で、DOG DEPT仕様にコーディネイトされた本格トレーラーです。ウッドチップ敷きのプライベートスペース(ドッグラン、駐車スペース兼)には愛犬用の足洗い場、ウンチボックスも用意されています。
アウトランダーをロングトレーラーNo.11の前に止め、ウッドデッキを進み、まずはつい最近、「バナナマンのせっかくグルメ」に登場した展望デッキへ。
DOG DEPTのアイコンでもあるゴールデンレトリーバーの置物があるデッキに出れば、もう感動のオーシャンビュー。デッキ用テーブル、BBQ用テーブル、チェア、パラソル、タープ、BBQコンロなどが備わり、ドッグファーストなオーシャンリゾートの世界に大満足。ここまで海に近い、愛犬同伴専門のリゾート施設など、ほかになかなかあるものではありません!!もちろんここも愛犬ノーリードOKのエリアです。青い海、青い空の下、海風に吹かれ、ジャックラッセルのララもゴキゲンです!!
そしていよいよエアコン2基完備の広々としたトレーラー内へ。ベッドにもなるソファ、リビングスペース、冷凍冷蔵庫や電子レンジが備わ簡易キッチン(備え付けのコンロは使用不可。別途カセットコンロあり)、コンパクトにまとめられたシャワー&トイレスペース、その奥にダブルサイズのベッドが置かれたクローゼット付きのベッドルームがありました。
DOG DEPT GARDEN HOTEL軽井沢&テラスなど、愛犬同伴専門のホテル滞在経験豊富なわが家でも、トレーラー滞在はホテルとはまったく異なる楽しさ、わくわく感をもたらしてくれます。窓からは海一望。キャンプとは違い、エアコンも水回りもトイレ&シャワーもある贅沢さに満足しきり。ジャックラッセルのララも「気分、最高わん」と、早くもエアコンの効いたトレーラーのリビングスペースで涼しげに寛いでいるほどでした。
とはいえ、特等席はやはり展望デッキ。海側のみ、透明のアクリル板が張られ、愛犬の安全性と海を見渡せるビューにこだわった配慮も見事です。用意したバドワイザーとハワイアンサンのグァバジュースで乾杯すれば、もう気分は南国のリゾート。展望デッキにはあらかじめクーラーボックスが用意され、飲食可能な氷が1パック、無料で提供されるのも嬉しいですね!!(追加は有料)
絶景のオーシャンビューは、リゾート気分を盛り上げるとともに心身ともにリフレッシュさせてくれる最高の時間を提供してくれますが、そもそもララを含めた全員が、東京都心からならおよそ150kmのドライブにもかかわらず、ストレス、運転、乗車疲労など皆無。静かでフラットで快適すぎる乗車感覚もさることながら、ドライバーとしては、高速道路で威力を発揮する高速道路同一車線運転支援機能のマイパイロット MI-PILOTに支えられた運転が、目的地に到着したあとの”元気”に直結。
市街地走行などで一時停止した際、ブレーキを踏み続けなくていい電動パーキングブレーキによるブレーキオートブレーキホールド機能が、疲れずに目的地に着ける秘訣だと改めて実感。SOSコールの装備もまた、快適を支える安心感というわけです。飼い主がドライブで疲れてしまい、目的地に到着した頃、ヘトヘトでは、せっかく素晴らしいリゾート地に着いても、リゾートライフを楽しみ尽くせないですよね。アウトランダーはそうした意味でも完璧なSUV、ドッグフレンドリーカーと言えるでしょう。
さて、前編はここまで。後編では自称自動車評論犬!?のジャックラッセルのララが解説するアウトランダーの究極と断言できるドッグフレンドリーポイント、充電方法、DOG DEPT CAMP&TRAILERの展望デッキで味わうBBQ、翌朝の展望デッキ朝食、海辺のお散歩コース、そしてアウトランダーに搭載された、往路、帰路で役だった先進運転支援機能の数々、帰路で実感したさらなるアウトランダーの快適性、今回、ジャックラッセルのララやボクたちが着用したDOG DEPT 2022年春夏アイテムなどを紹介します。お楽しみに!!
最後に、DOG DEPT CAMP&TRAILERのレトロトレーラーをご紹介。夫婦+子供2人の滞在にもピッタリな2段ベッドもあるアメリカントレーラーでした。
三菱アウトランダー
DOG DEPT GARDEN CAMP & TRAILER AWA SHIRAHAMA
文/青山尚暉
写真/雪岡直樹