採血することなく脈波でバイタルサインの測定が可能に
近年、成人の10人に1人が糖尿病と言われており、8秒に1人が糖尿病に関連して死亡している状況にある。(※1)
(※1)IDF糖尿病アトラス 第9版(国際糖尿病連合、2019年)
また、糖尿病以外にも、普段は正常な血糖値が食後の短時間だけ急上昇し、その後急降下する「血糖値スパイク」という病態が注目されている。現代の日本では、よりリスクが少ない方法での血糖値測定は社会課題解決のための1つの糸口になると考えられているのだ。
そこでFODSは、信州大学発の研究開発型ベンチャーであるSSSTと、世界初の手首に巻くだけで瞬時に血糖値が測定できる、シュタインヘルスケア(ウォッチ型)について、全国25万店ある美容室への独占販売契約を締結した。全国の美容院へは、今年冬より順次供給予定となる。
シュタインヘルスケア(ウォッチ型)は、針を刺して血を採ることなく、腕時計のように手首に装着するだけで、血糖値をはじめ、血圧、脈拍、ストレス値等のバイタルサインを瞬時に測定、保存が可能なデバイスだ。
全バイタル測定の中で一番重要とされている血糖値を、肌に一切の負荷をかけることのないウォッチ型計測器(※2)で計測できるのは、シュタインヘルスケア(ウォッチ型)が世界初となる。
(※2)ウォッチ型計測器は、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)に医療機器の申請を行い、高精度のウォッチ型計測器としている。
全国25万店の美容室をバイタルチェックのハブとして機能させるために
今回、美容室での販売を実施するにあたり、顧客調査を行ったところ、美容室に来店する固定顧客のほとんどは、自宅に、体重・体脂肪・内臓脂肪・BMIを測定出来る機器を保持しており、健康志向が高い傾向にあることがわかった。
特に、夜勤や不規則な勤務形態の女性は、GI値(食後血糖値の上昇度を示す指数)の低い食べ物を意識して摂取するなど、食べ物にもこだわっている人が多く見受けられる。
しかし、肝心の血糖値の測定は個人では簡単にできない状況にあるため、摂取後の血糖値が測れず、GI値がその人個人にとって確かなものかは不透明となるのだ。
そこで、全国25万店の美容室をバイタルチェックのハブとして機能させるべく、1店あたり1台のシュタインヘルスケア(ウォッチ型)をリースで供給していくことに。
「美」と「健康」という親和性や、強い信頼関係で結ばれた顧客基盤を持つ美容室の利点を生かすことで、社会課題である「健康寿命延伸」に貢献することが可能となる。さらに高齢化社会では人々の居住地の近くで消費行動をとる近隣消費の流れも生み出している。
コロナ禍により物理的・心理的な移動に対する制約がかかったことで、この傾向がさらに加速している。
美容室は全国におよそ25万店。多くの人々にとって身近にあり、定期的に通う場所でもある美容室は、国内の社会環境を踏まえると、美容はもちろん人々の健康までをケアする新たなコミュニティとなり得る可能性がある。
地域の異業種店舗や企業との連携も促進し、美容室を地域の健康増進のハブとなるヘルスケアステーションにすることをFODSでは構想しているとのこと。
構成/Ara