まもなく訪れる本格的な夏は、身につけるサーモデバイスで乗り切ろう。場所を問わず、移動しながらでも身体を冷やしてくれるので、うだるような暑さでも快適に過ごせそうだ。
〈私が試しました〉
ライター・プロゲーマー
クワモト
ライターの傍ら、プロゲーマーとしても活動。ゲームに集中すると体温が上がってしまい、汗で服がびっしょり濡れてしまうのが悩み。
部分冷却による冷感ガジェットが夏の必需品になる!?
「空調服」という屋外向けの電動作業着がありますが、ウエアラブルサーモデバイスはそれらに比べてコンパクトで安価なうえ、電子制御による利便性も向上しているものが多いです。
『REON POCKET 3』などは、小型冷蔵庫にも使用される「ペルチェ素子」を使用したタイプ。小型で軽量、すぐ冷えるなどのメリットがありますが、触れている部分しか冷やせないのが難点です。『DIRECT COOL』のような水冷タイプは、身体の広範囲を冷却可能。サイズは大きめでラジエーターの駆動音がやや気になりますが、空調服に比べればかなりコンパクト。ほかにも空気を送り込むタイプもあります。用途に合わせて使い分けたいですね。
背中につけて数秒で体を冷やす”着るエアコン”
Sony『REON POCKET 3』
1万4850円(希望小売価格)
2019年に”着るクーラー”としてクラウドファンディングを実施し、大ヒットとなった製品の3代目。旧世代機種の形状はそのままに、冷却効果は最大1.5倍、強冷モード時の連続駆動時間は最大約2倍に向上。急速充電に対応しており、1時間で90%ほど充電できる。
〈Review 結果〉
実用度:★★★★☆
装着感:★★★★★
コスパ:★★★☆☆
アプリで簡単制御!
新機能「SMART COOL MODE」を搭載。事前にアプリ上で設定したプリセットをもとに、内蔵された加速度センサーと温度センサーがユーザーの行動や温度環境を測定。快適に感じるよう自動で冷却温度を調整する。
シャツ&バンド&インナー3通りの使い方
↓
利用するシーンに応じて、別売りの専用ビジネスシャツとネックバンド(それぞれ市場推定価格7700円、1980円)、専用インナーウエア(希望小売価格1980円)を使い分けられる。
[Review!]
小型で100g・未満と軽いため、肩がこらず作業の邪魔にもならない。専用バンドやシャツを使えば服の上からでも目立たず、オフィスでもカジュアルでも使用できる。冷却部分は首元のみなので、屋外利用には心もとない。若干ではあるが冷却ファンの音が感じられるので、会議中はかなり気になってしまった。
首全体をホールド&体感マイナス15℃
サンコー『ネッククーラーPro R4』
1万2800円
首に巻くようにセットし、電源を入れると首に当たったプレートが冷やされる。首の太さに合わせてバネが伸縮するうえ、付属のストラップもあるため安定性は○。冷却強度は3段階での切り替えが可能で、最大で外気温からマイナス15℃冷却される。約4時間の充電で2~4時間程度稼働。
〈Review 結果〉
実用度:★★★★☆
装着感:★★☆☆☆
コスパ:★★★★☆
4枚の冷却プレートが首を囲うため、冷却効果は高い。が、ファンの音が大きいため、屋外作業のほうが使いやすそう。ストラップで安定感は増すが、若干重く首回りは動かしづらいため、激しい動きを伴う作業には不向き。充電時間がやや長めだが、最大4時間連続で使用できるうえ、市販のモバイルバッテリーでも代用可能。単発の屋外作業では問題なく使えそうだ。
超コスパなのに超ハイパワーの水冷式!
山善『DIRECT COOL』
オープン価格(実勢価格約1万4080円)
使うのは150mlの水と凍ったペットボトル。タンクに入れて作動させると、冷水がウェアに張り巡らされたチューブの中を循環し、上半身を幅広く冷却。運転時間は3段階で制御可能で、約1時間40分の充電で最大24時間連続稼働する(ロング運転モード)。
〈Review 結果〉
実用度:★★★★★
装着感:★★★☆☆
コスパ:★★★★☆
都度の準備は必要だが、冷却効果は非常に高い。3時間程度で溶けるペットボトルは、そのまま冷えた状態で飲めるため無駄がないのもポイント。胴体にぴったりフィットするので、ペットボトルを入れた状態でも重さをほとんど感じず、スムーズに身体を動かせる。温度差によってはチューブが少し結露するが、服が濡れるほどではなく気にならない程度だった。
DIME8月号は「ウエアラブル」の大特集!付録は便利なDIYアイテム「LEDテープライト」
DIME 8月号では、最新のウエアラブル機器を大特集! 仕事も暮らしも自分に最適化するための”ポストスマホ”の本命デバイスを徹底解説します。付録は、「LEDテープライト250」。好きな長さに切って使えます。3色×8段階の明るさ計24種類の発光パターンを切り替え可能、活用方法は無限大!
取材・文/桑元康平(すいのこ) 撮影/中村圭介