大切な我が子の成績に直結するわけだから、保護者にとって子どもの学習塾選びは失敗したくないもの。では、どんな基準で学習塾を選ぶ保護者が多いのだろうか?
POPERはこのほど、学習塾に通う小・中校生の子どもを持つ保護者300人と、全国の学習塾70教室を対象にした「保護者と学習塾の意識調査」の結果を発表した。
保護者が考える学習塾選びの基準、1位「自宅・学校から近い」、2位「子どもに合うカリキュラムがある」
保護者を対象に「現在子どもが通っている学習塾を知ったきっかけ」について聞いたところ、最も多い回答は「知人・友人の口コミ」(47.0%)となった。以下、2位「教室を見かけた」(30.7%)、「ネットの口コミ」(28.3%)と続いた。
1位と3位にランクインしたことから、学習塾を知るきっかけとして「口コミ」が保護者から重視されていることが見て取れる。また、雑誌や新聞の広告やブログ、メルマガなど、学習塾から発信する情報は効果が薄いことが浮き彫りになった。
学習塾経営者・教室長を対象に「集客目的で力をいれている施策」を聞いたところ、「チラシの作成・配布」(62.9%)が最多である一方、保護者が重視していない「ブログの更新・掲載」(31.4%)を、学習塾が注力していることがわかった。
さらに、約3割の保護者が学習塾を知るきっかけになったと回答した「ネットの口コミ」を、学習塾はあまり重視していないことが可視化された。
保護者を対象に「学習塾選びの基準」を尋ねたところ、1位「自宅・学校から近い」(49.7%)、2位「子どもに合うカリキュラムがある」(44.0%)、3位「講師や教室長とのコミュニケーションが取りやすい」(41.3%)という結果になった。
保護者の1位・3位は学習塾も同様にTOP3入りだったが、保護者の4位にランクインしていた「講師の授業方法」を学習塾ではあまり重視していないという意識の差が生じた。
保護者を対象に「現実」と「理想」の2パターンで学習塾との連絡手段を聞いた。その結果、「メール」や「LINE」に切り替えられておらず、未だに「電話」で連絡を取る学習塾が多いという実態が浮き彫りになった。
保護者を対象に「学習塾でデジタル化してほしい項目」を尋ねたところ、「相談連絡」(42.3%)や「お知らせ・通知」(40.3%)など、コミュニケーション面のデジタル化を望む声が多かった。同様に、コミュニケーションのデジタル化を進めようとしている学習塾が多いこともわかった。
他方、保護者の回答が2番目に多い「授業や学習の進捗管理」(42.0%)は、学習塾側の優先度としては低かった。
保護者に対しては「退塾を検討した理由」を、学習塾に対しては「想定される保護者・生徒が退塾する理由」をそれぞれ聞いた。どちらも1位「成績不振」、2位「保護者と講師のコミュニケーション」となり、同じ結果になった。
保護者が学習塾に払える授業料の月額平均は約2.3万円
学習塾が現在授業外で行っているサポートとして上位にランクインしたのは、1位「受験前の保護者の相談対応」、2位「進路相談、最新の入試情報」と受験関連のサポートだった。しかし保護者が求めているのは「子どもの成績管理」と、学習塾側の対応とややズレが生じていた。
また、保護者が学習塾に払える授業料の平均は「約2.3万円/月」で、授業料や講習・合宿などを含めた年間トータルで払える学習塾代は「約28万円」だとわかった。
<調査概要>
調査の方法:WEBアンケート方式
調査主体 :スクール専用業務管理&コミュニケーションアプリ「Comiru」
①保護者向けアンケート
調査の対象:学習塾に通う小・中校生の子どもを持つ保護者(N=300)
調査実施日:2022年4月12日~2022年4月15日
②学習塾向けアンケート
調査の対象:全国の学習塾経営者・教室長(N=70)
調査実施日:2022年4月19日~2022年5月12日
出典元:Comiru調べ
構成/こじへい