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ディーゼル車?電車?時速120kmで走るJR東海の最新ハイブリッド特急「HC85系」は何がスゴいのか?

2022.06.09

約2年以上にもおよぶ長期間の試運転が続けられてきたJR東海の新型特急車両の「HC85系」が、いよいよ2022年7月1日にデビューを迎える!それに先立って関係者向けの試乗会が実施されたので、筆者ムラカミがお邪魔してきました。

国内初!時速120km走行を実現したハイブリッド鉄道車両

7月1日に営業運転開始が予定されている新型車両「HC85系」は、これまでディーゼル特急車両「キハ85系」が活躍してきた特急「ひだ」「南紀」に投入され、既存車両を置き換える。2022年7月1日時点ではまず特急「ひだ」に投入され、ひだ1号、4号、10号、17号で運行が予定されている。いずれも運転区間は名古屋〜高山間となっており、4両編成で運行される。また、8月1日以降はひだ1号、2号、4号、10号、15号、17号がHC85系での運転となる予定だ。

HC85系量産車はグリーン車を含めた4両編成で7月1日にデビューする

今回の試乗会も実際の運転区間と同様の名古屋駅発高山着で実施ということで、営業運転開始前にその乗り心地を確かめるには最高の条件。しかもこれまでベールに隠されてきたグリーン車についてもお披露目されるということでとってもワクワク!

さて、このHC85系。注目したいポイントはたくさんあるものの、なんといってもハイブリッドシステムを採用した鉄道車両で、国内初の最高時速120km走行を実現した車両という点には大注目したい。

これまで活躍していたキハ85系は、1両に2台搭載されていたディーゼルエンジンの回転エネルギーを、変速機などを介して車輪の回転運動にしていた。

それに対し、ハイブリッドシステムを採用したHC85系は、エンジンが生み出した回転エネルギーを車輪に伝えるのではなく、主発電機を回すエネルギーとして活用。

発電された電力により主電動機(モーター)を回して、車輪を回転させる機構となっている。

HC85系は既存車からエンジンの車載数を低減させた、革命的なハイブリッドシステムを構築した

また、余った電力は主蓄電池にチャージされるほか、主蓄電池に貯められた電力は加速時などモーターを回す際のアシストパワーとしても利用される。

ブレーキ時には車輪の回転エネルギーを利用して発電し、主蓄電池へのチャージ、車内の空調、照明などに使用する電力へと活用される。これにより環境性能をはじめ、ディーゼル車両特有のエンジンによる騒音や揺れなども低減されている。

エンジン数を減らしても高速運転!これがHC85系の真のスゴさ

といっても、日本国内にはすでに多くのハイブリッドタイプの鉄道車両が活躍しているが、なぜこのHC85系がスゴいかというと、従来車同様の高速走行性能を確保しつつもエンジンの車載数を減らすことに成功した点だ。

「ハイブリッドシステムも決して安いシステムではない以上、単に環境に優しいという理由だけでは、経済性を考えてもすぐに採用するというわけにはいきません。1両あたりエンジン1台を搭載した車両を、ハイブリッドタイプの車両に置き換えてもエンジン数は変わらないことから、実は、メリットは限定的です。しかし今回のHC85系は、最高時速を確保したまま、エンジンという非常にコストと保守に手間のかかる部品を従来車に比べて1台削減することに成功しました。エンジンを1台減らすことができれば、関連する各所の回転部品も減らすことができ、メンテナンスの省力化など、様々なコスト面でもメリットが生まれてきて、ハイブリッドシステムを採用する意味が非常に大きくなります」と開発に携わったJR東海の関係者が教えてくれました。実はこれがHC85系の本当にスゴいところ、なんです!

発電機を回すために使用されるHC85系のエンジン

ディーゼル車? 電車? HC85系はどっちなの?

さて、名古屋駅を出発したHC85系は東海道本線を走行し、岐阜へ。この区間では高速で走行する他の車両に負けないよう、自慢の俊足で快走! 加速時や高速走行時はエンジンからの電力をそのままモーターに伝えているため、エンジンも頑張って回転数を上げている様子だが、やはりエンジンが1台になった効果は大きく、エンジン直上の席に座っていてもキハ85系に比べて大幅にエンジン音が削減された印象だ。

車内表示器では現在のハイブリッドシステムの状況が表示されて面白い!

東海道新幹線と並走しながら、高速運転を行う

そしてちょっとユニークなのが走行音。エンジン音の中に電車のようなインバーターの音が少し聞こえてくる!この辺り、鉄道ファン的には「いかにもハイブリッド!」な感じがして胸がアツくなるポイントだ。

ちなみにHC85系の外装には「モハ85」という文字が書いてある。これは、「モーターを持っている普通車」ということを示しており、区分的にHC85系は、「電車」と同様。

鉄道の世界では電車とディーゼル車とでそれぞれ免許が異なるが、電車の運転士はエンジン関連の講習を、ディーゼル車の運転士は電車関連の講習を受けることで、HC85系の運転ができるようになっている。

HC85系に書かれた「モハ」の文字。これは電車につけられる区分だ

「ワイドビュー」は先代ゆずり。大きな窓から絶景を眺めよう!

岐阜駅に到着すると、HC85系は進行方向を変えて高山本線へ。

HC85系では車内に取り付けられたフルカラーLCD車内表示器と自動放送を使い、各所で沿線の観光案内が行われている。高山本線は観光路線としても人気が高いので、これは楽しいサービスだ。

一方、車内のデッキ部分には沿線の伝統工芸品などを飾る「ナノミュージアム」も登場!これまでJR東海というとこうした「観光色」を意識した放送や列車設備はあまりみられなかっただけに印象的だ。

「美濃和紙」が飾られている「ナノミュージアム」

季節折々の風景が美しい高山本線だけに、先代のキハ85系は「ワイドビュー」という愛称もつけられていたほど、車内からの眺望を意識した車両になっていた。

HC85系もきちんとその伝統を継承し、側面の窓はキハ85系同等の大きさを採用し、これまで同様に広々とした車窓を楽しむことができる。

山道をゆく高山本線だが、さすがは最新鋭のHC85系。車内の静寂性だけでなく、新採用したサスペンション機構も相まって快適な乗り心地が続く。

景勝地「飛水峡」を大きな窓から満喫!

普通車も全席コンセント、グリーン車にはJR東海初の装備が登場!

7月から登場するHC85系は4両編成。グリーン車1両に普通車が3両連結されている。今後はこのような編成のほか、2両編成、グリーン車のない4両編成がラインナップされ、需要にあわせて多様な編成が組めるように工夫されている。

普通車のシートは東海道新幹線「N700A」で採用されたものが基本設計とされ、全席にコンセントを装備。沿線の紅葉や祭り、花火をイメージとした明るいワクワク感にあふれる内装になっている。

観光気分を盛り上げてくれる明るい普通車

肘掛け部分には各席専用のコンセントを装備

そして、上位クラスとなるグリーン車は「落ち着いた上質感」がデザインテーマ。普通車とは印象ががらりと異なる、落ち着いた青基調の内装が風格を演出している。

普通車同様に全席にコンセントを装備し、高さを調節できるフットレスト、読書灯、スライド式で使いやすい大型背面テーブルを装備。そして、JR東海では初となるヘッドレストも装備。高さが自由に変えられ、お好みの位置で使用できる。デッキ部分は木目調を採用しており、これもJR東海では初の工夫だ。

確かな寛ぎを演出するグリーン車

座面も稼働するリクライニング機構とフリーストップタイプのフットレスト

実はJR東海では初採用となった、ヘッドレスト部の読書灯

グリーン車、普通車共に客室端に設けられた荷物スペース

だれもが使いやすい清潔感あふれる多機能トイレ

高山に到着! HC85系はどうだった?

車内をくまなく巡っての撮影後、車窓を見ていたら、気づけば高山はもうすぐそこ。あっという間の試乗時間だった。乗って実感したのはやはり既存車両に比べて大幅に低減されたエンジン音と、快適な車内空間、そして揺れの少なさだ。

試運転開始から長期間をかけて開発された最新鋭のハイブリッド車両HC85系がいよいよデビューする。まずは特急「ひだ」にて、出発進行!

取材・文/村上悠太


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