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1億800万画素カメラにFeliCa対応!世界で2億4000万台売れているXiaomiの最新スマホ「Redmi Note 11 Pro 5G」の実力

2022.06.09

■連載/石野純也のガチレビュー

 累計販売台数が2億4000万台を超え、世界的に注目を集めているスマートフォンが、シャオミのRedmiシリーズだ。単にコストパフォーマンスが高いだけでなく、意識的にハイエンドモデルで好評だった機能の一部を取り入れることで、競合との差別化を図っている。2022年5月に発売された、「Redmi Note 11 Pro 5G」も、そんな端末の1つだ。同機は、1月にグローバルで発表されたRedmi Note 11シリーズの中で最上位に位置づけられる。

 ミドルレンジモデルながら、メインカメラには1億800万画素のセンサーを採用。ディスプレイには有機ELを採用しており、リフレッシュレートも120Hzと高い。シャオミ独自の急速充電技術で、最大67Wの充電ができるのも特徴だ。細かな点だが、コストを抑えたモデルながら、この67W充電に対応したチャージャーまで同梱されている。通信は5Gに対応し、eSIMやデュアルSIMも利用できる。

 ハイエンドモデルで培われた技術をふんだんに盛り込んだRedmi Note 11 Pro 5Gだが、価格は4万円台半ば。3万円前後のミドルレンジモデルよりはやや高いが、この価格帯では実現が難しいような機能に対応しているのが売りだ。日本版は、FeliCaも搭載しており、おサイフケータイに対応する。そんなRedmi Note 11 Pro 5Gをいち早くテストすることができた。その実力をお届けする。

ハイエンドモデルの一部機能を取り込みつつ4万円台半ばを実現したシャオミのRedmi Note 11 Pro 5G

ミッドレンジながら1億800万画素カメラを搭載、その写りは?

 Snapdragon 695 5Gを搭載したミドルレンジモデルのRedmi Note 11 Pro 5Gだが、カメラはフラッグシップ級。一般的に、1億800万画素のセンサーは10万円を超えるような高機能モデルに搭載されるものだ。1億800万画素のカメラは、ピクセルビニングで画素を束ねて使用するため、撮影時には1200万画素相当になる。そのぶん、画素サイズが疑似的に上がって、感度を高めることが可能になる。

メインカメラの画素数は1億800万画素。ほかに、超広角カメラとマクロカメラを備える

 実際にRedmi Note 11 Pro 5Gで撮った夜景の写真は以下のとおり。暗い場所でもノイズが少なく、ディテールの描写も細かい。この写真は夜景モードをオフにして撮ったものだが、それでも十分なクオリティと言える。ただし、HDRの効きが弱く、路線図のように明かりが強い場所は白飛びが見られる。夜景モードにすると、こうした部分までしっかり映し出すことが可能だ。

暗所に強く、夜景モードなしでも夜景をキレイに映し出すことができる

 1億800万画素をそのまま使い、解像度を上げた写真を撮ることも可能だ。この場合、ピクセルビニングの効果が得られないため、暗い場所での撮影には適さないが、光量が十分ある場所であれば明るい写真が撮れる。広く全体を撮っておきつつ、後から一部分だけをトリミングして使う際に便利なモードと言えるだろう。以下の写真は1億800万画素で撮った風景写真だが、拡大すると横断幕の文字まできちんと読むことができる。

1億800万画素をそのまま使うと、横断幕の文字まできちんと読めるほど拡大が可能だ

 1憶800万画素で撮った写真は、データサイズも大きくなる。上に掲載した写真は、サイズが20MB。一般的な1200万画素モードで撮った際には3〜4MB程度に収まるため、その大きさがよくわかる。スマホの処理能力で扱うには、少々サイズが大きすぎるようにも思えるが、標準のギャラリーアプリは、写真を拡大したときのみ、1億800万画素そのままで表示する仕様になっている。全体を表示する際には、サムネールのように画像を縮小しているというわけだ。これにより、閲覧時の動作もスムーズになっている。

 カメラは、AIによる補正に対応する。料理モードを見ると、その効果がよくわかる。以下の写真はAIあり、AIなしで撮り比べたもの。フライや天ぷらの写真は、AIで料理と判定されると、わかりやすいぐらいに“揚げ物感”が強調され、こんがりと揚ったような色味になる。いわゆる“映える写真”と言えそうだが、個人的には少々特徴を強調しすぎているような気もする。

AIあり、なしそれぞれで撮ったバーガーの写真。AIありの方は、中のフライがこんがり揚ったような色合いになる

天ぷらでも、その傾向は同じ。少しやりすぎな気もするが、SNS映えしそうだ

 彩度が高すぎるため、料理によっては食品サンプルのような不自然さが出てしまうこともある。自動で補正するにしても、もう少し自然さはほしい。AIをオフにすれば済む話だが、仕上がりがよくなることも多いだけに、悩ましい選択だ。もっともこれは、Redmi Note 11 Pro 5Gに限ったことではなく、シャオミ製スマホ全般のに見られる傾向でもある。

明るく、シャキッとした写真に仕上がるが、少し補正が強すぎる印象も受けた

大画面で高リフレッシュレート、充電も速い

 ディスプレイも、Redmi Note 11 Pro 5Gがハイエンドモデルから受け継ぐ仕様の1つだ。同モデルのディスプレイは、サイズが6.67インチと大きく、型番で“Note”をうたうだけのことはある。画面サイズが上がると、トレードオフとして片手での持ちやすさが低下してしまうのは難点だが、映像の迫力を重視する人にはうってつけの端末と言えるだろう。

ディスプレイは6.67インチ。大画面で迫力はあるが、片手操作は少々しづらい

 スクロールなどの動きが、指にしっかり追従しているように見えるのは、リフレッシュレートが120Hzに対応しているからだ。ディスプレイサイズが大きいこともあり、その効果がわかりやすい。この滑らかさに慣れてしまうと、60Hzでは違和感を覚えるかもしれない。ただし、こちらもトレードオフとして、バッテリーの消費量が上がってしまう。ディスプレイを書き換える頻度が倍になるので、ある意味当然のことだ。

リフレッシュレートは60Hzと120Hzの選択制。標準では60Hzに設定されている

 惜しいのは、リフレッシュレートを可変する機能がない点。ハイエンドモデルの一部では、動きがないことを検知して、最低で1Hzまでリフレッシュレートを落とし、省電力と滑らかさを両立させている。一方で、Redmi Note 11 Pro 5Gは60Hzと120Hzの選択制で、どちらかに固定される。この機能はディスプレイの方式などを変える必要があり、コストアップの要因になる。4万円台のミドルレンジモデルでは、実現が難しかったのだろう。

 バッテリー容量は5000mAhで、電池の持ちはいい。ディスプレイがフルHD+だったり、チップセットがSnapdragon 695 5Gでフラッグシップモデルほど処理能力が高くないこともあってか、利用時のバッテリーの減りは緩やかだ。OSにはシャオミがかなりのカスタマイズを加えており、省電力性能を上げている。標準では「バランス」に設定されているが、これを「パフォーマンス」に変更して、端末の性能を上げることも可能だ。

5000mAhの大容量バッテリーを搭載しつつ、独自の省電力機能を採用。電池の持ちがいい

 そんな大容量バッテリーを素早く充電できるのが、Redmi Note 11 Pro 5Gの魅力だ。急速充電は最大67Wで、付属の充電器をつなぐと、みるみるうちにバッテリーの残量が増えていく。これなら、寝る前に充電を忘れてしまっても、朝、支度している最中に満充電まで持っていくことができる。難点は、67Wの急速充電が独自規格なところ。USB PD対応の充電器でも、それなりの速度で充電できたが、同梱品にはかなわない。予備のチャージャーが手に入りにくいのは、独自規格の難点と言えるだろう。

67Wの急速充電に対応したチャージャーを同梱する

パフォーマンスは良好ながら、UIのカスタマイズは好みがわかれそう

 指紋センサーが側面にあり、電源キーと一体化しているため、使い勝手がいい。ハイエンドモデルは画面内指紋センサーを採用する機種が増えているが、あの機能はディスプレイの狭い範囲にピンポイントで指を当てなければならず、慣れるまでに時間がかかる。物理的な凹凸がないこともあり、手探りでロックを解除できないのも難点。かと言って、背面に指紋センサーを載せると、机やテーブルの上に置いたときに、ロックが解除しづらくなる。側面の指紋センサーはこれらの問題点を解決しており、合理的だ。

 Snapdragon 695 5Gを搭載したミドルレンジモデルながら、レスポンスは速い。ハイエンドモデルと比べてしまうと、さすがにアプリの切り替えなどに少しもたつくことはあるが、基本的なアプリを動かすだけなら、満足できるような動作速度と言えるだろう。「Geekbench 5」で計測したCPUのスコアは、シングルコアが689、マルチコアが2029。ハイエンドモデルには及ばないものの、普段使いには十分なレベルであることが確認できる。

シングルコアスコアが689、マルチコアスコアが2029。普段使いには問題ないパフォーマンスだ

 さらに、日本独自のカスタマイズとして、Redmi Note 11 Pro 5Gにはおサイフケータイが搭載されている。QRコード決済が広がった今でも、端末をかざすだけでモバイルSuicaやiD、QUICPayなどを使えるのはやはり便利だ。特にモバイルSuicaは、鉄道に乗るためには必須なだけに、普段使いのスマホには、やはりおサイフケータイに対応していてほしい。こうしたニーズをきちんとくみ取り、グローバルモデルをベースにしながらFeliCaを搭載してきた点は、高く評価できる。

他の機能はグローバル版とほぼ共通だが、日本版のみおサイフケータイに対応する

 一方で、ユーザーインターフェイスは、少々好みが分かれるかもしれない。シャオミ製のスマホには「MIUI」と呼ばれる同社独自のカスタマイズが加えられており、標準的なAndroidとは操作体系が大きく異なる。例えば、アプリのドロワーがなかったり(設定でドロワーありにすることも可能)、通知とコントロールセンターが分かれていたりと、一見すると、同じAndroidとは思えないほどだ。

iPhoneのように、コントロールセンターと通知が左右に分かれている

設定でドロワーの有無を選択することが可能だ

 SNSなどのアプリを分け、異なるアカウントでログインできる「デュアルアプリ」や、独自にカスタマイズされた「ギャラリー」やセキュリティアプリは便利ではあるが、ユーザーインターフェイスの違いには戸惑うこともある。特に通知とコントロールセンターが分かれている点は、まるでiPhoneのようで、慣れるまでに時間がかかった。通知を削除しようとしてフリックするとコントロールセンターが開いてしまうなど、操作性にやや課題があるように感じた。

独自アプリの1つであるギャラリー。こうした基本アプリが充実しているのも、シャオミ製品の魅力と言える

 ソフトウエアには改善の余地があるようにも見えるが、機能面では確かに同価格帯のミドルレンジモデルの中では、頭1つ抜けた存在と言える。ミドルレンジモデルにも、そのモデルならではの“個性”を求めたい人にはいい選択肢と言えるだろう。4万円台半ばでこれだけの機能を搭載しているのは、ハイエンドモデルにとっても脅威と言えるだろう。長くお付き合いできる1台として、人気が出そうな端末だ。

【石野’s ジャッジメント】
質感        ★★★★
持ちやすさ     ★★★★
ディスプレイ性能  ★★★★
UI         ★★★★
撮影性能      ★★★★
音楽性能      ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★
生体認証      ★★★★★
バッテリーもち   ★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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