サウナにどっぷりとハマると誰もがぶつかる壁。それが住環境の問題だ。
例の幸せな感覚を帰宅後もキープしたいけど、家が遠すぎる!
近くにサウナはあるけど、温度の好みが自分と合わない!
こうなると引っ越しを検討するしかない。
そんなサウナ好きに向けた物件探しサイト「サウナ不動産」、ととのう物件を探しやすいと一部サウナーの間で話題となっている。
「よく行くサウナは新橋のアスティル、大磯プリンスホテルのサウナもお気に入り」という、サウナ好きが高じて「サウナ不動産」を立ち上げた稲垣さんに、サウナのある住環境を〝ととのえる〟アドバイスをうかがった。第1回は物件の見つけ方と選び方。
稲垣慶州さん
キズナファクトリー代表。サウナ好きが高じて「サウナ不動産」を設立。YouTubeチャンネル「東京不動産大学」も手掛ける。
1 ネットで探すポイント
SUUMOなどの大手が運営する物件探しサイトの一部には、チェック項目のところに「サウナ」のボタンがある。このボタンを使って検索して出てくる物件は、郊外にあるサウナ付きの戸建ばかり。フリーワード検索「サウナ」と入力しても、「近くにサウナがあります」といったふんわりした情報が入った物件が大量に出てくるので、絞り込みは難しい。
タワーマンションなど都心部のマンションの一部には、共有スペースに大浴場が設置され、その一角にサウナのある物件もある。だがほとんどの物件が今のサウナブームの前に建設が計画された物件のため、サウナがあることを前面にださないところがほとんど。設置されているのに「サウナあり」の物件として登録されていないところもあるという。また「サウナあり」となっているのに、設置されているのは「ミストサウナ」というところも。
そんな現状だから立ち上げられたサイトがサウナ不動産だ。
「サウナ不動産のサイトは、弊社スタッフ(無類のサウナ好き)が実際に見て回ったサウナ物件を紹介しています。我々も『このマンションは共有スペースにサウナがあるらしい』というクチコミを見て物件へ行くなど、サウナ物件をアナログな作業で探している状況なので、都内近郊の物件を網羅しているわけではありませんが、今後もサウナ付き物件を探し続けて、情報を充実させたいです」(稲垣さん)
お気に入りのサウナに近い物件を探す場合は、大手サイトの「地図から探す」機能を活用するのが便利だ。サウナの住所を中心に検索すると、徒歩数分の場所にある部屋を比較駅簡単に見つけることが可能だ。
2 サウナ物件の選び方
サウナ物件には3つのタイプがある。
・居住スペースにサウナがある「部屋の中タイプ」
・マンションの住人が誰でも自由に使えるスペースにある「共有部タイプ」
・物件から徒歩数分のところにサウナがある「周辺タイプ」
「部屋の中タイプ」は自分がサウナに入りたいと思ったらいつでも入れる自由度が魅力だ。だがサウナ付き物件となると都心部の場合は広い庭がセットになった豪邸となるので、一般人にはとても手が出せない。郊外でも売りに出されている物件はごくわずかだ。
「周辺タイプ」は、自由度が高いのが魅力。温度高め、水風呂シングルなど、自分好みのサウナを決めてから部屋を探すこともできるし、毎日サウナへ通うのと割り切って、風呂なしの格安物件を探す、なんてことも可能だ。ただ、サウナから自宅へ戻る間の幸福なひととき(ととのっている時間)、外出着で移動するが難点だ。
「共有部タイプ」最大のメリットは、サウナから自宅まで部屋着のまま移動ができること。ほかの住人がいるので、パンツ一丁で部屋へ戻るのはNGだが、ラフな服装でサクッと自宅へ戻ることができる。マンション内の移動なので天候に左右されないのもメリット。自分好みのサウナ環境だったら、このタイプがオススメだ。
3 稲垣さんオススメ物件
現在、サウナ不動産に登録されている物件で、稲垣さんオススメのマンションが「コンフォリア新宿イーストサイドタワー」だ。
「共有部にサウナのあるマンションは都内にいくつかあるのですが、水風呂もあるところとなると数えるほどしかない。温冷交代浴でしっかりととのえたいならこちら。東新宿駅から徒歩2分。新宿駅までも歩いて行ける距離です」
インフィニティプールやカラオケ、ゴルフシミュレーターもある至れり尽くせりのマンションだ。
一人暮らしでオススメの物件は?
「ウェリスアーバン品川タワー」がオススメです。港南口から歩いて10分という立地ですが、家具家電付きのサービスアパートメントなので、気軽に新生活が始められます」(稲垣さん)
次回は、リフォームでサウナを設置する際の注意点など、サウナ物件に関する気をつけなければならないポイントを紹介する。
一年ぶりですね!サウナの深みハマる「Saunner 2022」が6月30日発売決定
2014年3月に日本初のサウナ専門誌として誕生した伝説のバイブル『Saunner』。昨年6月にムック+サウナ専門サテライトメディアとして復刊し、今年も熱いファンの支持を得て、『Saunner 2022』の発売が決定!
“ととのう”という言葉もすっかり定着し、有名どころサウナは一通り回ったというサウナーも増えました。しかし、本誌は言いたい!
「でも、その先があるんだよ!」 と。表紙はサウナ歴38年、高橋克典さん!
取材・文/渡辺雅史 撮影/小倉雄一郎