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「墳ピク」って何?中学3年生の古墳王子さんが解説する古墳めぐりの楽しみ方

2022.06.11

GoToトラベル再開の話も浮上し、これから夏に向けて、旅を計画している人も多いだろう。この機会に新しい体験をしてみたいと考えている人におすすめしたいのが、密かなブームとなっている「古墳めぐり」だ。

古墳好きによる「古墳にコーフン協会」のサイトによると、全国にある古墳の数は約16万基。古墳の魅力にハマって以来、5年間で1500基以上もの古墳を訪れているという、名古屋在住の中学3年生・古墳王子さんに、その魅力や楽しみ方を教えてもらった。

中学2年生にして古墳訪問数1500基超えの古墳王子さん

「1700年前の人と同じ景色を眺めている」ことに感動

古墳王子さんが初めて古墳を訪れたのは、小学4年生の5月のこと。歴史のマンガを読んでいたところ、中でも先史・古代に一番興味惹かれた。それを知った両親が、こどもの日に奈良県の箸墓古墳へ連れて行ってくれたのだ。

箸墓古墳は邪馬台国の卑弥呼の後継者・台与の墓という説もあり、全長約276mの巨大な前方後円墳で、我が国最初の巨大古墳としても知られている。

参照:奈良県桜井市観光協会公式ホームページ

「初めて見た箸墓古墳は、雄大で神秘的で美しかったです。ここに1700年前に生きていた人が眠っていると思うと、今そのすぐそばに自分が立って、昔の人と同じ景色を眺めていることに興奮しました」と古墳王子さん。

この出会いをきっかけに、休日には全国の古墳へ足を運ぶ旅が始まった。

古墳王子さんの楽しみ方は、まずは本やネット、テレビで情報収集することから始まる。そして博物館で展示を見たり、自治体の市史などを調べることもある。

そしてお目当ての古墳に行ったら、挨拶をして、登れる墳丘ならば登り、色々な角度から写真を撮ったりする。最近はスマホの計測アプリを使い、石室の簡単な計測をするのも好きだそうだ。今後、類似性が指摘されている古墳の石室と比較してみたいとか。

ちなみに挨拶というのは「やはりお墓なので『失礼します』という気持ちで、墳丘に登ったり石室に入ったりする」ということ。その場所に眠る人を思い、敬意を払うのだ。

古墳初心者でも楽しい!古墳王子さんのおすすめ古墳3つ

今まで古墳王子さんが訪れた古墳の中から、古墳めぐりが初めての人にもおすすめの3か所を教えてもらった。

1.大阪府高槻市:今城塚古墳

淀川流域では最大級の前方後円墳。墳丘の周りを二重の濠がぐるりと囲み、さまざまな埴輪も発見されている。

高槻市が約50年をかけてほぼ全域を公有化し、歴史遺産としての整備を現在も進めており、史跡公園として楽しむことができる。

「真の継体天皇の陵墓ではないかと言われていますが、宮内庁に治定されなかったために墳丘に登り放題なんです!(※)

祭祀場の復元コーナーにはたくさんの埴輪が並べられていて馬形埴輪や水鳥形埴輪に乗って記念撮影も可能。

市民の皆さんにとても愛されている憩いの場所で年に一度開催される世界最大の古墳イベント『はにコット』では古墳グッズや古墳フードが楽しめます」(古墳王子さん)

※皇室関係の墓所を陵墓といい、宮内庁より陵墓に治定されると、一般の立ち入りは制限される

・今城塚古墳公園
所在地:大阪府高槻市郡家新町
交通:JR摂津富田駅または阪急富田駅下車
入園料:無料
参照:たかつき歴史Web

2.埼玉県行田市:さきたま古墳群

県名発祥の地でもある「さきたま(埼玉)」。前方後円墳8基、大型円墳2基、方墳1基、小円墳群からなる、さきたま古墳群だ。

「さきたま古墳群は、10基以上の古墳が密集する、古墳のテーマパークです。

まさに大小さまざま古墳が楽しめるのと、博物館では勾玉づくりや埴輪づくりに挑戦できるのも魅力。

晴れの日には大きな古墳たちを眺めながら墳ピクを楽しみ、雨の日でも博物館で埴輪を見たりして楽しめるという、何度でも通いたくなる古墳群です」(古墳王子さん)

ここで気になるのが「墳ピク」という単語。「古墳ピクニック」の略語で、古墳王子さんも在籍する古墳愛好家の協会「古墳にコーフン協会」内ではよく使われている言葉だそうだ。

・埼玉県さきたま史跡の博物館
所在地:埼玉県行田市埼玉4834
交通:JR吹上駅、JR行田駅、秩父鉄道行田駅よりバスあり。
観覧料(博物館):一般200円、高校生・学生100円、中学生以下無料
参照:埼玉さきたま史跡の博物館

3.群馬県高崎市:保渡田八幡塚古墳

約1500年前の豪族が葬られた、3つの前方後円墳が集積する保渡田古墳群。その中のひとつ、八幡塚古墳が古墳王子さんのお気に入り。併設された、かみつけの里博物館では、出土した人間・動物埴輪や当時を再現した模型も展示されている。

「葺石がびっしり敷き詰められた大きな前方後円墳の姿に圧倒されます。古墳の周りに四つの島状遺構があって、航空写真を見るとまるで宇宙基地みたい!狩りの様子を再現している埴輪たちも必見です」(古墳王子さん)

葺石とは、古墳の斜面などに積んだり貼り付けられたりした石のこと。

・保渡田古墳群
所在地:群馬県高崎市保渡田町2000-1
交通:JR高崎駅からバス
観覧料(博物館):大人200円、大学生・高校生100円、中学生以下無料
参照:高崎市ホームページ

初めて古墳を訪れる場合の楽しみ方も、古墳王子さんに教えてもらった。

「ぜひ墳丘に登って景色を楽しんでほしいです。古墳はその地域の権力者のお墓なので、安全で見晴らしの良いところに造られていて、その墳頂から見られる景色はまるで王様級かも!?」

今後も古墳めぐりを続け、全国16万基すべての古墳に会ってみたいと話す古墳王子さん。「いずれは、自分だけのオリジナル古墳を造って埋蔵してもらいたい」と、将来は自らが古墳に入るという夢まで持つほど、魅了されている古墳めぐり。まずはその景観から楽しんでみるのはいかがだろう。

古墳王子さんのTwitterアカウント(@kotetu2019)では、古墳の魅力を写真盛りだくさんで配信しているので、訪問する古墳選びの参考にぜひ。

取材・文/安念美和子(nenko) 写真提供/古墳王子さん

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