現在リールはInstagramとFacebookにおいて最も早く成長しているコンテンツフォーマットで、特にInstagramでは利用時間の20%を占めている。
また、1万人以上のフォロワーがいる公開アカウントのうち、過去60日間に5つ以上のリールを投稿したアカウントは、リールを全く投稿しなかったアカウントと比較して、2.5倍も多くのフォロワーを獲得していることが判明。
そこでMetaは、InstagramとFacebookでより簡単にリールを作成・編集することができる複数のクリエイティブツールを発表したので概要をお伝えしよう。一部の機能は6月2日から(※1)、その他についても今後数週間のうちに利用可能になる予定だ。
※1:テンプレートのみ、5月に導入済み
Instagramのリールで使える新しいツール
テンプレート
お気に入りのクリエイターなど、他の利用者が投稿した既存のリール動画をテンプレートとして使い、簡単に動画を作成することができる。
真似してみたい動画を見つけて「テンプレートを使う」をタップすると、音源とクリップのフォーマット(個々のクリップの尺の長さや構成など)が読み込まれ、自分が撮影した動画や写真でカスタマイズが可能に。
テンプレートが作成されるのは3つ以上のクリップから構成されるリール動画のみ。また、自分が投稿した動画のテンプレートを、他の利用者も自由に使うことができる。
サウンドエフェクト
エンターテインメント性の高いリールを作成する上で欠かせないのが、音源やサウンドを効果的に使うこと。
ドラムやエアホーン、コオロギなどのサウンドエフェクトを使えば、思わず笑ってしまうユーモアのある動画や、見ている人の感情に訴えるような動画を作成することができる。
自分の動画から音だけを取り込む
カメラロールにある自分の動画から音源や音声だけを取り込み、リールを作成するときに利用できるようになる。
インポートするには元の動画が5秒以上の長さである必要がある。オリジナルの音を使うことで、より気軽にオリジナリティがある動画を作成することが可能に。
インタラクティブなスタンプがリールにも登場
ストーリーズで人気のインタラクティブなスタンプをリールにも導入する。これらのスタンプを使うと、動画を見ている他の利用者と簡単に双方向の交流を楽しむことができる。
アンケート:最大4つまでの選択肢を設定しておき、スタンプをタップすることで投票してもらうことができる。
例えば、2部構成のリール動画を投稿しようと考えているクリエイターなら、最初の動画でアンケートスタンプを使い、ファンの意見を聞いてから次の動画の内容を決めることで、一緒にコンテンツを作ることができるのだ。
クイズ:動画内でクイズを出題し、見ている人たちの知識を試したり、新しく何かを教えたりすることができるようになる。
絵文字スライダー:絵文字を左右にスライドさせることで、動画を見ている人のリアクションや感情を表現してもらうことができる。
動画の尺を最長90秒に
リールとして投稿できる動画の尺が、これまでの最長60秒から90秒に。選択できる尺が長くなることで、さらに自由にクリエイティビティを表現できるようになる。
Facebookのリールで使える新しいツール
デスクトップでリール動画を作成・予約投稿
これまではiOSとAndroidのスマートフォン上でしかリールを作成できなかったが、今後はデスクトップからクリエイタースタジオにアクセスすることで、動画を作成したり、予約投稿したりすることができるようになる。
長尺動画を編集してリール動画に
事前に録画した動画やライブ配信のアーカイブなど長尺の動画を投稿するクリエイターが、他のフォーマットを試しやすいよう、デスクトップ上でそれらの動画を簡単に編集し、リールとして投稿できる動画クリップ機能を導入する。
このツールを使うと、クリエイタースタジオを通じて、公開済みの長尺動画をシームレスにFacebookリールに編集することが可能。
また、ゲーム動画クリエイターには、ライブ配信コンテンツから直接リールを作ることができる編集ツールも提供していく。
ライブ配信している動画をリールの縦型フォーマットに合わせてカットし、クリエイター自身を映すカメラ画面と、プレイしているゲーム画面の双方が表示される形で、60秒までの動画にすることができる。
新しい音源ツール
Facebookのリールでもボイスオーバーが使えるようになり、作成したリール動画にナレーションをつけることが可能に。
また、新たに追加されるサウンドシンクを使うと、お気に入りの曲と動画クリップが自動的にシンクするほか、入力したテキストをデジタル音声が読み上げてくれる機能も使えるようになる。
より多くの利用者にリーチ
さらにFacebookでは、投稿したリールを世界中の利用者に発見してもらいやすくなるよう、フィード上におすすめのリール動画が表示されるようになる。また、フィードとグループだけでなく、Watchタブにもリールを表示する設定をより多くの国で導入した。
Instagramでリールを投稿するクリエイターは、より多くのファンにリーチするために、Facebookでも自分の動画がおすすめされるようなオプションを選択することが可能。
今回の発表は、クリエイターにとって重要性を増しているリールの機能を充実させ、これまで以上に簡単にエンターテインメント性の高い短尺動画を作成できるようにするものだ。
また、投稿したリールがより多くのファンに発見してもらえるようなアップデートも行っていく。
今後もMetaは、InstagramとFacebookの双方で、あらゆるクリエイターが自分のストーリーを表現し、ファンと繋がってコミュニティを育み、持続性のあるビジネスを築くことができるよう、機能の拡充や大規模な投資などの支援に注力していくとアナウンスしている。
関連情報:https://about.facebook.com/ja/
構成/Ara