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W杯開催国カタールの料理がどうしても食べたくて大使館に聞いてみたら…

2022.06.05

カタール料理専門店が見つからない!?

 今年、4年に1度のサッカーの祭典ワールドカップが開催される。記者の端くれとしてはこのお祭りに合わせて有意義な記事を執筆したいところだが、残念なことに私はサッカーに全然詳しくない(オフサイドはわかる)。今から知識を蓄えたところで、長年サッカーを取材している先輩方に比べたら、知識量も熱意もファンの心をつかむテクニックも不足していると言わざるを得ない。

 そこで私は視点を変えワールドカップに関連するテーマから記事の題材を考えてみることにした。今年の開催国はカタール。そうだ。カタール料理を食べて食レポ記事を作ろうではないか。思い立った私は早速、都内のカタール料理専門店を検索してみることにした。

「東京 カタール料理」。ありきたりな検索ワードから検索をかけてみるがヒットするのはアラビア料理、ハラル料理、レバノン料理……一向に「カタール料理専門店」は見つからない。おかしいな。世界各国の料理が食べることができると言われている東京にカタール料理を食べられる場所はないのだろうか。カタールがそこまで大きな国ではないからか? もちろんカタールは中東に属する国なのでアラビア料理や中東料理の専門店に行けば近いものは食べられるだろう。しかし、それでは「カタール料理専門店はなぜないのか」という疑問は解消されない。見つからないとなると食べたくなるのが人間の性というモノ。

 悩んだ末、こういうことはカタールの関係者が一番知っているだろうと考えた私は、駐日カタール大使館に問い合わせることにした。

「カタール料理はありませんよ」

 大使館の代表番号に電話をかけ「いきなりすみません…カタール料理を食べたいのですが…」と恐る恐る尋ねると、対応してくれたスタッフは躊躇う素振りもなくはっきりとそう言い切った。

 大使館に聞けば答えがわかるだろう。そう安易に考えていた私の鼻柱は簡単にへし折られてしまった。それは困った。というかカタール料理がないとはどういうことだろうか。

「カタール料理のことを知りたいのでしたらプロに聞いたほうがいいでしょう。大使館でもお世話になっているレストランを紹介しますので、そこのシェフに聞いてみたらどうですか」

 彼女はそう言い横浜のとあるアラビア料理レストランを教えてくれた。

大使館御用達の横浜にあるアラビア料理レストランを訪ねて

 関内駅から徒歩10分。大使館のスタッフに言われるがまま教えられた住所に赴くと、ビルの地下1階にエキゾチックな入り口を構える一軒のレストランにたどり着いた。緊張しながらも『アル・アイン』と書かれた入り口をくぐると一人のシェフが陽気な声で迎えてくれた。

「ようこそ!カタール料理が食べたいって?用意するからミントティーを飲みながらそこの席に座って待っていてください!」

 用件を伝えるとシェフは二つ返事で快諾してくれた。事前の情報によるとこちらのシェフはレバノン出身で、過去に在日クウェート大使館の専属料理人として来日。その後、横浜にこのアラビア料理店を構えて数十年。いまでも定期的に大使館主催の外交パーティーでは調理を担当しているというプロ中のプロ。これから出されるであろうカタール料理に胸を膨らましながら待つこと十数分。

「お待たせしました!」

 眼前にはこれまで食べたことも見たこともない料理が次々と並べられた。

ラムシャンクとバスマティライス

カプサ

「これが『ラムシャンク』。羊のすね肉とオクラを一緒に煮込んだものです。こっちが『バスマティライス』。カタールでよく食べられるご飯ですね。それでこれが『カプサ』。子羊とトマト、ドライレモン、アラビアンスパイスなどを炊き込んだアラビアンピラフです。どうぞ召し上がれ!」

「うま!」。とりあえず……と思い「ラムシャンク」を口に運ぶと思わず声が出てしまった。お皿の上の大きな肉の塊にナイフを入れた瞬間、柔らかくお肉が崩れた時からにわかに期待をしていたが、口に中に広がる味、食感は想像をはるかに上回るものだった。ラム肉特有の臭みはほとんどなく肉の旨味が凝縮され、素人でもじっくりと煮込まれたのがわかるほど、舌の上でほろほろと崩れる驚くほど柔らかいお肉。思わずフォークが止まらなくなった私は無心で肉の塊をむさぼり続けあっという間に「ラムシャンク」を完食してしまった。

「バスマティライス」は見た目通りパサパサしたタイプのご飯だったが、嫌な感じで口に残るタイプではなく、どちらかと言うとパサパサよりもサラサラと表現する方が近いかもしれない。正しい食べ方かはわからないがラムシャンクのソースをかけると一粒一粒にソースがよく絡んでおいしかった。「カプサ」はバスマティライスとラム肉を使った炊き込みご飯だったが、シェフ曰くコリアンダーなどのスパイスを使っているらしく、このスパイスが食欲をそそり、「ラムシャンク」と「バスマティライス」を食べた後でも箸が止まらずペロリと食べてしまった。

「まだまだ終わりじゃありませんよ! 食後はデーツとアラビックコーヒーです」

デーツとアラビックコーヒー

 デーツ? 私の疑問を察したのか「ナツメヤシですね」と説明をしてくれた。

「デーツはアラブでよく食べられるデザートです。ドライフルーツとしても食べますし、中にナッツを入れたり、焼き菓子の中に入れて食べることもあります。アラビックコーヒーは日本でよく飲まれるコーヒーとは全然違いますよ」

 確かにアラビックコーヒーは薄く、一見するとお茶のような色合いをしている。テイストとしてはコーヒー豆の苦さは全くなく、スパイスが利いた中にほんのりとコーヒー豆の風味が感じられるという程度のコーヒー感になっている。後で調べたところによると、浅煎りのコーヒー豆をカルダモンと一緒に煮出しているらしい。

「どうですか?お口に合いましたか。それはよかった!いえ、日本人の方々の好みに合わせているということはありません。どれも現地で食べられるそのままの味です」

ラムシャンク、バスマティライス、カプサ…これらがカタール料理の代表料理ということなのか。改めて今回訪れたアラビア料理レストラン『アル・アイン』のシェフ、ジアード・カラムさんに話をうかがった。

「アラブ諸国はみんなアラビア語で言語も同じ、国によって食べるものが大きく異なるということもなく、広く同じものを食べます。今日食べてもらった料以外にもシシカバブやひよこ豆のコロッケなんかもよく食べられています。食事の時にはミントティーとかマンゴーやハイビスカスのジュースを飲むこともありますね。

 カタールはアラブ諸国の中でも湾岸地域に属する国のひとつです。この地域ではお肉、ビーフではなくラム肉をよく食べます。ラムシャンクやカプサはカタールの一般家庭でもよく食べられている料理です」

 ネットで検索してカタール料理専門店が見つからなかったり、大使館の方にカタール料理はないと言われたときはどうなることかと思ったが、『アル・アイン』に辿り着いたことで、無事カタール料理にも巡り合うことができた。

 11月から始まるカタールワールドカップのグループリーグでは、日本はドイツ、スペイン、大陸間プレーオフの勝者(コスタリカ、ニュージーランドのいずれか)と同じグループEに属することになった。よくわからないが強豪国と名を連ねるグループなため日本のグループリーグ突破は難しいというのが大方の予想らしい。日本が負けるなら楽しめない?そんなことは言わずにカタール料理を食べてワールドカップを楽しもう!

アラビア料理レストラン アル・アイン

『アル・アイン』のシェフ ジアード・カラムさん。レバノン出身で国立調理師学校卒業後、在日クウェート大使館付きシェフとして来日。1995年、横浜に『アル・アイン』をオープン。毎年のように大使館の依頼を受けてアラブ諸国のVIPのために料理を振る舞っている。

【HP】https://www.alaindining.com/
【住所】神奈川県横浜市中区弥生町2-17 ストークタワー 大通り公園1ビル B1階
【TEL】045-251-6199
【営業時間】平日 17:30~23:00 日・祝日 17:30~22:30(毎週月曜日定休)

取材・文/峯 亮佑(Twitter:@mineryo33)

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