市場急拡大中の「大豆ミート」って実際どう?
ここ最近、メディアやSNSでよく見かけるようになった「大豆ミート」。
一昔前はニッチな食品というイメージでしたが、近頃は食糧難を救う健康的な代替フードとして注目を集めています。
というわけで今回は、話題の大豆ミートから無印良品で販売している4種類をご紹介。原材料や活用レシピ、口コミをまとめました。実際に調理してみたレビューもあるので参考にしてみてください。
「大豆ミート」とはどんなもの?
大豆ミートとは、見た目や食感を肉のように見立てた大豆製食品のことです。「ソイミート」と呼ばれることもあり、牛・豚・鶏肉と同じように調理して食べることができます。
原料に動物性食品を一切使わず植物由来の食品のみで製造されているため、以前は肉を口にしないヴィーガン(菜食主義)やベジタリアンの方の代替食品といった位置づけでした。
しかし最近ではマルコメや日本ハム、大塚食品などの大手食品メーカーから大豆ミートが発売され、イオングループやセブン&アイホールディングス、無印良品、カルディなどのショップでも大豆ミート関連商品を気軽に購入できるようになりました。
植物性の代替食品(プランツベースフード)に注目が集まる理由
大豆ミートをはじめとする植物由来の代替食品は「プランツベースフード」と呼ばれ、近年日本でも注目を集めています。
実は日本ではもともと欧米ほど肉を大量に食べる文化がなく、納豆や豆腐などの大豆食品にも親しんで暮らしてきたため、これまでプランツベースフードに対する関心はあまり高くありませんでした。
そんな日本で、大豆ミートに代表されるプランツベースフードの注目度が急上昇しているのはなぜなのでしょうか?
1 コロナ禍をきっかけとした健康志向の高まり
日本で大豆といえば、「畑の肉」と呼ばれるほど栄養価の高いスーパーフード。
高たんぱく・低糖質である上に、食物繊維やビタミン、カルシウムなどの栄養素をバランスよく摂取することができます。血中コレステロールの低下や肥満の改善にも効果的といわれ、昔から重宝されてきました。
さらに近頃は「大豆ミートの方が肉に比べて脂質が少ないからヘルシーだ」というイメージからダイエット目的で取り入れる人が増え、コロナ禍で高まった健康志向も手伝って大豆ミートの需要が急拡大したといわれています。
(もちろん動物の肉には動物の肉の栄養があるので、実際は調理法や量などを工夫することでヘルシーに食べることもできるし、太りにくい食事をすることもできるでしょう!)
2 SDGsへの取り組みからくる環境保護意識の拡大
もう1つの理由として、今世界的に取りざたされている環境と食糧問題があります。
サステナブルな社会を目指すSDGsへの取り組みが本格化している現代は、エシカル消費についても注目が高まっています。
実は牛や豚などの家畜を生産するために使われる水資源の消費は大豆の生産に使われるよりもはるかに多く、飼育する土地を確保するために森林伐採が進んでいるといった事実もあります。また、地球温暖化への影響があるとされる、牛のげっぷや家畜の排泄物から発生する温室効果ガスの抑制なども課題になっているということ。
そんななかで、大豆ミートなどのプランツベースフードを食べるという選択は、手軽にできるエシカル消費として注目されているのです。
参照:
知っておきたい。大豆ミートが環境にやさしい選択肢だと言われる理由(前編) | コラム | 大豆ミート・ソイミートのことなら大豆ミート研究所
無印良品の大豆ミートは使い勝手の良い4種類
「感じ良い暮らしと社会」を目指す無印良品では、サステナビリティにも力を入れています。その取り組みの一つとして、2020年に大豆ミートシリーズをリリースしました。
現在、無印良品では4種類の大豆ミートを購入することができます。
- ミートボール
- ハンバーグ
- 薄切りタイプ
- ひき肉タイプ
いずれも税込290円で、化学調味料・合成着色料・香料不使用。水戻しや味付け不要ですぐに調理ができ、未開封であれば常温保存も可能です。ストックしやすい調理済み食品なので、停電や災害時の非常食としても活躍してくれます。
ちなみに、無印良品では上記シリーズの他に「素材を生かしたカレー」シリーズより「大豆ミートのチーズキーマ」と「大豆ミートのスパイシーキーマ」などの関連商品も発売されているのでぜひ試してみてください。
①お弁当やもう1品に便利な「大豆ミート ミートボール」
1つ目のおすすめは、一口サイズで使いやすい大豆ミートのミートボール。温めるだけでも食べられるので、子供のお弁当やもう1品おかずが欲しい時にストックがあると重宝します。
価格:290円(税込)
内容量:80g
賞味期限:製造日から180日
主な原材料名:
粒状植物性たんぱく(中国製造、国内製造)、ソテーオニオン、植物油脂、パン粉、揚げ油(植物油脂)、水あめ、粉末状植物性たんぱく、粉末卵白、でん粉、たん白加水分解物、発酵調味料、香辛料、食塩、たまねぎエキス など |
栄養成分表示(1袋あたり):
エネルギー174kcal、たんぱく質9.8g、脂質9.3g、炭水化物13.0g、食塩相当量1.4g |
「大豆ミート ミートボール」の口コミレビュー
見た目はこの通り、ミート(肉)ボール(団子)にしか見えません。
大豆の臭いが気になるという口コミもありましたが、私はほとんど感じず。それよりもレトルトパック特有のアルミ(?)っぽい香りの方が気になりました。
今回はケチャップ・ソース・醤油があれば簡単にできるデミグラス大豆ミートボールを作ってみました。
【材料】
大豆ミートミートボール 1袋
ケチャップ:ソース:醤油 2:1:1(分量はお好みで)
コンソメ 少々
【作り方】
①フライパンに調味料を全て入れて混ぜ、大豆ミートミートボールを加えて絡めたら、完成
大豆ミートは調理済みなので電子レンジで加熱するだけでも食べられますが、味付けをするときはフライパンでソースと一緒に炒めながら絡めた方が美味しくなると思います。
味はやはり肉よりは淡白…というか、大豆ミート自体はほとんど無味です。噛んでも油やうま味が出てくるわけではないので、正直ソースの味付け次第で美味しくも不味くもなるかと思います。
個人的には味付け無しで食べようとは思わないですが、今回のようにデミグラスソースを絡めたり、トマト煮込みにしたり、照り焼き味にすれば子供でも大豆ミートだと気づかず食べてくれそうです。
トータルでおかずとして考えれば全然アリな料理でした!
「大豆ミート ミートボール」の活用アイデア・レシピ
- ミートボールパスタ
- ミートボールシチュー
- スープ
- ミートボールグラタン
- ミートボールカレー
- 肉団子の煮物 など
香辛料の風味を感じる大豆ミートのミートボールは、洋風レシピに合わせるのがおすすめです。
②メインの時短おかずに便利な「大豆ミート ハンバーグ」
続いてご紹介するのは、ハンバーグのように成形済みの大豆ミートです。ミンチの大豆ミートを使用したハンバーグのレシピはよく見かけますが、こちらは電子レンジで温めるだけですぐ食べられるので時短おかずとして活躍してくれます。
価格:290円(税込)
内容量:1個(80g)
賞味期限:製造日から180日
主な原材料名:
植物油脂(国内製造)、粒状植物性たんぱく、ソテーオニオン、パン粉、水あめ、粉末状植物性たんぱく、粉末卵白、でん粉、たん白加水分解物、発酵調味料、香辛料、食塩、たまねぎエキス など |
栄養成分表示(1個あたり):
エネルギー198kcal、たんぱく質10.1g、脂質11.2g、炭水化物14.2g、食塩相当量1.5g |
「大豆ミート ハンバーグ」の口コミレビュー
<引用>
独特のにおいが気になりましたが、レビューで書いてあるほどの酷さは感じませんでした。
大豆ミートを食べ慣れている人なら美味しく頂ける商品だと思いました。
「大豆ミート ハンバーグ」の活用アイデア・レシピ
- 煮込みハンバーグ
- ロコモコ
- ハンバーグカレー
- ハンバーグドリア
- ハンバーガー など
大豆ミートを食べ慣れている人であれば美味しくいただけるという意見が多いのがこちらのハンバーグ。そもそも本来なら肉のうま味をギュッと凝縮させて作る料理なので、代替品としての大豆の風味が気になる人も多く、好き嫌いが分かれるようです。何もつけずにそのまま食べるより、濃い目のソースやカレーをかけて食べるのがおすすめです。
③食感とボリュームが人気の「大豆ミート 薄切りタイプ」
3つ目のは、使い勝手の良さと食感が人気の薄切り肉タイプです。
価格:290円(税込)
内容量:80g
賞味期限:製造日から180日
原材料名:
大豆たんぱく(国内製造)、醤油、酵母エキス、(一部に小麦・大豆を含む) |
栄養成分表示(1袋あたり):
エネルギー56kcal、たんぱく質8.7g、脂質0.6g、炭水化物3.8g、食塩相当量0.8g |
「大豆ミート 薄切りタイプ」の口コミレビュー
薄切り肉のような形状の大豆ミートは比較的珍しいので、筆者も初体験です。
見た目は豚肉っぽく、開封した瞬間の香りはミートボールの時よりも感じます。臭いということはないのですが、肉以外の何かの香りがするという感じ。
今回は口コミでも人気があった生姜焼き風の炒め物にしてみます。
【材料】
たまねぎ 1/2
大豆ミート薄切りタイプ 1袋
生姜(今回は姜葱醤を使用) 大さじ2くらい
みりん 大さじ1くらい
酒 大さじ1くらい
砂糖 大さじ1/2くらい
醤油 大さじ1/2くらい
【作り方】
①たまねぎを薄切りにカットし、フライパンに油を熱して炒める
②たまねぎがしんなりしたら大豆ミート薄切りタイプを加えて炒める
③調味料を全て加えて水分が少なくなるまで炒め絡めたら、完成
調理後はますます肉にしか見えません!
食感はちょっと練りものっぽい感じですね。肉の繊維を感じないので、柔らかくて食べやすいです。
油で炒めているし、生姜焼きの味付けをしっかりしているためか、大豆ミート自体の味はやはりほとんどわかりませんでした。ただしもちろん肉のうま味は無いので、何も言われずに出されたらちょっと安いお肉を使って作った生姜焼きだと思うかもしれません(笑)
油で炒めることで大豆の淡白さが気にならなくなるので、個人的に大豆ミートは煮る・蒸すよりも炒める・焼くの方が正解かなといった感想です。
「大豆ミート 薄切りタイプ」の活用レシピ
- 生姜焼き
- 肉野菜炒め
- 焼きそば
- 炒飯
- 牛丼・豚丼風
- 酢豚風
- 油淋鶏風
- ピカタ など
薄切りタイプの大豆ミートは、特に炒め物に重宝します。そのまま焼いて味付けをするだけでも良いですが、小さめにカットして焼きそばや炒飯に入れたり、丼ものにする活用アイデアも人気です。
④幅広いレシピに使える「大豆ミート ひき肉タイプ」
最後にご紹介するのは、幅広いレシピに活用できるひき肉タイプの大豆ミートです。s
価格:290円(税込)
内容量:80g(2~3人前)
賞味期限:製造日から180日
原材料名:
粒状大豆たんぱく(国内製造)、醤油、植物油脂、清酒、酵母エキス、(一部に小麦・大豆を含む) |
栄養成分表示(1袋あたり):
エネルギー133kcal、たんぱく質11.5g、脂質5.5g、炭水化物9.3g、食塩相当量1.1g |
「大豆ミート ひき肉タイプ」の口コミレビュー
<引用>
他の方がレビューされているように、少し独特の風味があります。なので、味噌など味の濃い調味料や香辛料などで味付けする料理に合う商品だと思います。私はクミンとハーブでエスニック風に味付けしたひき肉とパスタを合わせましたが、とても美味しかったです。
「大豆ミート ひき肉タイプ」の活用アイデア・レシピ
- 麻婆豆腐
- ミートソース
- キーマカレー
- 肉そぼろ
- 肉みそ
- タコライス
- ジャージャー麺
- コロッケ など
ひき肉を使うレシピであれば、基本的にどんなものでも大豆ミートに置き換えて作ることができます。大豆の香りや味が気になる人は、肉そぼろや肉みそなどしっかり味付けをする料理がおすすめ。通常のひき肉に大豆ミートひき肉を混ぜ、かさ増しとして使うのもアリです。
通常のひき肉を使って作るレシピよりも少しだけ味を濃いめにして作ると、美味しく仕上がりやすいですよ。
大豆ミートは体と地球環境に優しいニューノーマルフード
肉のような見た目や食感と、高い栄養価を誇る大豆ミート。人によって好き嫌いや慣れもあるかと思いますが、大豆ミート市場が年々拡大していることからもその人気が伺えます。
大豆ミートを食べたことある人もない人も、健康と地球のことを考えた無印良品の大豆ミートをぜひ試してみてはいかがでしょうか。
文/黒岩ヨシコ
編集/inox.