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芯が減らない!?削らずに16kmも線を描けるサンスター文具の金属鉛筆「メタシル」

2022.06.05

「紙に文字を書くことで、脳が活性化する」!?

誰でも子供の頃に漢字を覚えるのに、何度も同じ文字を鉛筆でノートに書き写した経験があるだろう。舞台俳優にセリフの覚え方を聞いても、圧倒的に多いのが「覚えるまで紙に書き写す」という答え。

なぜ紙に書き写すことによって記憶が定着するのか。気になって調べたところ、(諸説あるが)

「筆記具を持ち、紙に文字を書く」という行為は、触覚を使う複雑な動きが必要

→「考えること」と「感じること」が同時にできる
→その分脳を多く刺激する
→情報を長く保存できる
→記憶に定着する

という理由があるらしい。

さらに、「シャープペンシルやボールペンよりも、鉛筆のほうが脳を活性化させる」という意見もある。鉛筆はシャープペンシルやボールペンよりも書きにくいため、文字を書くにはある程度の握力が必要であり、手首や指や肩などにある多くの関節と筋肉を連動させる必要があるからだという。

とはいえ鉛筆は長く書くと先が丸まって書きにくくなるし、そのたびに削るのが面倒…。

「鉛筆なのに芯が減らない」ってどういうこと!?

前置きが長くなったが、そんな時に見つけたのが、サンスター文具から6月下旬に発売される「metacil(メタシル)」という商品だ。なんと、鉛筆でありながら芯が減らずにずっと書き続けることができる、新たな筆記具なのだという。気になり、さっそくサンプルを取り寄せて見た。

6月下旬にサンスター文具から発売される「metacil(メタシル)」(税込み990円) 全6色(ブラック・ホワイト・ネイビー・ベージュ・レッド・ブルー) 本体サイズ :W7.8×H160×D7.8mm 主さ:14g 材質:アルミニウム・合金・銅 濃さ2H鉛筆相当(サンスター文具比)※紙の種類によって濃さが変わります

削りたての鉛筆のような書き心地、なのに削らずに16km筆記可能!

「メタルのペンシル」というイメージから、ある程度の重量感を予想していたが、意外にも普通のボールペンと変わらない重さ。試しに持ち比べるとボールペンよりは少し重いような気もするが、紙に線を引いてみると、その重みが軸を握った時の安定感につながるような気がする。

通常の鉛筆は六角形だが、メタシルは八角形。表面に高級感のあるマットな加工をしていることともあいまって、通常の鉛筆よりもすべりにくく、非常に握りやすい。

「metacil(メタシル)」の芯部分 

いつも取材用に使っている手帳に線を引いてみたが、鉛筆と同じ感覚で書くことができる。というか、削りたてのような書きやすさに、ちょっと驚いた。通常の鉛筆なら、ある程度書くと芯が太くなり、細かい字を書きにくくなり、それが気になって書き続けることに集中できないが、サンスター文具によるとある程度の芯の尖りをキープしたまま、16kmも線が引けるという。なぜそんなことが可能なのか。

削りたての芯のような感覚で文字が書ける

芯は、黒鉛を含んだ特殊合金

サンスター文具によると「metacil(メタシル)」とは「メタルペンシル(金属鉛筆)」の略で、芯が黒鉛を含んだ特殊合金で作られているのだという。合金だから減らないのだが、筆記時に黒鉛と合金の粒子が摩擦によって紙に付着することで、鉛筆と同じような筆跡がつくとのこと。

メタシルの外箱の説明

「黒鉛と合金の粒子が摩擦によって紙に付着する」ということは、やはり鉛筆と同じように芯の部分は摩耗していくが、通常の鉛筆に比べると芯の摩耗が著しく少なく、削らなくても長い時間書き続けることができるとのこと。「筆記に集中できるため、速書きにも最適です。なるべく同じ面だけで書かず、芯の先端を均等に使うことで芯の尖りをキープできます」(サンスター文具)。

芯は合金素材でできているが、通常の鉛筆のように一般的な消しゴムで消すことができる

「筆記距離」を取るか、「色の濃さ」を取るか

サンスター文具によると、もともと以前から文房具市場にはメタルペンシル(金属鉛筆)はあったが、「色が薄い」「消しゴムで消しにくい」「それでいて高価」といったマイナスの要素が多く、商品化は難しかった。しかし同社がいろいろと試行錯誤し、開発に1年ほどかけて黒鉛の含有率などを調整した結果、低コストにおさえた商品化が実現したとのこと。

「最も苦労した点は、芯に黒鉛が含まれており、黒鉛と合金の配合量によって芯の濃さと筆記距離が変わることです。筆記距離を取るか色の濃さを取るかで苦労しましたが、決して薄すぎず、それでいて約16kmという長距離書けるものに仕上げることができました」(サンスター文具)。

まだ発売前だが、実際に使用した人からは「意外と鉛筆と遜色ない書き心地」「ちょうどいい重量感」「思ったより安い」などの感想が寄せられているそうだ。

「マットな質感と14gという絶妙な重さで高級感を持たせることにこだわりました。軸の形状も八角軸で一味違った仕様になっています。最近の筆記具はここまで進化していて面白い!ということを伝える意味でも、学生だけではなく、一度は鉛筆から離れてしまった大人の方々にも手にとって頂きたいです」(サンスター文具)。

水や水性マーカーなどで滲まないため、水彩画やイラストの下書きとしても最適

取材・文/桑原恵美子
取材協力/サンスター文具
関連サイト/metacil(メタシル)HP

編集/inox.

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