■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所
SIGMAのFUJIFILM Xマウント用レンズ
レンズ専業メーカーのSIGMAはLEICA対応のLマウント、SONY用のEマウントレンズを数多くラインナップしてきた。今回、そこに加わったのがFUJIFILM X Mountである。Contemporaryラインの単焦点レンズ3本で、開放絞り値はいずれもF1.4である。
16mm、30mm、56mmの3本で、フルサイズ換算で24mm相当、45mm相当、84mm相当となる。FUJIFILMの純正レンズにもXF16mmF1.4、XF33mmT1.4、XF56mmF1.2と同等の製品があり、競合することが考えられる。一番の違いはコスパでSIGMA製レンズが全て実勢価格U5万円に対して、純正レンズは8万円台から15万円台と高額になる。つまり求めやすい価格で明るい単焦点レンズが楽しめるシリーズなのだ。その魅力を探るために写真家、小平尚典氏に協力してもらい、隅田川と奈良で撮影をおこなった。
SIGMAのXマウント用単焦点レンズ。レンズ内側の反射を防ぐため、焦点距離表示なども黒文字で印刷された渋いデザイン
SIGMA 16mm F1.4 DC DN Contemporary
広角レンズで大口径を実現しただけあり、重さ405gの立派なレンズ。長さも92.6mmあり、その外見は望遠レンズにしか見えない。広角レンズは絞り込んでパンフォーカスと使うものだから、開放絞り値は暗くてもいいという常識が間違っていたことに気付くレンズ。24mm相当でもボケるのが新鮮だ。
SIGMA 16mm F1.4 FUJIFILM X-E3 1/1400sec、F5.6、ISO200
SIGMA 16mm F1.4 FUJIFILM X-E3 1/15000sec、F1.4、ISO200
SIGMA 16mm F1.4 FUJIFILM X-H1 1/1000sec、F1.4、ISO200
SIGMA 16mm F1.4 FUJIFILM X-H1 1/200sec、F11+0.33、ISO200
SIGMA 16mm F1.4 FUJIFILM X-H1 1/2000sec、F9、ISO1600
SIGMA 30mm F1.4 DC DN Contemporary
重さ275g、φ64.8×73.6mmの標準レンズ。サイズも標準的で扱いやすい。標準と言っても45mmなので普段からあまり馴染みのない画角である。スマホの28mmを標準と考えると、そこから被写体を切り取れるやや望遠と考えればいいかもしれない。
SIGMA 30mm F1.4 FUJIFILM X-E3 1/200sec、F8、ISO250
SIGMA 30mm F1.4 FUJIFILM X-E3 1/7000sec、F1.4、ISO200
SIGMA 30mm F1.4 FUJIFILM X-E3 1/640sec、F5.6、ISO200
SIGMA 30mm F1.4 FUJIFILM X-E3 1/60sec、F1.4、ISO250
SIGMA 30mm F1.4 FUJIFILM X-H1 1/4000sec、F10、ISO200
SIGMA 30mm F1.4 FUJIFILM X-H1 1/4000sec、F1.6、ISO200
SIGMA 30mm F1.4 FUJIFILM X-H1 1/4000sec、F2、ISO200
30mm F1.4 DC DN Contemporary
標準レンズよりもコンパクトな中望遠レンズ。84mm相当はポートレートレンズとも呼ばれ、女性専科のレンズのように言われて来たが、スナップでも活躍する歪みが少なく、背景がボカせるレンズである。重さ280g、φ66.5mm×59.8mmとかさばらないので、ズームレンズしか持っていない人は、ボケがキレイな決めレンズとして2本目に揃えるのもオススメだ。
SIGMA 56mm F1.4 FUJIFILM X-E3 1/1250sec、F2.8、ISO200
SIGMA 56mm F1.4 FUJIFILM X-H1 1/3200sec、F1.4、ISO200
SIGMA 56mm F1.4 FUJIFILM X-H1 1/480sec、F1.8、ISO200
SIGMA 56mm F1.4 FUJIFILM X-H1 1/6400sec、F1.4+0.33、ISO200
SIGMA 56mm F1.4 FUJIFILM X-H1 1/500sec、F2.2、ISO400
写真・文/ゴン川野