Perlは30年以上の歴史を持ち、さまざまな分野で使われているプログラミング言語です。代替言語も多く登場しており、時代遅れの言語と見なされる場面も多くありますが、実際はどうなのでしょうか?Perlの言語としての特徴や将来性を解説します。
Perlとはどんな言語?
Perlは現在使われているプログラミング言語の中でも、特に歴史が長く知名度の高い言語です。まずはPerlの概要や、主に活用されている分野を解説します。
歴史の長い汎用スクリプト言語
Perlは1980年代に、アメリカのプログラマーであるラリー・ウォール氏によって開発されたプログラミング言語です。プログラムをすぐに実行できるように、構造の記述やモジュールの宣言といった作業を省略できる『汎用スクリプト言語』として知られています。
また、ブラウザ側のプログラムから指示を受けて、主にサーバー内部で動作する『サーバーサイド言語』の先駆けのような位置付けでもあります。近年主流となっているPHPやPythonなどの開発にも参考にされている言語です。
Perlの主な用途は?
PerlはWebアプリケーションや、企業の業務システムの開発などに用いられる言語です。例えば、動画配信サービスや店舗のショッピングカートのシステム、ECサイトの顧客管理システムなどの開発に使われています。
全ての要素をPerlで開発する場合もありますが、基盤部分のみをPerlで開発し、システムのコア部分にはPHPやJavaなどが使われるケースも少なくありません。
現在も多方面で幅広く使われており、近年はほかの言語に代替される場面が増えているものの、息の長い言語といえるでしょう。
Perlの基本的な特徴
Perlはほかの言語と比べても汎用性が高く、可読性も高いため初心者でも読みやすい言語として知られています。代表的な特徴を三つ確認し、Perlについての理解を深めましょう。
記述が簡単でテキスト処理が得意
Perlはプログラムの動きや機能をシンプルに記述できるため、第三者が読んでも何を意図しているのか理解しやすいのが特徴です。読みやすい言語は習得しやすく、ミスの発見も複雑な言語に比べて簡単です。
ほかにも文字列と数字の自動変換が可能・関数も使いやすいなど、初心者にとって学びやすい条件がそろっています。特にテキスト処理が得意で、すぐに実行できるのも言語としての強みといえるでしょう。
コンパイルをする必要がない
人間が記述したプログラムをコンピューターが実行できる形式のコードに変換する『コンパイル』が不要なのも、Perlの特徴の一つです。
Perlは書いたプログラムが1行ごとに機械語に翻訳される『インタプリタ型』の言語に該当します。実行内容を簡単に確認できるだけでなく、スムーズに開発を進められます。
プログラムをまとめてコンパイルする必要がないため、実行までに手間がかかりません。実行速度自体は一括でコンパイルする言語より遅めですが、コンパイル作業に時間がかからない分、体感としては速いでしょう。
高い後方互換性を持つ
高い後方互換性を持つのも、Perlの代表的な特徴です。プログラミング言語における『後方互換性』とは、プログラムがバージョンアップされた場合でも、古いバージョンのコードを使えることを指します。
新しいバージョンがリリースされた後も、旧バージョンのPerlで作ったプログラムは壊れずに動作します。Perlを使って開発を進めることで、開発や運用が長期間になっても問題が起きにくいのがメリットです。
Perlの需要と将来性
近年はPerlに代替できる言語も登場しており、Perlより現在主流とされている言語を学ぶべきという意見も少なくありません。Perlを勉強するか検討している人は、需要や将来性もチェックしておきましょう。
Perlはすでに時代遅れ?
Perlはリリースからすでに30年以上経過している言語であり、さまざまな代替言語も台頭してきました。初期にはPerlで開発されていたシステムも、次第に別の言語へと置き換えられています。
いまだに第一線で使われている汎用性の高さは魅力ではあるものの、言語としてのシェアは徐々に下がっている状況です。
ただし、Perlは言語としての歴史が長いだけあって利用者は多く、インターネット上には学習の参考にできる情報が多くあります。もともと初心者にとって学びやすい言語なので、プログラミングの世界を知るために触れてみるのもよいでしょう。
PythonやRuby、PHPなどが台頭
近年はPerlに代わってPythonやRuby・PHPなどの後発言語が台頭しており、さまざまな分野で積極的に活用されています。
特に、PythonはAI(人工知能)の開発やビッグデータの解析などの分野で注目されている言語です。PHPは動的なWebサイトの構築に欠かせない言語として、地位を確立しています。
Web開発の分野では、Rubyも多くのアプリケーションの開発に使われるケースが多くなっている状況です。
Perlを学ぶことで獲得できる案件もありますが、今後はさらにPythonをはじめとした言語への代替が進むと考えられます。これから本格的にプログラマーやエンジニアを目指したいなら、より需要が高い言語を学んだ方がよいでしょう。