怪我を防ぎながら、より走ることを楽しみたいランナーのために
だれでも気楽に始められるランニングですが、初心者、ベテランランナーに関わらず、ひざや足首などに故障を抱えてしまう人も多くいます。楽しむために走り始めたのに故障を抱えてはツマらない――。
怪我を防ぎながら、より走ることを楽しみたいランナーのために開発されたのが「ナイキ リアクト インフィニティラン フライニット3(以下リアクト3)」です。脚に優しいクッションと滑らかに走れる構造をもつナイキの最新ランニングシューズを紹介します。
ナイキといえば、東京オリンピックや箱根駅伝で活躍した厚底シューズといった「速く走る」ためのプロダクトを作るイメージが強いブランドです。
しかしシューズのラインナップはかなり幅広く、このリアクト3のように「怪我ゼロ」を目標に開発されたものもあります。
「3」ということでも分かるように、このシューズは3モデル目。いかにケガに悩むランナーが多いかがうかがえるところです。
このシューズは初心者ランナーはもちろん、日々走りこむ市民ランナーにもおすすめできるシューズになっています。またニット素材のアッパーの履き心地がかなり極上で、デザイン性も高いので普段使いにも最適です。
大きな特徴は脚にふわっとやさしいミッドソール素材です。クッション性を保ちながら反発性も持ち合わせているNike Reactを採用。さらにつま先とかかと部分を持ち上げたロッキングチェアのような形状にすることで、スムーズな走り心地を実現しています。
着地時にはクッションで脚を守りつつ、ロッキングチェアのようなソールが前方にコロンと体重移動を促すことで、身体への負担を減らしながら走ることができます。
アッパーよりもミッドソールの幅を広くすることで、着地の際にバランスを崩さないように安定感を高めています。これも怪我ゼロを目指す上での重要なポイントです。
またこのソール素材のNike Reactはへたりにくく長期間の使用も可能。さらに路面に接するアウトソールもつま先からかかとまで効果的に配置することで、軽さと耐久性のバランスをとっています。
もうひとつの大きな特徴はソールの上に位置して足を包むアッパー素材です。モデル名の由来にもなっているナイキの独自素材「フライニット」を使用し、フィット感とホールド感を両立させています。
このフライニット、かなり履き心地が良くランナーの足の形に合わせて自在に伸縮。さまざまな足にもやさしくフィットしてくれます。
優しい履き心地はフライニットの影響もありますが、各所に配置したクッションにもあります。特に足の甲を保護するシュータンはかなり肉厚。靴ひもの締め付けから足を守ってくれます。
またかかと周辺のクッションも十分に配置されています。長時間履き続けていても足が痛くなることはありませんでした。
履けば履くほど良さが分かるシューズ
本当に「怪我ゼロ」を目指せるのか、実際に20㎞ほど走ってテストしてみました。前述のとおり、履き心地はかなり快適です。伸縮自在のフライニットが自分の足形に合うように変形するので、フィット感は高くどこか骨が当たって痛い、なんてことはありませんでした。
ただし自在に変形するため、ホールド感はちょっと弱めな感じでもあります。履き口周りでしっかりと足をホールドすれば問題ありません。
ミッドソールに使用されているNike Reactは、ナイキでもっとも反発性に優れた素材ということですが、このシューズに関してはあまり感じられませんでした。反発というよりも、クッションを強く感じる走り心地です。着地の衝撃をスッと吸収してコロンと前に進めてくれる印象。
正直なところ、ボンボンと弾んでいくシューズではないので、最初はあまり楽しい感じはしませんでした。でも長い距離を履いていくと、脚や身体へのダメージが少ないのに気づかされます。履き込んでいくとその良さと楽しさがじんわりと分かってくるシューズ。まさに怪我を防いで長く走り続けられることこそが楽しい、そんなシューズだと思います。
というわけで、普段のジョギング用としては最高、走り始めたばかりの初心者にもおすすめできるシューズです。幅広のミッドソールを採用しているため、安定感もあり、初めてチャレンジするマラソン大会でも活躍してくれるでしょう。
レースの終盤は足がむくんだり、痛みが出ることが多いのですが、このフライニットは伸縮率が高く、最後まで優しく足にフィットしてくれるでしょう。
また画像で見ると、このフライニットは厚手に見えるのですが、速乾性もあって通気性も十分。しっかり完走を後押ししてくれると思います。
価格は1万8150円。
近ごろランニングシューズの価格が上がり気味ですが、普段から履けて、ソールの耐久性もあるシューズとしてはちょうどいい価格帯。足裏に感じる柔らかさ、そして足全体を包む優しい履き心地によって、まったく新しい感覚で走ることができます。
故障に悩んでいる、もしくは故障したくない(当たり前ですが・・・)ランナーは、一度試してみる価値ありですよ!
Nike
リアクト インフィニティラン フライニット3
価格:1万8150円
https://www.nike.com/jp/
取材・構成:今 雄飛(こんゆうひ)/ミラソル デポルテ代表。スポーツブランドのPR業務を行うかたわら、自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン