小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

「新卒で入社してよかった会社ランキング」1位の企業は社内教育の考え方もハイレベルだった

2022.05.29

先日、オープンワークの働きがい研究所が2022年4月に発表した「新卒入社してよかった会社ランキング2022」では、1位に経営コンサルティング業で知られるベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッドがランクインしていた。その新卒社員からの口コミでは、「質の高いコーチングを卓越した社員から受けられる」「自己成長の実感が強くある」など興味深い内容が挙がっていた。果たしてその気になる教育手法とは?インタビューを行った。

新卒社員による口コミ

「新卒入社してよかった会社ランキング2022」では、20代の新卒入社社員(2015年以降入社)が「新卒入社してよかった」と感じている企業を知ることができる。このデータは企業の口コミサイトOpenworkに投稿された会社評価レポートの回答データをもとに集計されたものだ。

その1位にランクインしていたベイン・アンド・カンパニー・ジャパンは、世界38か国に63拠点を持つベイン・アンド・カンパニーの日本法人。

同社へ寄せられた口コミのうち、新卒社員からは次の2つが紹介されていた。

「質の高いコーチングを卓越した社員から受けられる。国内外を代表する大企業のCXOアジェンダに、新卒1年目から取り組める。幾度となく難題を解決していく中で、どんな困難にぶち当たっても何とかできる、という自信が付いた。(コンサルタント、男性、ベイン・アンド・カンパニー)」

「自己成長の実感が強くある。どこに転職しても生かせるポータブルスキル(分析、仮説思考、コミュニケーション力など)を培うことができる。(コンサルタント、女性、ベイン・アンド・カンパニー)」

一体、新卒社員に対してどのような教育を行っているのか、そしてどのような考え方のもと、社員を育てているのかが気になるところだ。

新卒・中途関わらずポテンシャルを重視。新卒社員には進化を期待

そこで早速、ベイン・アンド・カンパニーにインタビューを行った。新卒社員に対して、どのような考え方を持って接しているのか。パートナー(コンサルタント)である大原崇氏は次のように答える。

「新卒・中途関わらず、私たちは将来にわたって当社で活躍いただけるポテンシャルがあると判断した方に限って、オファーをお出ししています。プロフェッショナルファームである以上、実力主義も極めて大切ですが、それは社員を『ふるいにかける』という意味ではまったくなく、入社された社員一人一人に、ビジネスプロフェショナルとしての実力をつけてもらうことへのコミットメントに置き換えています。

特に新入社員は、ベインのカルチャーを体現し、進化させてくれる存在だと考えています。我々が創業以来、50年近く蓄積してきたカルチャーを踏まえた上で、これからの時代に合ったファームに進化できるよう、新たな風を吹き込んでもらえることに期待しています」

新卒入社してよかったと思わせる教育の特徴とは?

ベイン・アンド・カンパニーの社内風景

同社ではどのような社員教育を行っているのか。主な内容を挙げてもらった。

●トレーニングが充実

「まず、トレーニングは質・量ともに充実しています。内定者向けには、定期的な集合研修、海外での語学留学の支援をします。入社後は、2週間の入社時トレーニングに加えて、各コンサルタントのレベルに応じてオフィス内研修を定期的に実施します。世界中のコンサルタントが集まるグローバルトレーニングも1.5年に一度程度あります」

●濃密なフィードバックの仕組み

「コーチングという点では、会社にとっては人が最大の資産であるという思想、仲間を助け合うというカルチャーに基づき、濃密なフィードバックをする仕組みが根付いています。当社は”A Baine never lets another Baine fail”という、『失敗しないようにベインの社員はお互いを助け合う』という意図のスローガンを大事にしています。

フィードバックにおけるパフォーマンス評価は半年に一度実施されますが、これは期間中の各プロジェクトでの評価を総合したものです。評価者は、新入社員からシニアマネージャーまで一貫した評価軸に基づいて各人の強みと今後、伸ばしていくべきポイントを、アドバイスとともに示します。これだけでも内容は濃く、頻度も高いのですが、プロジェクトの現場では直属の上司から細かいフィードバックを2週間に一度、もしくはさらに高い頻度で受ける機会があります。

また、各個人にメンターがアサインされ、業務の枠を超えたキャリア相談にも乗ります。上司・メンターにとっては負荷ではありますが、彼らもそのようなコーチングを受けて育ってきているので、バトンをつなぐ意識で取り組んでいます」

●就業時間の10%をプロジェクト以外の貢献活動に

「当社には自分の就業時間の10%を、プロジェクト以外のオフィスへの貢献に使う『Extra10』という制度があります。プロボノプロジェクトという無償で行うプロジェクトへの参画や、社内イベント、リクルーティング、トレーニング、DE&I(Diversity, Equity and Inclusion)の取り組みの企画・実行など、内容は多岐にわたります。プロボノプロジェクトは、ベインの場合、無償でNPO団体に対しコンサルティングを提供するプロジェクトとなります。

新卒社員にも仕事に慣れてくれば積極的にExtra10に参加するように促しています。これは早い時期からリーダーシップを発揮する経験につながるからです。Extra10は一般的なプロジェクトとは異なり、時間に余裕があるものが多く、新卒社員にも大きな仕事を任せやすいです。そこで早い段階からリーダーシップを取る経験をすることで、コンサルタントとしての成長加速にもつながっています」

結果主義を体現できるプロフェッショナルを獲得・育成

同社の人事戦略の根底にはどのような考えがあるのか。大原氏は次のように答える。

「採用・教育・カルチャー形成を通じて、ベインの結果主義を体現できるプロフェッショナルを獲得・育成していくという点に尽きます」

●統合型思考、共感力、チーム力を重視

「採用時には、統合型思考、共感力、チーム力を重視しています。

『統合型思考』:コンサルタントは戦略、運用、組織をすべてつなげた上で、株主のことまで考えた仕事ができないといけません。

『共感力』:IQ(知能指数)とEQ(感情指数)両方を兼ね備え、クライアントを理解し密接な関係を作ることも重要です。クライアントの行動を変えるには、ただ単にアドバイスをするだけでなく、共感が不可欠なのです。

『チーム力』:コンサルティングはチームで行うので、『1+1+1』は3でなく、5にできるようなチームワークができる人材を求めています」

●ダイバーシティも大事

「昨今世間での注目が集まるダイバーシティは以前より大事にしている考え方です。当社では海外大学からの新卒採用にはかなり力を入れていますが、教育・国籍のダイバーシティ形成という点では非常に重要な取り組みと考えています」

●カルチャーステートメントを策定

「カルチャー形成という点では、グローバルに採用しているOperating Principle(規範)を根幹としつつ、東京オフィス独自の色も意識し、今年改めて“North Star”というカルチャーステートメントを策定したところです。いくつかのステートメントがありますが、その一つは、“Result navigator”というもので、『クライアントが抱える課題に対して、クライアントを先導しつつ、一緒に問題を解決して結果を出す』という我々のDNAを改めて定義したものになります」

社員一人一人が優秀なコンサルタントとしてのポテンシャルを持っており、そのポテンシャルを最大限引き出すための社内フィードバックやトレーニング等の仕組みが充実していることがわかる。入社後、新卒入社してよかったと感じさせるには十分な環境と文化が根付いているようだ。

【出典】
オープンワーク「新卒入社してよかった会社ランキング2022」

取材・文/石原亜香利

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。