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「宿題代行」は違法行為か?学校側に発覚した時に考えられる処分と法律上の問題点

2022.05.27

学校の宿題を業者が代わりに行う「宿題代行」サービスが、一部の生徒・学生の間で利用されているようです。宿題代行サービスを利用する背景には、

「良い点数を取りたい」「確実に単位を取得したい」

などの思惑があるものと思われます。

宿題代行そのものを違法と断ずることは難しいのが実情ですが、学校側に発覚したら何らかの処分を受ける可能性があるので要注意です。

今回は、宿題代行サービスに関する法律上の問題点をまとめました。

※本記事は、宿題代行サービスの提供または利用を推奨するものではありません。

1. 宿題代行は違法か、何が問題なのか

宿題代行サービスを運営する事業者は、インターネット上で違法性がないことを盛んに宣伝している例がよく見られます。

たしかに、宿題代行サービスを違法と断ずるのは難しいものの、宿題代行を依頼することは、学校の内部規則に違反する可能性が高いので注意が必要です。

1-1. 違法=法律に違反する行為|宿題代行は「違法」ではない

「違法」とはその文字どおり、法律に違反する行為を意味します。倫理的に問題があると思われる行為でも、法律違反でなければ「違法」ではありません。

この点、宿題代行サービスの提供行為は「違法」ではないと考えられます。その理由は、以下の2点です。

①宿題代行サービスを禁止する明文の法律の規定はない

たとえば賭博場の開張や、無登録での貸金業などは、法律の明文で禁止される営業行為です。

これに対して、宿題代行サービスを明文で禁止する法律の規定はありません。

②公序良俗違反にも当たらないと考えられる

法律上明文の禁止規定がないとしても、公序良俗違反によって営業行為が違法・無効となることはあり得ます(民法90条)。

しかし宿題代行サービスは、公序良俗違反とまでは言えないと考えられます。公序良俗違反に当たるのは、以下に挙げるような反社会性の高い行為に限られると解されているからです。

・犯罪にかかわる行為
・業法上の取締規定に違反する行為
・婚姻秩序、性道徳に反する行為
・射幸行為(ギャンブル)
・自由を極度に制限する行為
・暴利行為、不公正な取引行為
・個人の尊厳、男女平等などの基本権に反するもの
など

1-2. 宿題代行を依頼することは、学校の内部規則に違反する

ただし、宿題代行サービスそのものが違法でないとしても、生徒・学生が業者に宿題代行を依頼することは、学校の内部規則に違反する可能性があります。

今さら強調するまでもありませんが、宿題は生徒・学生の習熟度チェックや理解度向上を目的として課されますから、本人が取り組むことが大前提です。

学校側は、学校内の秩序を乱す行為や不正行為をした生徒・学生に対して、学則に基づく懲戒処分を行う権限を有しています。宿題の目的を無視して、業者に宿題代行を依頼することは、懲戒処分の対象となる不正行為に当たる可能性が高いです。

具体的には、訓告・単位のはく奪・停学などの懲戒処分を受けるおそれがあります。これらの処分のリスクを冒すほどのメリットがあるのかどうか、宿題代行サービスを利用する前によく考えるべきでしょう。

2. 宿題代行がバレたら退学処分になる?

学校側が生徒・学生に対して行う懲戒処分の中で、もっとも重いものが退学処分です。

宿題代行サービスを利用したことが学校側に発覚した場合、退学処分を受ける可能性はあるのでしょうか?

2-1. 処分裁量権の逸脱・濫用の有無がポイント

学校側が懲戒処分を行う権限を有しているとしても、学校の裁量で自由に懲戒処分ができるわけではありません。生徒・学生の行為と比べて、懲戒処分が重すぎる場合には、裁量権の逸脱または濫用として無効となる可能性があります。

以下に挙げる要素は、裁量権の逸脱・濫用の有無を判断する際に考慮されるものの一例です。

・行為の悪質性
・行為の常習性
・学校秩序に与えた影響の大きさ
など

2-2. 常習性がある場合などには、退学処分が認められる可能性も

一般論としては、宿題代行サービスを一度利用したことが発覚しただけの場合、退学処分は重すぎると判断される可能性が高いです。

たとえば、他の生徒に対して暴力を振るったことを理由に行われた退学処分が、裁量権の逸脱として無効となった裁判例があります(大阪地裁平成20年9月25日判決、山口地裁宇部支部令和2年2月12日決定など)。

宿題代行サービスの利用行為は、暴力行為に比べて悪質性が低いと考えられるため、退学処分は裁量権の逸脱と評価される見込みが濃厚でしょう。

ただし、宿題代行サービスの利用行為について、悪質性を高める事情が存在する場合には、退学処分が認められる可能性も否定できません。たとえば、

・再三にわたって注意や懲戒処分を受けたにもかかわらず、宿題代行サービスを繰り返し利用した
・宿題代行業者と他の生徒の仲介役となり、多くの生徒に宿題代行サービスの利用を唆したうえに、自分は仲介手数料を得ていた

このような事情があれば、退学処分を含めた重い懲戒処分を受ける可能性が高まるので注意が必要です。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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