Androidスマートフォンして、常に高い人気を得ているサムスンのGalaxy。有機ELディスプレイの特徴を活かした折りたたみデザインの「Galaxy Z Fold」や「Galaxy Z Flip」も注目を集めているが、ラインアップの主力と言えば、やはり、「Galaxy S」シリーズだ。その最新モデルとなる「Galaxy S22」シリーズが2022年4月21日にNTTドコモとauから発売された。今回は「Galaxy S22 Ultra」を使ってわかった「○と×」について、レポートしよう。
NTTドコモ/サムスン「Galaxy S22 Ultra SC-52C」
au/サムスン「Galaxy S22 Ultra SCG14」
サイズ:163mm(高さ)×78mm(幅)×8.9mm(厚さ)、約229g(重さ)
カラー:バーガンディ(写真)、ファントムブラック
Galaxy Sシリーズと並ぶGalaxy Noteの系譜
現在、国内外の市場向けに数多くのラインアップを展開するサムスンのGalaxyだが、その主力に位置付けられるのが「Galaxy S」シリーズだ。前回の「Galaxy S22編」(https://dime.jp/genre/1385633/)でも説明したように、近年は『標準サイズ』のモデルと『大画面サイズ』のモデルが販売されているが、2年ほど前までは「Galaxy S」シリーズと並ぶ形で、国内外市場に展開されてきたのが「Galaxy Note」シリーズだ。
【参考】持ちやすいサイズと高機能は○、価格とeSIM/microSD非対応は×、最新モデル「Galaxy S22」の実力を徹底検証
初代「Galaxy Note」は2011年9月にグローバル向けに発表され、国内には2012年3月に「Galaxy Note SC-05D」として、NTTドコモから発売されている。2013年10月発売の「Galaxy Note 3」からはNTTドコモに加え、auからも発売され、以後、毎年春に発売される「Galaxy S」シリーズ、毎年秋に発売される「Galaxy Note」シリーズという形で展開されてきた。
「Galaxy Note」シリーズは元々、「Galaxy S」シリーズの基本構成をベースにしながら、より大画面のディスプレイを搭載し、「Sペン」と呼ばれるペン入力にも対応することで、新しいスタイルのスマートフォンを確立するべく登場した。 Sペンは単なるタッチペンではなく、ペンタブレットのブランドとして広く知られる「ワコム」のデジタルペンの技術を応用したもので、手書きメモをはじめ、手描きによるイラスト、写真のレタッチ、書類へのデジタル署名など、歴代モデルの進化の中で、さまざまな機能を実現してきた。国内でもSペンのために、最新のGalaxy Noteシリーズを毎年のように買い換える熱心なファンが数多く居た。
しかし、そんな根強い人気を持つSペン搭載の「Galaxy Note」シリーズも2020年10月発売の「Galaxy Note20 Ultra 5G」を最後に、事実上のシリーズ終了が明らかになってしまう。その代わりというわけでもないが、2021年発売の「Galaxy S21 Ultra 5G」や「Galaxy Z Fold3 5G」がSペンに対応。ただし、両モデルともSペンはオプション扱いで、Galaxy Noteシリーズのように本体に格納できず、別売のケース(カバー)に格納するスタイルだった。
「Galaxy S22 Ultra」(左)と昨年の「Galaxy Note20 Ultra 5G」(左)の前面は、パッと見たところ、差がわからないほど
そして、2022年1月にグルーバル向けに発表された「Galaxy S22」シリーズでは、再びSペンを採用した「Galaxy S22 Ultra」がラインアップされ、国内向けにはNTTドコモとauから発売されることになった。かつての「Galaxy Note」シリーズと同じように、Sペンを本体に格納できるデザインで、「帰ってきたGalaxy Note」とも呼べるモデルとなっている。
「Galaxy S22 Ultra」(左)と昨年の「Galaxy Note20 Ultra 5G」(左)の下部。Sペンの格納部、USB Type-C外部接続端子なども同じ位置だが、SIMカードスロットの位置が異なる
Galaxy Note20 Ultra 5Gを継承したデザイン
これまで複数のモデルをラインアップしてきた「Galaxy S」シリーズだが、前述のように、ここ数年は『標準サイズ』のモデルが好調な売れ行きを記録する一方、『大画面サイズ』のモデルは一定の支持を得るものの、『標準サイズ』のモデルには及ばない状況が続いていた。こうしたこともあり、2020年以降はNTTドコモとauが取り扱う「Galaxy S」シリーズに違いがあったが、今回は両社から揃って「Galaxy S22 Ultra」が扱われる。
4月21日に発売された「Galaxy S22」(左)と「Galaxy S22 Ultra」の背面。写真はNTTドコモ版だが、au版もロゴなどを除き、同じデザイン
ボディのデザインは同時発売の「Galaxy S22」と大きく違い、本体の上下をフラットに切り落とし、アーマーアルミフレームによる左右両端を湾曲させたデザインにまとめている。昨年の「Galaxy S21」シリーズ3機種は、いずれも同じ系統のデザインを採用していたのに対し、今回はまったく異なるデザインに仕上げられたことになるが、勘のいい読者なら、お気付きのように、これは2020年10月発売の「Galaxy Note20 Ultra 5G」のデザインを受け継いだものとなっている。つまり、「Galaxy S22 Ultra」は「Galaxy S22」を大画面化したモデルではなく、「Galaxy Note20 Ultra 5G」の筐体に「Galaxy S22」シリーズの最新スペックを凝縮したモデルとなっているわけだ。
「Galaxy S22 Ultra」(左)と昨年の「Galaxy S21 Ultra」(左)は並べてみると、まったくデザインが異なることがわかる
ボディは幅約78mm、高さ約163mmという存在感のあるサイズで、重量も約229gだが、昨年の「Galaxy S21 Ultra 5G」や一昨年の「Galaxy Note20 Ultra 5G」とほとんど変わらないサイズにまとめられている。
シャツの胸ポケットに入れると、やや重さが気になるが、ジャケットの内ポケットであれば、少し落ち着くかもしれない。他機種との比較は別表の通りで、iPhone 13 Pro Maxなどと変わらないサイズであることがわかる。
「機種名」:幅×高さ×厚さ/重さ
「Galaxy S22 Ultra」:77.9mm×163.3mm×8.9mm/229g
「Galaxy S21 Ultra 5G」:76mm×165mm×8.9mm/228g
「Galaxy Note20 Ultra 5G」:77.2mm×164.8mm×8.1mm/208g
「iPhone 13 Pro Max」:78.1mm×160.8mm×7.65mm/238g
背面はマットなガラスを採用し、サラサラした触感の仕上げにより、全体的に上質で落ち着きのあるデザインにまとめられている。ボディカラーはNTTドコモとau共通で、「ファントムブラック」と「バーガンディ」がラインアップされる。
耐環境性能はIPX5/IPX8準拠の防水、IP6X準拠の防塵に対応する。おサイフケータイにも対応する。SIMカードはnanoSIMカードを採用するが、eSIMには対応しない。SIMロックはかけられていない。
エッジスクリーンのDynamic AMOLED搭載
ディスプレイは6.8インチのQuad HD+対応Dynamic AMOLED(有機EL)を搭載。従来モデルと違い、ディスプレイには出荷時に実使用可能な保護フィルムが貼られていないが、より強度が高く、キズなどが付きにくいとされるCorning社製Gorilla Glass Victus+を組み合わせる。
ディスプレイの両側端は湾曲する形状にデザインされ、映像コンテンツなどは没入感のある視聴が楽しめる。こうした形状は「エッジスクリーン」と呼ばれ、2014年発売の「Galaxy Note Edge」などが先鞭をつけ、その後、ライバル製品も同様のデザインを採用してきた。ところが、昨年あたりからフラットな形状に戻すモデルも増え、Galaxyも今回の「Galaxy S22」がフラットデザインに戻す一方、「Galaxy S22 Ultra」は従来通りのデザインを堅持した格好だ。
ディスプレイは輝度が1750nitと明るいため、屋外でも十分な見やすく、優れた視認性を実現している。表示するコンテンツに合わせて、リフレッシュレートを1〜120Hzに可変して、最適化するため、SNSやWebページなどのスクロールが多いコンテンツやゲームなどでも表示が非常に滑らかで、眼も疲れにくい。
ディスプレイには「Galaxy S22」同様、超音波式指紋認証センサーを内蔵し、画面ロック解除や決済などに利用できる。「Galaxy Pass」を利用することで、Webページへのログインやアプリの起動などにも指紋認証を利用することが可能だ。いろいろなシーンで指紋認証が使えるため、使いはじめは少し戸惑うかもしれないが、レスポンスも良く、ストレスなく使えるようになる。顔認証にも対応しているため、マスクを装着した外出時などは指紋認証を使い、帰宅時は顔認証で画面ロックを解除するといった使い方ができる。
バッテリーは5000mAhの大容量バッテリーを内蔵し、本体下部のUSB Type-C外部接続端子に接続することで、最大45Mの急速充電にも対応するほか、Qi規格準拠の最大15Wのワイヤレス充電も利用できる。15W対応のワイヤレス充電器は市販品もあるが、サムスンからの「Super Fast Wireless Charger」が販売されている。
本体内蔵のバッテリーを活かし、他のワイヤレス充電対応機器を充電する「ワイヤレスバッテリー共有」にも対応する。各社のワイヤレス充電対応のスマートフォンも充電できるが、サムスンのワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds」シリーズをはじめ、スマートウォッチ「Galaxy Watch 4」なども対応しているため、外出中にイヤホンのバッテリーが減ってきたときにも利用できる。
最新のクアルコム製Snapdragon 8 Gen 1を搭載
「Galaxy S22 Ultra」には「Galaxy S22」同様、チップセットして、米クアルコム製「Snapdragon 8 Gen 1」が搭載される。4nmプロセスルールで製造された最新のチップセットで、各社のフラッグシップモデルにも搭載される。スマートフォンのチップセットとしては最上位に位置付けられるもので、動画視聴やゲームなどもストレスなく楽しむことができるが、今回試用した範囲では発熱によるトラブルなどもなく、安定した動作だった。
メモリーとストレージはクラス最大級となる12GB RAM、256GB ROMを搭載する。従来モデルに引き続き、microSDメモリーカードには対応していない。機種変更で前の機種からデータを移行するときは、USB Type-C外部接続端子にカードリーダーを接続するか、NTTドコモやauが提供するデータ移行ツールなどが利用できるが、サムスンが標準で提供する移行ツールの「SmartSwitch」を利用すれば、Androidスマートフォンだけでなく、iPhoneからも簡単に移行できる。
ネットワーク対応はGalaxy S21シリーズに続き、5G/4G/3Gに対応し、5GについてはNTTドコモ向け、au向け共にSub6とミリ波の両方に対応する。auは4Gで利用する周波数帯域でも5Gの電波を流す『転用』を昨年からスタートしているほか、ミリ波についても公共交通機関の駅や商業施設などに展開しており、待ち時間などに必要なデータを一気にダウンロードするような使い方ができる。NTTドコモも公共交通機関や商業施設などにエリアを展開してきたが、今年4月から『転用』をスタートすることを明らかにしており、今まで以上に5Gで利用できるエリアが拡大する見込みだ。
100倍スペースズームを含むクアッドカメラ搭載
カメラは本体背面にクアッドカメラを搭載する。最上部から順に、1200万画素/F2.2超広角カメラ(13mm相当)、1億800万画素/F1.8広角カメラ(23mm相当)、1000万画素/F4.9光学10倍望遠カメラ(230mm相当)、内側の列の下側が1000万画素/F2.4光学4倍望遠カメラ(70mm相当)で構成される。Galaxy S22に比べ、広角カメラがより高画素なものになり、望遠カメラは光学3倍に加え、光学10倍のものも搭載される点などが異なる。
「Galaxy S22 Ultra」(左)と昨年の「Galaxy Note20 Ultra 5G」(左)の背面。サイズはほとんど同じだが、カメラ部のデザインが大きく異なる
1億800万画素の広角カメラは、9つの画素を1つの画素として撮影するピクセルビニングにより、より多くの光を取り込んだ撮影が可能で、光学手ぶれ補正の効果も相まって、夜景なども非常にきれいに撮影できる。光学10倍の望遠カメラはデジタルズームと組み合わせた最大100倍のスペースズームでの撮影ができ、満月を画面いっぱいのサイズでの撮影も可能だ。
100倍スペースズームを使い、満月を撮影。かなり迫力のある写真が撮影できる
撮影モードとしては基本的にAIによる自動認識で撮影するため、普段は意識せずに撮影できるが、人物に適したポートレート、夜景や暗所に強いナイトモード、動画と静止画を同時に撮影できるシングルテイクなど、定評のあるGalaxyシリーズの撮影モードが継承されている。夜景を背景にしたポートレートを撮影したり、暗いところでの動画撮影などを試してみると、ライバル機種との差が一段と明確になってくる。
ポートレートで撮影
モデル:葵木ひな(Twitter:@hina1006ta_aoki、ボンボンファミン・プロダクション)
撮影した写真や動画の編集は、基本的にGalaxy S22などと同じだが、Galaxy S22 Ultraは操作にSペンを使うことができる。写真の切り抜きや動画の切り出しなどの操作は、パソコンのマウスやタッチパッドなどで操作しているときのような感覚で使える。もちろん、撮影した写真にSペンで絵や文字を描き加えることもでるため、今までとはひと味違った写真をSNSなどに投稿できる。
ディスプレイ上部のパンチホールには、4000万画素/F2.2(26mm相当)のインカメラを搭載する。Galaxy S22よりも高性能なカメラで、自撮りだけでなく、メインカメラと組み合わせて、同時に撮影するディレクターズビューなどの撮影も可能となっている。
Galaxy NoteのDNAを受け継ぐSペン内蔵
今回の「Galaxy S22 Ultra」で最大のトピックと言えば、Galaxy Noteシリーズから継承したSペンだろう。冒頭でも触れたように、Sペンは単なるタッチペンではなく、ワコムのペンタブレットなどで採用されているデジタルペンの技術を活用したもので、初代Galaxy Note以来、歴代モデルで高い支持を得てきた。昨年の「Galaxy S21 Ultra 5G」や「Galaxy Z Fold3 5G」もSペンに対応したが、別売のカバーに格納するスタイルだったため、今ひとつ支持されなかった。
「Galaxy S22 Ultra」の魅力は何と言ってもSペン。手書きでメモを取ることができる
今回の「Galaxy S22 Ultra」はかつての「Galaxy Note20 Ultra 5G」と同じように、本体下部にSペンを内蔵する構造を採用するが、Sペンそのものも進化を遂げており、Galaxy史上最速となる2.8msのレイテンシー、4096段階の筆圧検知に対応する。ちなみに、iPadで採用されるApple Pencilのレイテンシーは9msだとされており、それよりもスムーズに手書き操作ができることを意味する。また、「Galaxy S22 Ultra」は前述の通り、防水防塵対応だが、SペンもIPX8準拠の防水、IP6X準拠の防塵に対応しており、外出中や移動中などでも安心して使うことができる。
Sペンにはさまざまな使い方があるが、まず、画面オフの状態で、本体に格納されたSペンのトップを押し、Sペンを本体から引き出すと、メモ画面が表示される。「画面オフメモ」と呼ばれる機能で、何かメモをしたいとき、画面オフの状態からすぐに操作できるように搭載されている。
続いて、画面操作が可能な状態でSペンを取り出すと、Sペンで利用できるメニューが表示される。「ノートを作成」「キャプチャ手書き」「翻訳」などが並んでおり、他のアプリを利用しているときにもすぐに起動できる。たとえば、「ノートを作成」ではSペンで手書き入力によるメモをしたり、Googleマップを表示しているときに「キャプチャ手書き」を選んで、地図のスクリーンショットに手書きで情報を書き加えたりできる。Webページやメールなどを表示していて、翻訳を表示したいときは、Sペンのメニューから「翻訳」を選び、翻訳したい文章にSペンを合わせると、ポップアップする形で翻訳が表示される。
本体下部からSペンを取り出すと、Sペンに関連する機能が並ぶメニューが表示される。表示内容をカスタマイズすることも可能
[マップ]など、他のアプリを利用しているときにもSペンを取り出せば、すぐにメニューが表示される
エアアクションの翻訳ではWebページやメールなどのテキストにSペンをかざす(タッチしない)と、訳が表示される。英語だけでなく、多彩な言語に対応
また、少し変わったところでは、カメラを起動しているときのエアアクションが挙げられる。これも「Galaxy Note20 Ultra 5G」などから受け継いだ機能だが、Sペンを操作することで、端末に触れることなく、「Galaxy S22 Ultra」の多彩な機能を使うことができる。たとえば、カメラなら、[カメラ]アプリを起動したり、写真や動画の撮影、カメラの切り替え、撮影モードを切り替えたりできる。少し離れたところから集合写真を撮ったり、少し違うアングルで自撮りをしたいときなどに便利だ。ビジネスにも役立てることができ、PowerPointなどの文書を表示して、Sペンでスライドを前後に移動することができる。
ビジネスユースという視点で見ると、サムスンは米Microsoftと提携しているため、Galaxyには[Office]アプリや[OneDrive]アプリなど、Windowsなどで利用するアプリが標準で用意されている。これらに加え、Windows 11/10の環境で提供されている「スマホ同期」も親和性が高められているため、ビジネスでWindowsパソコンを利用するユーザーにとっては、強力なコンパニオンデバイスになる。
クアッドカメラやパワフルな環境は「○」、18万円前後の価格とeSIM/microSD非対応は「×」
Androidスマートフォンとして、世界でもっとも売れている「Galaxy」。今回、NTTドコモとauから発売された「Galaxy S22 Ultra」は、2022年モデル「Galaxy S22」シリーズのハイエンドモデルに位置付けられる。Galaxy Sシリーズの売れ筋としては、例年、『標準サイズ』の方が好調だとされるが、今年はNTTドコモとauでも『大画面モデル』の「Galaxy S22 Ultra」が好調なスタートを切ったという。背景には「Galaxy Note」シリーズの終了によって、Sペン対応の新機種を待つユーザーが居たことが関係しているが、映像コンテンツの視聴などに優れたディスプレイをはじめ、最大100倍のスペースズームやナイトグラフィを搭載したクアッドカメラなど、Sペン以外の機能やスペックが「○」だからこそ、幅広く支持を得ていると言えるだろう。
一方、「×」を付けるのは、やはり、価格だ。ここ数年、各社のハイエンドモデルは価格が高騰する傾向にあり、「Galaxy S22 Ultra」も18万円前後の価格が付けられている。NTTドコモとauが提供する端末購入プログラムの「いつでもカエドキプログラム」(NTTドコモ)、「スマホトクするプログラム」(au)を使えば、月額4600円程度を23回、支払い、24カ月後に端末を返却する形で利用できる。この場合、実質負担額は10万円強に抑えられるが、それでも負担は大きく、悩むユーザーは多いだろう。
また、幅78mm、229gという重量というボディは、『標準サイズ』の「Galaxy S22」などに比べると、かなり大ぶりなため、慣れないユーザーは少し戸惑うかもしれない。本体の仕様で気になるのは、「Galaxy S22」同様、eSIM非対応、microSDメモリーカード非対応という点だ。microSDメモリーカードは従来機種からの継続だが、eSIMについては両社のオンライン専用プランでも対応が進んでいる状況を考えると、先進的な仕様を求めるユーザーの期待に応える意味でも対応して欲しかったところだ。
取材・文/法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。