【カブガールが行く】新型スーパーカブ110に試乗してみた
2022年4月より発売した新型スーパーカブ。大注目の新車両を徹底検証し、カブ乗りから見た魅力をお伝えします。クロスカブとスーパーカブ、結局どちらを選べばいいの?という疑問についても考えてみました!
よりアクティブに変更されました!
実は私、スーパーカブ110に乗るのは今回が初めてだったのです。
そのため走るまでは「生活の足として使うバイクだから期待しすぎない方が良いかな」なんて思っていたのですが、すぐに思い違いだってことに気が付きました。スーパーカブ、すごく楽しい乗り物に仕上がっています!
まずは旧型からの変更点をチェックしていきましょう。
大きな変更点としてはフロントブレーキのブレーキがドラム→ディスクに、ABSが標準装備になりました。
一見クロスカブと共通に見えるのですが、違いはキャリパーにあります。
クロスカブが2ポットなのに対してスーパーカブは1ポット。効き具合だけを見るとクロスカブが優勢ですが、街乗りでのんびり日常使いするのであればスーパーカブで十分。
程良く効いてくれるため、扱いやすいのではないでしょうか。ドラムブレーキと比較すると格段に性能アップしていますよ!
驚くべきは、ホイールがスポーク→キャストに変更になると同時に、前後共にタイヤがチューブレスに変更されていることです。
ビジネスからレジャーまで幅広い用途が想定されるスーパーカブですが、かなりアクティブ寄りに変更されているように感じました。
新開発のエンジンはクロスカブと共通です。ロングストローク化とトルクアップのおかげで、可愛らしい見た目に似合わないパワフルさを見せてくれます。
走ってみた感想は後ほどお伝えしますね。
メーターには液晶が追加されました。燃料系とギアポジションが常時表示、ボタン切り替えで走行距離→トリップメーター→平均燃費→時計を表示させることができます。
そのほかにも燃料タンクの塗装、キックペダルのラバーなどが変更されました。
細かいことですが、リアキャリアはクロスカブと共通のブラック塗装になっています。なぜ…?と疑問が浮かびつつ、デザインに締まりが出たような気もしますね。
足つきはかなり良く、身長156cmの私で片足・両足ともにベッタリと余裕でつきます。
車重も101kgと軽くて扱いやすいため、身長などで悩んでいる方でも扱いやすそうですね。
街乗りが楽し過ぎるバイクです
まずは街乗りで軽く走ってみたところ、予想以上のパワフルさに驚かされました。
エンジンが共通なので当たり前なのですが、アクティブ用途のクロスカブにも一切引けを取らない乗り心地です。
それどころか、車体の軽さや足つきの良さから、むしろ街乗りをしている限りではスーパーカブの方が走りやすいほど。住宅地の中の細くて複雑な路地でも難なくスイスイと走ることができました。
ブレーキの効きは強すぎず弱すぎずといった丁度良い具合です。普段からドラムブレーキのカブに乗っている身としては、フロントのディスクブレーキがとにかく羨ましくなりました。
幹線道路に出てもまわりの車に置いて行かれることがなく、流れに乗った走行をすることができました。坂道をグイグイ登ったり、レスポンス良く加速してくれたりと、走る楽しさを感じさせてくれます。
60km/hほどの速度を出してもエンジン音は静かそのもの!無理をしている感じはなく、むしろ余裕すら感じるほどでした。
不思議なのは、これだけ性能がアップしているにも関わらず“カブっぽさ”が引き継がれていること。座る時の姿勢やポジションの影響なのでしょうか…?
クロスカブやハンターカブも面白いけど、やっぱりカブの王道はスーパーカブ。そう納得させてくれる乗り心地でした。
スーパーカブとクロスカブ どちらを選ぶべき?
最後に、やはり気になるのは「スーパーカブとクロスカブどちらを買うべき?」ということ。
筆者個人の感想としては、ベタですが「街乗りが多いならスーパーカブ、アウトドア用途ならクロスカブ」です。
スーパーカブには小回りの良さや扱いやすさ、程よく効いてくれるブレーキなど、街乗りでオンロードを走るのに気持ち良い装備が整っています。
なによりも、クロスカブよりも60,500円も安い税込302,500円という価格は魅力的。通勤の足などにガシガシ使うのにはピッタリです。(価格差はクロスカブがマットアーマードグリーンメタリック、パールディープマットグレー、プコブルーの場合)
対してクロスカブには、フロントキャリアとしても使えるヘッドライトステー、路面の凹凸に対応しやすい柔らかいサスと肉厚なシートなど、旅やアウトドアにピッタリな装備が整っています。
路面の状況に左右されず安定した走りができるため、心強い相棒となってくれるでしょう。
…とは言え、スーパーカブでアウトドアを楽しむことも、クロスカブで街乗りをすることももちろん可能。
最終的にはデザインで選んでしまっても良いのではないかと思っています。
好きなように乗って、好きなように遊べばいいのだ!
今回のモデルチェンジで、より一層自由にカブを楽しむ環境が整ったのではないでしょうか。
取材協力:ナナカンパニー
文/高木はるか
アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。
高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com
編集/inox.