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人手不足、退職ラッシュ、治安悪化、気力も体力も限界を迎えつつあるアメリカの今

2022.05.22

※写真はイメージです

昨年の末から、ジワリジワリとやってきた食糧不足の波。それに続くかのように巻き起こったのは、レイバーショーテイジ(人材不足)の風だ。

コロナ禍が生んだ大退職時代

現在、アメリカは、自主的に退職を希望するGREAT RESIGNATION (大退職時代)の風が吹き荒れている。2021年、6月以降から毎月、約400万人のアメリカ人が仕事を退職していると報告されており、今や、空前のレイバーショーテイジ(人手不足)の最中にある。

特に、人材が不足しているのは、飲食業界、ホスピタリティ業界、教育、医療、介護、福祉業界、運送、物流業界、建設建築業界やIT業界。求人募集の増加はあるものの、応募する人材が現れないという現状に陥っているそうだ。コロナ禍という時間の中で、働き方について見つめ直す機会が増え、仕事に見合わない給料や待遇、悪循環な仕事環境に首を傾げ「I QUIT!」(や〜めた!)と声を上げる人が増えている。より充実した職場環境や待遇、賃金の増加を求めて何が悪いっ?自分の価値は自分で決めるとばかりに「I QUIT!」の声は広まり続けている。

これに対して企業では、賃金や待遇の見直しを図るなどして、従業員らにまった!の手を差し伸べている。筆者の知人の中にも、時給が3ドル上がった!給料が15%アップした!ジムメンバーシップのオファーがあったなどの声もあるほど。

アメリカでは、会社の都合上、レイオフで解約となることも多い。「You’re Fired!」(お前はクビだ)と解約を通達されることも少なくはない。仕事のパフォーマンスが良くなければ、サヨナラ〜といったシビアな一面も持っている。そして、働く側も、仕事や賃金、待遇に納得がいかなければ、どんどん会社に見切りを付けて、次の就職先へと転職に至るのも日常茶飯事だ。

もちろん、仕事に意欲を示す人ばかりではない。中には、コロナ禍中に増加した失業保険手当てで貯蓄が増え、まだ、仕事を探す気になれない。両親の家に引っ越してからお金をセーブできる。ただ単に職に就く気に慣れないという声もある。また、失業保険で得た貯金も目減り。仕事をしないといけないと焦ってはいるものの、仕事探しは腰が重いと受け身な態度を示す人も中にはいる。

頼る人もおらずの異国生活で働かざるもの食えねえべからずの自立生活が長い筆者としては、正直、えっ?大丈夫か?と思ってしまう言葉を聞くこともしばしばあるのだけど、コロナ禍で人々の仕事へのビジョンやモチベーションに変化が起きたことは、間違いない。

進む脱マスク、なぜ不機嫌な人が増えているのか?

さて、レイバーショーテイジの嵐は、筆者が籍を置いている会社にも襲ってきた。…とは言っても「I QUIT!!」(辞めてやる〜)とたんかを切って自主退職をする者はいない。理由は、新年早々、次から次へとメンバーらがコロナウイルスに感染してしまい、働けるメンバーが減ってしまったから。幸い、筆者は、感染することなくコロナ禍でも元気に過ごしているが、次から次へと感染していくメンバーを見て、いつかは自分の番がくるのかも…と覚悟して働いていた。

メンバー全員の症状が軽症だったのは幸いだったのだけど、いつ、自分が感染してもおかしくない密な状況の中で働きつつ、通常通りの半端ない忙しさ。それを通常よりも少ない人数で仕事を切り盛りせねばならず、セクションリーダーとしての役割もある。そこで、経験せざる得なかったのが残業だ。普段ならありえないことである。

今では、脱マスクする人々も増え、ソーシャルディスタンスも過去のものとなり、まるで、パンデミックなどなかったような日常が続いている。それなのに、なぜか機嫌の悪い人が増加しているような気がしてならない。そこで、度々、耳にするのは、なぜ、ネガティブな人々が増えたのか?といったトピックだ。

コロナ禍でこれまで隠れていたアメリカの闇の部分が表面化してきたことが一つにあるけれど、コロナ禍でライフスタイルが急変し、その影響でメンタルヘルスにダメージを受けた人も多く、家での生活が長引く中、ドラッグやアルコールに依存する人も増えているとも聞く。周りに八つ当たりしたり、ハラスメントやモラルのない言動をする人を目にすることもある。また、自分の欲しいものが直ぐに手に入らない。自分の欲求が満たされないことに駄々をこねる大人たちもいたりするから困ったものだ。

筆者の暮らしているエリアの周辺でも、パトカーのサイレンを耳にする頻度も増えた。毎日、盗難や殺人、暴行、暴動、銃乱射事件などのニュースを耳にする機会も増えた。最近のアメリカの治安の悪化を感じずにはいられない。

※写真はイメージです

そんな中でも、互いが手を差し伸ばし合い「I BELIEVE IN YOU」 (君を信じている)、「YOU ARE THE BEST」(君は最高だ!)、「LET’S DO IT! WE CAN DO IT! 」(頑張ろ〜ぜ。僕たちならできる!)と声を掛け合い、さらに、ガンバレ〜!と日本語で互いのモチベーションを高めあおうとするメンバーの存在はありがたく、そして、心強い。今、人々が必要としているHUMAN KINDNESSがここにはある。

人としてのモラルとマナーは一体、どこに消えてしまったのだろうか?
それが、ないものねだりでないことを願いたい。

白井朝美のプロフィール:
米国大学在学中にダンサーに。NYを拠点にダンサーとして活動後、多種多様な業界を渡り歩いた元・3ヶ月坊主のジョブホッパー。米フォーチュン500企業の最も働きやすい企業に籍を置いたのち、アメリカが選ぶ最高の雇用者としてトップに君臨する米大手小売企業に現職!ライター、ライフスタイルリサーチャー、ブランドアンバサダーとしても活躍。ダンスとヨガとネコと自由を謳歌する自由人。https://morningbeauty917.wixsite.com/mysite

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文/DIME編集部

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