そろそろ年の瀬も迫り、新しい年を迎えようとしています。年末年始のお休みは、自分の将来のことや叶えたい夢についてじっくり考えたいものです。
来年の運勢はどうなっているか、ふと占いが気になる人もいるでしょう。でも、「来年はあまり運気がよくありません」などの悪い結果が出ると不安になるものです。
そうした運命を信じるかどうかは人それぞれですが、占いとの付き合い方を少し学んでみるのもいいのではないでしょうか。
そこで今回は、占いの中でも「四柱推命」の専門家である星絢さんに、四柱推命における「運命」の考え方や、四柱推命に関する素朴な疑問を伺いました。自分の運命との付き合い方のヒントとなるのではないでしょうか。
四柱推命では「運命」は決まっている?
四柱推命とは、万物は木・火・土・金・水の5つからできており、相反する陰と陽の2種類の気に分けられ、この5つの要素と気が化合したり、転変したりして、この世のすべてを作り上げているという「陰陽五行説」に基づく中国の占術の一つです。
自分の生まれた「年、月、日、時間」の4つの柱に適用される十干十二支の組み合わせから、性格や受け継いだもの、運勢を鑑定します。
そんな四柱推命、簡易的な占いであれば、きっと誰もが鑑定してみたことが一度はあるのでは? 四柱推命の結果を見ると、自分にとって良い悪いに関わらず、「こういう運命にある」ということが分かります。そもそも四柱推命の鑑定結果の「運命」は決まっており、変えられないものなのでしょうか? 星さんに伺いました。
「運命は、変えることができない『宿命』と、自分で変えることができる『立命』によって成り立っています。
『宿命』とは、“いつどのような要素を持って生まれるか”というほぼそれだけであり、『立命』とは、それ以外のすべてです。ですから、運命とはほぼ立命のことであり、変えていくことができます。
本来の自分の性格・資質・強み・運気の流れは、変えることができない宿命ですが、それは良い・悪いというものでもなければ、『いつ病気になる』などの具体的なことでもありません。
そのため、いかようにでも活かすことができますし、ある程度の傾向を知って対策がとれるということでもあります。
変えられない宿命を認識し、それを活用しながら、自分が望むように運命を変える。四柱推命の結果をそうとらえると、分かりやすいのではないでしょうか」
次のページでは、四柱推命で悪い運命が分かったとき、どうすればいいかを解説していただきます。
四柱推命で悪い運命が分かったらどうすれば良い?
もし、四柱推命で悪い運命があると分かったら、どのようにとらえるといいのでしょうか。
「真の占いに吉凶はありません。ゆえに、悪い運命というものも存在しません。すべての事象は、必要だから与えられるものであり、そこに良し悪しはないのです。
例えば、占い結果で『会社を辞めることになる可能性が高い』と出たとします。それは悪い運命でしょうか。
もちろん、悪いととらえることもできますが、良いととらえることもできます。会社を辞めることで、本当に自分が生きたかった人生を始められるかもしれませんし、しがらみがなくなってストレスが減るかもしれません。もっと良い就職先に出会えるかもしれません。
または、今の会社が大好きで辞めたくない場合でも、占い結果でそのように出るということは、その原因や理由がありますから、それをもとに、辞めなくて済むような対策をすることもできます。そうすれば、運命も変えられるのです」
「占いで悪いことを言われないか怖い」と思ってしまう理由
ところで、占いというとよく「悪いことを言われないか怖い」「自分の人生を占いで決められたくない」という声を耳にします。なぜ占いに対してこのようなネガティブな考え方が生まれるのでしょうか? 星さんは次のように指摘します。
「それは多くの占い師や占いサイトがそのような扱いをして、それをそのまま伝えているからでしょう。残念なこと=凶であるという見方や、『いつ病気になる』『あなたは結婚できない』などの未来を断定するように扱われることがよくあります。
人は、占い結果を信じやすく、信じたことは実際にそうなっていきやすいので、悪い占い結果を知ったことによって運命が悪くなるということもあります。
もちろん、ほとんどの占いでは良い結果も出ますが、良い・悪いだけで終わらせられてしまうと、どうすればより良い運命にしていくことができるのかが分かりません。
より良い助言とは、相手の状況に合わせた的確かつ具体的な行動を促すものだと思いますが、“結果を伝えて終わり”という占いが多いため、そのように考えてしまうのでしょう」
四柱推命を活用する方法
では、四柱推命を毎日の生活に活かすには、どうすればいいのでしょうか。
「四柱推命で知ることができるのは、主に『本来の自分自身』『運気の流れ』『相性』の3つです。まずは自分について、今の運気とこれからの運気について、関わる相手について、理解・認識しましょう。
そのうえで、どうすれば本来の自分が最大限に活かされるのか、どの時期をどう過ごせばよいのか、より良い人間関係を築くためにはどうすれば良いのかを、追求し続けましょう」
星さんによると、今ある悩みや問題と照らし合わせるとよいそうです。
「現状のストレス・不安・悩み・葛藤・課題・問題と、四柱推命の結果を照らし合わせることで、苦しんだり生きづらさを感じたりしている原因や理由を明確に見付けることができます。
原因が分かれば、あとはその対策を考えて実行に移すだけです。それを繰り返していくことで、現実的にも精神的にも、着実に幸福度を上げていくことができるでしょう」
次のページではビジネスパーソンが仕事に四柱推命を活用する方法を教えていただきます。
ビジネスパーソンが仕事に四柱推命を活用する方法
昔から経営者は占いを指針としてきたといわれますが、ビジネスパーソンの場合、仕事の成功に四柱推命を活かすにはどうすればいいのでしょうか。
自分の資質をどう活かせるか考える
「会社員の場合は一般的に、組織の中で『より自分の資質を活かした仕事をすること』と『良好な人間関係を築くこと』が特に重要であると思います。まずは今の与えられた仕事の中で、四柱推命で分かった自分の資質を、どうすれば活かすことができるのかを考えてみましょう。仕事のやり方や担当変更、部署異動を掛け合ってみるのも良いでしょう」
苦手な上司は四柱推命で理解する
「人間関係の改善については、まずは苦手な上司や同僚を四柱推命で観て、なぜあのような言動をするのかを理解するよう努めてみましょう。そうするだけで許せたり、逆に面白く感じられたりもします。そこから対策を見付けて、現実的に関係性を良くすることもできるでしょう。チーム編成や役割分担に意見を言える機会があれば、相性の良い人と一緒に仕事をすることもできます」
運気の流れを把握する
「運気の流れを把握しておくことで、かなり過ごしやすくなります。運気には、年ごと・月ごと・日ごとがあり、さらには10年ごとに切り替わる社会運もあります。なぜ今が大変なのか、それはいつまでなのか、いつから良くなるのかなどを整理することもできますし、それによって気持ちを切り替えたり、計画を立てやすくなったりもします。そうすることで、良い流れに乗ることもできるのではないかと考えています」
これまで四柱推命の鑑定結果を見て、落ち込んだ経験があったり、今後、どう活かせばいいか迷っていたりした人は多いのでは? 今回紹介された考え方や方法をヒントにして、ぜひ前向きに活用してみましょう。
●教えてくれた人…星絢(ほし・けん)さん
(株)地球人 取締役 (社)日本占道協会 認定師範
20代の頃から起業を志すも、幾度となく失敗。事業が低迷しているときに四柱推命の師である鳥海伯萃先生と出会い、占いの勉強を始める。更に自分の成功マニュアルを作る経営塾や更なる運命学との出会いもあり、それまで上手くいかなかった事業・結婚を成功させ、お弟子さんグループ約300名の活発なコミュニティの形成も成し遂げる。 今は、無借金・年商3000万円にまで会社を成長させ、四柱推命鑑定師・講師の養成を主軸としながら、より多くの人や世の中を更に豊かにしていくことを追求している。 著書に「オンライン対応! 占い起業のはじめ方、成功の技術」(彩流社)がある。 https://www.amazon.co.jp/dp/4779127254
取材・文/一ノ瀬聡子