人は生活していく上で、多かれ少なかれ自分の得になるように行動します。しかし、損得勘定ばかりを優先すると、周囲に『打算的な人』というマイナスの印象を持たれるでしょう。打算の意味から、打算的な人が意識したいことまでを解説します。
そもそも打算とは
自分の得になるようにしか行動しない人に対し『打算的な人』という表現がよく使われます。
そもそも『打算』とはどういう意味なのか、見ていきましょう。
損得勘定で動くこと
『打算』とは、物事に対する損得を計算することです。
「あの人、打算的なところがあるよね」のように『打算的』として使うと、『行動を起こす前に自分の損得について考える、計算高い様子』という意味になり、マイナス要素が強くなります。
多くの人は、多かれ少なかれ自分にとって得か損かを考えるものです。
しかし、損得勘定を常に最優先し、自分が損する行動を拒絶する人は、周りに「冷たい人だな」「信用できない」という悪い印象を与えてしまうでしょう。
打算的な人の特徴
損得勘定を最優先する打算的な人には、行動に特徴があります。自分や周囲の人にあてはまる点がないか、チェックしてみましょう。
損得を瞬時に判断できる
打算的な人の特徴として、頭の回転が速いことが挙げられます。
提案や誘いを受けたときに、自分にとって得になるか損になるかを瞬時に計算し、受けるか断るかを判断する必要があるからです。
打算的な人は常に損得勘定で動いているため、頭の中で物事をシミュレーションすることに慣れています。
そのため、経験を積むほど頭の回転が速くなり、判断能力が磨かれていくのです。
相手によって態度が変わる
打算的な人は、自分にとって得にならない人やデメリットをもたらす人は必要ないと考え、無関心な態度を取ります。
逆に、付き合うことで自分にメリットがある人に対しては、とても友好的です。
損得を基準にして人間関係を築くため、打算的な人は相手によってガラリと態度を変えます。
「仲良くしたら得だ」と思った人には、小まめに声をかけて愛想をふりまきますが、必要ないと思った人にはそっけない対応をするのです。
人間関係が長続きしない
自分にとって利益のない人とは付き合わない打算的な人には、人間関係が長く続かない傾向が見られます。
これまで仲良くしてきた相手でも、「もう自分にメリットはないな」と判断すると、付き合いを最小限にするか、場合によっては交友関係を断ち切ってしまうためです。
仕事関係だけでなく、友人や恋人などプライベートの人間関係でも同じです。打算的な人には長年の付き合いをしている友人がほとんどおらず、恋人とも長続きしません。
打算的な人のメリットとデメリット
打算的な人の考え方は、「自分の得になればいい」という非常にシンプルなものです。
このような考え方が、どんなメリット・デメリットにつながるかを解説します。
大きな損をせずに済む
確実に損になる、もしくは自分にリスクのある頼みごとを知り合いからされたとき「今までの付き合いがあるから」「お世話になっている人だから」と、損を承知で引き受けてしまう人は多いものです。
しかし、損得を重視する打算的な人は情に流されることがないため、きっぱりと断ることができます。大きな損をせずに済む点が打算的な人のメリットです。
打算的な人は、自分にとって損になると判断したことには関わろうとしません。冷たいようにも感じますが、危機管理がしっかりできているともいえます。
周囲から信頼されにくい
損得勘定で仲良くする相手を選んでいることに、周囲は意外と気づいています。そのため、打算的な人は周囲から信用されにくくなるのです。
打算的な人は誰かが助けを必要としていても、自分にメリットがない限りは手を貸そうとしません。仲良くしていた相手でも、自分に利益がない存在になった途端に距離を置こうとします。
その様子を見た周囲の人は、打算的な人に対して「いつ態度が変わるかわからない人だから、信用できない」と思っているのです。
打算的な性格の人が意識したいこと
打算的な性格は、役立つ面もあるため無理に直す必要はありません。しかし、その性格を前面に押し出すだけでは、周囲からの信頼を得られず孤立してしまうでしょう。
人間関係を円滑にするために、打算的な人が意識すべきポイントを紹介します。
時には人のために動く
人のために行動することは、自分の成長につながることもあります。
自分とは違う考えや価値観を知れたり、世界が広がったりと、お金や評価以外で得られるものもあるはずです。
また、打算的な人が損得勘定抜きで行動する様子を見れば、周囲が持つ印象も変わってきます。
「あの人も、人のために動いてくれるんだな」と思われることで、円滑な人間関係を築くことができるのです。
マナーを守ることを忘れない
打算的な人は、自分の得だけを優先する自己中心的な性格ともいえます。
「自分がよければそれでいい」と考えて周囲に配慮しない場合もあるため、マナーを守らない行動を取ることがあります。
例えば、公共の場所で通話をしたり、歩きスマホをしたりといった、社会的マナーより自分の都合を優先する行動はやめましょう。
直接自分の得にはならなくても、マナーは周囲に対する最低限の気遣いです。人間関係を円滑にするためにも、マナーを守ることを忘れないようにしましょう。
まとめ
打算的な人は、頭の回転の速さが特徴で損得を瞬時に判断します。そのため、大きな損をせずに済む点がメリットです。
しかし、損得勘定で人に対する態度を変えるため、人間関係が長続きしません。その点は、周囲から信頼されにくいというデメリットにもつながります。
自分の性格を打算的だと感じたら、時には人のために動くように意識しましょう。周囲に不愉快な思いをさせないためにマナーを守るようにすれば、周囲からの印象も変わっていくはずです。