偏屈という言葉を聞いて、何となく意味が想像できても説明できない人もいるのではないでしょうか。そこで、言葉の意味と合わせ、偏屈な人の特徴やそうなってしまう理由を解説します。うまく付き合う方法についても知り、職場やプライベートで生かしましょう。
偏屈の意味は?
まず、『偏屈』の言葉の意味を紹介します。
「性格がひねくれている」こと
『偏屈』は人の性格を表すときに使われる言葉で、『ひねくれていること』という意味です。
例えば、友人が食事をごちそうしてくれても、その好意を素直に受け入れられず「何か裏があるに違いない」と、ひねくれた受け取り方をしてしまうような人を指します。
自分と異なる意見を頑として受け入れない頑固者を指すこともあります。
ネガティブなニュアンスで使われることが多く、似たような意味の言葉は『変わり者』『気むずかしい』『へそ曲がり』などです。
偏屈な性格に共通する特徴
周りから偏屈だと思われる人は、どのようなタイプの人なのでしょうか?共通する主な特徴を挙げるので、自分にも当てはまっていないか確認してみましょう。
素直ではない
偏屈な人は、自分にも他人に対しても素直ではない傾向があります。
喜怒哀楽などの感情を表現するのが苦手で、内心はうれしくても素直になれず、裏腹な言動をしてしまうことも少なくありません。
例えば、急ぎの仕事が思うように進まず困っているときに、同僚が助けてくれたとします。そのことに感謝していても、素直に「ありがとう」と言えず、「誰も助けてほしいなんて言ってないのに」などと冷たい言動をしてしまうこともあるでしょう。
また、自分に非があることが明らかなのにもかかわらず、謝れないこともあります。内心では自分が悪いと思っていても素直に認められず、言い逃れをすることが多いでしょう。
人の話を聞かない
偏屈な人は、人の話を聞かないという特徴もあります。たとえ自分にプラスになることだとしても、人の意見に耳を傾けないのです。
例えば、職場では先輩から仕事を教わることがあります。自分のためになることなのに「はいはい、分かりました」というような態度で聞き流したり、「もう、分かったので」と会話を遮断したりすることもあるでしょう。
「本当に分かっているの?」と詰め寄られると、イライラして逆切れすることもあるかもしれません。そのため、周りから「面倒くさい人」「できるだけ関わりたくない」と思われ、敬遠される場合もあります。
頑固で意地っ張り
柔軟な対応ができず、頑固で意地っ張りなのも特徴です。「自分が正しい」と強く思い込んでいる部分があり、意見や主張を曲げない頑固さがあります。
中には周りに自分の意見を押し付け、従わせようとする人もいます。
たとえ途中で自分の間違いに気付いても、素直に非を認められず、意地を張ってしまう人も少なくありません。
周りから間違いを指摘されたり説得されたりすると、余計に意固地になってしまい、手が付けられない状況になってしまうこともあるでしょう。
偏屈になってしまう理由とは?
なぜ偏屈な性格になってしまうのか、主な理由を紹介します。
理由を知ることで、相手に対する見方が変わり、うまく付き合う糸口が見つかるかもしれません。
素直になるのが恥ずかしい
恥ずかしがり屋な性格で、「素直になるのが恥ずかしい」という心理が影響していると考えられます。
例えば、「新しいヘアスタイル、すごく似合っているね」と褒められ、内心はうれしいのに「うれしい」「ありがとう」と言うのが恥ずかしいと感じる人もいます。
恥ずかしさを隠すために、「お世辞はいらないから」と突き放すような言葉を返してしまうのです。
また、プライドが高いことも、素直になれず「恥ずかしい」と感じてしまう理由です。
誤らなければいけない場面でも「非を認めるなんて恥ずかしい」と思ってしまい、なかなか言い出せないこともあるでしょう。
かまってほしい
「誰かにかまってほしい」という強い気持ちが、偏屈な言動につながっているケースもあります。
例えば、偏屈な人は「このドラマ、おもしろいよね」と周囲が盛り上がっているときに、「ストーリーがワンパターンでおもしろくない」など、逆の意見を述べることが珍しくありません。
あえて違う意見を主張したり、人と違う自分を演出したりすることで自分に注目が集まり、かまってもらえると思っているのです。
コミュニケーション能力に欠け、うまく人付き合いができないことも、ひねくれた言動で気を引きたいという心理につながっていると考えられます。
過去のトラウマ
過去のつらい出来事がトラウマになっていることが理由の場合もあります。
例えば、恋人や親友など心から信頼していた人に裏切られた経験があると、人を信用できなくなりがちです。
どうしても疑い深くなってしまい、なかなか本音で接することができないのです。「また裏切られるかもしれない」という不安感や恐怖心も強くなり、自己防衛として素直に接しないようにしていることもあります。
中には「素直になりたい」「信じたい」と思っていても、トラウマが消えず苦しんでいる人もいるかもしれません。
偏屈な人との上手な付き合い方
偏屈な人が職場や身近にいる場合は、関係を断ち切ることが難しいため、うまく付き合う方法を知ることが大切です。
そこで、すぐに実践できる方法を三つ紹介します。
ありのままを受け入れる
先入観や苦手意識を持たずに、ありのままを受け入れましょう。
世の中には、さまざまな性格の人がおり、合わない人もいるものです。そのような社会でうまく人付き合いをしていくには、お互いに受け入れる姿勢が大切です。
偏屈な人は周りに迷惑を掛けたり、煙たがられて孤立したりしがちですが、「そういう人もいる」と寛大な気持ちで接するようにしましょう。
そうすることで、相手も「ありのままの自分を受け入れてくれている」と思い、心を開いてくれるかもしれません。お互いに心を開き合えれば、より良い人間関係を築きやすくなるでしょう。
否定しない
相手の考えを否定しないように心掛けることも大切です。周りの人からすると、一方的で偏った意見だとしても、偏屈な人は「自分が正しい」と信じています。
いくら周りが正論を述べても、全く心に響かないばかりでなく、状況を悪化させてしまうリスクもあります。余計に意固地になったり、激しい口論に発展したりするリスクもあるため、否定しないようにするのが得策です。
偏屈な人と会話をするときは、感情的にならずに大らかな気持ちで「なるほど」「そうですか」とサラッと聞き流すように心掛けましょう。
適度な距離感をキープする
角が立たない程度に適度な距離感をキープするのも対策になります。
ひねくれた言動に付き合っていると、不快な気持ちにさせられたり、ストレスがたまったりすることも少なくありません。
相手に気付かれない程度に距離を保つことで接する機会が減るため、必然的に被害に遭う頻度も減ります。
職場では、仕事に関わる必要最低限の会話に留めるようにし、プライベートでは2人きりで会わないようにするのがおすすめです。
ランチや飲み会など、どうしても避けられないときは、離れた席に座るようにするなど、距離を保てるように心掛けましょう。
まとめ
偏屈な人は素直ではなく、頑固で人の話を聞かない傾向があります。
恥ずかしがり屋な性格やかまってほしいという心理が、ひねくれた言動につながっていると考えられます。過去のつらい経験が原因となっていることもあるでしょう。
うまく付き合っていくためには、相手を否定せず受け入れることが大切です。接する機会を減らすために、適度な距離感をキープするのもおすすめの対策法です。