優柔不断な自分に悩んでいる人は、まず言葉の意味を正しく理解しているか確認し、ポジティブな面もあることを知ることが大切です。どのようなタイプの人を指すのか、決断できない理由や改善方法についても紹介します。
優柔不断の意味
最初に『優柔不断』とはどのような意味なのか紹介します。ネガティブなニュアンスのある言葉ですが、ポジティブに捉えることもできます。
物事の判断が遅いこと
『優柔不断』は、物事の判断が遅いことを表す言葉です。『優柔』と『不断』のどちらも、決断力に乏しいという意味があります。
ビジネスでもプライベートでも、物事を判断し決断しなければならない場面は少なくありません。そのようなときに、なかなか意思を決められない人に対して使われます。
似たような意味の言葉には、『煮え切らない』『ためらい』『不決断』などがあります。
ポジティブに言い換えると「慎重」
『優柔不断』にはネガティブなニュアンスがありますが、見方を変えてポジティブに言い換えると『慎重』ともいえるでしょう。
決断に時間がかかるのは、一つの物事を人よりも注意深く考察し、軽々しく行動しないことが理由として挙げられるためです。
例えば、「英会話を習いたい」と思っても、そのときの感情に任せてすぐに飛びつくようなことはしません。まず、どの英会話教室が自分にとってベストなのか、あらゆる面から比較検討するでしょう。
良い所と悪い所の両方をきちんと理解した上で慎重に選ぶため、時間はかかりますが、自分にとって満足度の高い教室を選べるというメリットがあります。
優柔不断な人とは?
優柔不断な人は、具体的にどのようなタイプの人のことを指すのでしょうか?主な特徴を紹介するので、自分に当てはまっているか確認してみましょう。
決めるのに時間がかかる
優柔不断な人は、仕事でもプライベートでも、決めるのに時間がかかり過ぎる傾向があります。
意識している・していないにかかわらず、私たちは 日々の生活のなかで、その日の献立・服装・メイク・レストランでの注文・買い物など、さまざまな決断をしています。
例えば、友人と食事に出かけ、周りの人は注文が決まっているのに自分だけ決まっていないことが多い人は、優柔不断といえるでしょう。
また、職場などでは「こっちを選ぶと、不快になる人がいるかもしれない」など、周囲を気にし過ぎる性格が、なかなか決断できないことにつながっていることもあります。
「なんでもいい」が口癖
決断ができないため、「なんどもいい」と言ってしまいがちなのも特徴です。
例えば、デートでは「どのレストランに行きたい?」「どこに行く?」「どっちの映画が見たい?」のように聞かれることも多いでしょう。
優柔不断な人はそういったシーンで迷ってしまい決められないため、「なんどもいい」「どこでもいい」「どっちでもいい」と相手任せにしてしまうのです。
自己主張し過ぎない控えめな人と思われることもありますが、「無関心」「つまらなそう」など、マイナスの印象を与えてしまうこともあります。
心配性
優柔不断な人はネガティブに物事を捉えがちで、心配性な人が多い傾向があります。
「こっちを選んで後悔しないだろうか」「この決断をすると、反感を買うかもしれない」など、過度に心配してしまうことが決断できない原因になっていることも少なくありません。
決断しても、「やはり、もう一方を選んだ方が良かったのではないか」といつまでも引きずってしまうこともあります。「また同じように後悔するかもしれない」という恐れが、さらに優柔不断を加速させていることもあるでしょう。
決められない原因
「どうしてなかなか決められないのだろう?」と自分で原因が分からない人もいるのではないでしょうか。主な原因や心理を紹介します。
失敗したくない
誰にでも失敗はあるものですが、「失敗したくない」という気持ちが過度に強いことが原因の一つです。
特に、その後の人生に大きく影響することに対しては、「失敗できない」という気持ちが強まり、なかなか心を決めることができなくなります。
また、過去の失敗や後悔した経験がトラウマになって、「また同じ過ちを繰り返してしまうかもしれない」という気持ちから、ネガティブな方向に気持ちが向いてしまうこともあります。
心配性な性格が影響し、まだ起こってもいないことをあれこれと考えてしまい、決断ができないこともあるでしょう。
自分に自信がない
自分の意見や気持ちに自信がないと迷いが生じやすいため、選択や決断ができない原因になります。
一度決めても、「自分の選択が間違っているかもしれない」と不安になり、気持ちが揺らいでしまうことも珍しくないでしょう。
自信がないと、人からどう思われるか気にし過ぎてしまう傾向もあります。そのため、「周りと意見が違うかもしれない」「間違っていると思われるのではないか」と不安になってしまい、決められないこともあるかもしれません。
育った環境も原因に
育ってきた環境が原因で、気付かないうちに優柔不断な性格になっていることもあります。
幼少期は、その日に着る洋服からレストランでの注文まで、何から何まで親が決めるという場合がほとんどです。
しかし、子どものことを心配するあまり、成長してからも何かと口出しをして自分の意見を押し付けてしまう親もいます。
そうなると、自分で考え選択するという経験が極端に少なくなり、大人になっても自分で決断できなくなってしまうのです。
優柔不断な性格の改善方法
優柔不断な性格は、心掛け次第で改善できる可能性があります。具体的な方法を紹介するので、実践してみましょう。
小さなことから決める練習をする
日々の小さなことから自分で決める練習を積み重ねることで、決断力を磨けます。例えば、その日に着ていく洋服を30秒以内に決める、献立を3分以内に考えるなどです。
徐々に時間を短くするなどゲーム感覚にすると、楽しみながら改善できるだけでなく、成長が分かりモチベーションを保ちやすくなるでしょう。
また、小さな成功体験を積み重ね、自信につなげるのもおすすめです。「注文した料理がおいしかった」などささいなことでもよいので、「選択が正しかった」と思えることを増やしていきましょう。
決断の期限を決める
タイムリミットがないと、あれこれ迷いが生じたり、何かと理由を付けて先延ばしにしたりしがちです。期限を決めることで、なかなか決められない状況を改善できるでしょう。
例えば、ジムに通うと決めたら「今週中に候補のジムに見学に行き、それから3日以内に一つに絞り申し込みをする」というようにすると、決断しやすくなります。
ToDoリストを作ってタスクを可視化すると、モチベーションの向上につながるかもしれません。
また、比較や検討がさほど必要ないことについては、秒や分単位で期限を設けると、即断即決もできるようになるでしょう。
まとめ
優柔不断な人は心配性で決断に時間がかかるほか、「なんでもいい」が口癖の人が多い傾向があります。失敗したくない気持ちや、自信のなさが主な原因として考えられるでしょう。
また、幼少期に何でも親が決めていて自分の意思で選択する機会が少なかったなど、家庭環境が影響していることもあります。
優柔不断は、物事を慎重に進められるというメリットもありますが、決断に時間がかかり過ぎると周りに迷惑がかかることもあります。そのため、少しずつでも改善する努力をすることが大切です。
小さいことから自分で決める練習をしたり、決断の期限を決めたりすることで、決断力を鍛えていきましょう。