親子だからといって何でも分かり合えるわけではなく、母親を好きになれない人もいます。母親嫌いの原因や嫌われる母親の特徴を紹介します。好きになれない母親とうまくやっていく方法についても触れるので、付き合い方を見直す参考にしてみましょう。
娘や息子が母親嫌いになる原因とは?
毎日のように顔を合わせる家族だからこそ、悩みが増すことも少なくありません。人はどのような理由で母親を嫌いになるのでしょうか?
主な原因を見ていきましょう。
愛情不足
幼少期に母親から十分な愛情を受けられなかったと感じていると、成長してからも心にしこりが残り、良い関係が築けないことがあります。
子どもの受け止め方はそれぞれで、周りの子どもがハグされているのを見て、ハグをしてくれない母親に対して「自分のことを好きではないのかもしれない」と感じる子どももいれば、ドライな母親でも不安に感じない子どももいるでしょう。
個々の受け止め方による部分が大きいといえますが、子どもが愛情の不足を感じると、孤独感や必要とされていないような不安感が増し、その後の関係に影響を及ぼすのです。
過干渉・過保護
母親が過干渉だったり過保護だったりすると、うっとおしく感じることがあるでしょう。
幼少期は何でも親の言いなりでも、成長するにつれて自分の意思は強くなります。思春期頃になると、学校での出来事や友達付き合いについて根掘り葉掘り聞かれることを疎ましいと思うものです。
社会人になってもいろいろ詮索してくるようであれば、母親を嫌いになってしまうこともあるかもしれません。
大事な子どもがつらい思いや危険な目に遭わないようにという親心なのですが、子どもにとっては迷惑なだけで、嫌いになる原因にもなり得ます。
毒親
全ての子どもが居心地の良い環境で育っているわけではありません。子どもは親を選べず、中にはいわゆる「毒親」に育てられる場合もあります。
例えば、母親がギャンブルやアルコールにはまり、食事などの日常の世話をしてもらえないといったネグレクトをされた子どもは、母親を好きになれないことが多いでしょう。
成長してからも、自分がアルバイトで稼いだお金を遊ぶお金に使われたり、幼い弟妹の世話を押し付けられたりするケースもあります。
そういったつらい環境で育てられた子どもであればなおのこと、母親に嫌悪感を抱くのも無理はないでしょう。
嫌われる母親の特徴
嫌われる母親に共通する主な特徴を四つ紹介します。
以下に当てはまる部分がないかチェックし、自分がどんな部分に対して嫌悪感を抱いているのか確認してみましょう。
子どもをコントロールしたがる
子どもを自分の思い通りにコントロールしたがるのが、嫌われる親の特徴の一つです。
例えば、付き合う友達・習い事・受験する学校・就職先など、子どもの気持ちを無視して全てコントロールしようとするなどです。
社会人になってからも恋人や結婚に対して口を出したり、頻繁に連絡をしてきて行動をいちいち監視したりする母親もいるでしょう。
子どもを心配する気持ちからだとしても、いつまでも過度に干渉されれば、「支配されている」「一緒にいるだけで息が詰まる」と嫌気がさしてしまいます。
きょうだいを差別・比較
意識している・していないにかかわらず、きょうだいを差別したり比較したりする母親は嫌われやすいといえるでしょう。
例えば、上の子に対して「お兄ちゃんなのだから、我慢しなさい」と言うことや、きょうだいでけんかをしたときに上の子ばかりを叱るというのは、よくあるケースです。
下の子に対しても「お姉ちゃんはしっかりあいさつできるのに、どうしてあなたはできないの?」「お兄ちゃんを見習いなさい」などと比較してしまう親も少なくありません。
決して傷つけるつもりはなくても、差別や比較をされた側は深く傷つき、悲しみや寂しさなどさまざまな感情が湧くものです。次第に母親の愛情を感じられなくなり、嫌悪感を抱くようになってしまうこともあります。
言うことが矛盾している
さまざまな物事に対して言うことが矛盾しているという特徴もあります。
例えば、「もう〇〇歳なのだから、親に頼らずに自分で何とかしない」と言いつつ、細かいことにまで口出ししてくるなどです。
「自分がやりたい仕事に就きなさい」と言っておきながら、「そんな職業に就いても安定した生活は送れないから、考え直しなさい」と指示する親も同様です。
子どもに選択肢を与えているようで、実際には与えておらず、無意識に親の選択を押し付けているのが現実です。
矛盾することを言われ続けると、不安定になったり疲れたりしてしまい、心が離れていくのです。
好きな人を否定する
誰でも自分の好きな人を否定されるのは気持ちの良いものではないでしょう。子どものことを心配するあまり、否定的なことを言ってしまう母親は少なくありません。
例えば、「〇〇君と友達でいると、あなたも遊んでいると思われるよ」「今の彼女の年齢だと、結婚してもあなたが苦労するだけよ」などです。
好きな人に対する愚痴を聞かされるのは不愉快でうんざりするだけでなく、自分も否定されたような気持ちになることもあり、子どもを苦しめてしまうのです。
嫌いな母と上手に付き合う方法
他人とは違い、身内とは簡単に関係を断てないため、うまく付き合う方法を知ることが大切です。
感謝できる、良いところを見つける
ネガティブな面だけでなく、感謝できることや良いところなどポジティブな面に目を向けると、気持ちが変わることがあります。
当たり前だと思っていたことが、見方を変えれば感謝すべきことの場合もあります。
例えば、毎日欠かさずお弁当を作ってくれた、学校の行事には必ず来てくれたなどです。
また、年齢とともに母親に対する理解が深まっていくこともあります。自分が親になって初めて母親の気持ちが理解できることもあるでしょう。
焦らず時間をかけて関係を改善していくのも一つの方法です。
期待し過ぎない
母親に期待し過ぎず受け入れるのも、うまく付き合う方法です。
母親といえども一人の人間ですから完璧ではありません。人はそう簡単に変われるものではなく、相手を変えようとしても変わらないことは多いものです。
「こういう母親になってほしい」という思いが強いほど不満やストレスがたまり、嫌いになってしまいがちです。ありのままを受け入れることで、気持ちが楽になることもあるでしょう。
また、一度嫌いになった人を好きになるのは簡単ではありません。好きになる努力が逆にストレスになることもあるため、諦めるのも一つの選択といえるでしょう。
適度な距離をとる
なるべく関わりを避けるため、適度な距離をとるのも対策になります。
例えば、頻繁に電話がかかってくるのがストレスなら、話す時間をあらかじめ決めておくなどの対策が可能です。
会話も必要最低限にすることを意識して、プライベートなことはあまり話さないようにすると、過度な干渉を防げるでしょう。
同居している場合でも、できるだけ自分の部屋で過ごすように心掛ければ、母親と接する時間を減らせます。週末も友人と出かける予定を入れたり、習い事をしたりすることで、家にいる時間を減らす工夫をしてみましょう。
まとめ
母親嫌いになる主な原因は、愛情不足・過干渉・過保護・ネグレクトなどです。子どもをコントロールしようとしたり、きょうだいで差別や比較したりすることも嫌われる要因となり得ます。
好きになれない母親とうまく付き合うには、感謝することや良いところを見つけること、そして期待し過ぎないことが大切です。