『人徳』とは、どのようなことを指すのでしょうか?言葉の意味や『人望』との違いと合わせて、人徳がある人の特徴も紹介します。人徳を得るための方法についても触れるので、ぜひ実践して周囲から一目置かれる存在になりましょう。
人徳とは?
まずは『人徳』の意味を解説します。混同しやすい『人望』との違いについても知り、知識を深めましょう。
その人に備わっている品性のこと
『人』と『徳』が組み合わさった『人徳』は、『じんとく』もしくは『にんとく』と読みます。
『徳』には『品性』や『立派な行い』という意味があり、人徳は『その人に備わっている品性』を指します。
品性は、『道徳的基準から見たその人の性質』という意味です。
つまり、『人徳のある人』とは『道徳的基準から見て立派な人』というニュアンスの誉め言葉になります。
「人望」とは意味や使い方が異なる
『人望』は『信頼できる人として、人々から慕われること』を意味します。
人望は努力によって得られることもありますが、人徳はもともと備わっている品性というニュアンスが強いため、両者には違いがあります。
また、人望は人々からの信頼であることから『人望を集める』という使い方もしますが、人徳は自然と備わっているもののため『人徳を集める』という使い方はしないのも異なる点です。
人徳がある人の特徴
人徳があると思われる人は、具体的にどのような人なのでしょうか?主な特徴を紹介します。
穏やかでめったに怒らない
人徳がある人は、感情の起伏が穏やかで、めったに怒らないのが特徴です。
例えば、部下の失敗で自分に迷惑が掛かったとしても、イライラしたり怒鳴ったりせずに、寛大な態度で受け止められます。
心にゆとりがあり、器が広く誰に対しても優しく接することができる朗らかな人といえるでしょう。
仕事・プライベートを問わず、一緒にいて心地よいと感じる人が多いため、周囲からも好かれる傾向があります。
責任感があり信頼できる
人徳がある人は責任感が強く、職場では上司からも部下からも信頼されることが多いでしょう。
相手の立場に関係なく誠実な態度で接するため、相談されたり頼りにされたりすることも少なくありません。
例えば、部下に仕事を教えるときも、相手の立場で物事を考えられる優しさを持っています。
単に甘やかすということではなく、間違っていることは間違っているときちんと指導できる厳しさも持ち合わせた優しさなので、品性を感じる人も多いでしょう。
視野が広く思いやり深い
常に周囲の人の状況に目を配る、視野の広さも特徴です。
職場では、つい自分に課された業務ばかりに目を向けがちですが、人徳がある人は周囲をよく見ており、困っている人がいればサッとフォローするでしょう。
相手への尊敬の気持ちを忘れないため、たとえ仕事でストレスがたまっていたとしても、きちんと感情をコントロールします。
普段と変わらない態度で接し、周囲には不快な思いをさせないよう気遣う思いやりがあるのです。
人徳を得るために実践したいこと
人徳は、意識を変えることで得られるかもしれません。具体的な方法を三つ紹介するので、実践してみましょう。
判断を下す前によく考える
判断を下したり、意見を述べたりする前には『感情的になっていないか』『客観的に物事を見ているか』について、考えるようにしましょう。
例えば、仕事のミスの責任を押し付けられたときなどは、頭に血が上って感情的な発言をしてしまう人も少なくありません。
納得がいかないとしても、まずは場の空気を壊さないよう周囲に気を配り、冷静に対処することが大切です。
感情的になりがちな場面ほど、冷静に考え論理的に意見を述べるように心掛けましょう。
何事にも誠意を持って対応する
仕事でも人付き合いでも、誠意を持って対応するように心掛けることも大切です。
約束や納期を厳守する、言動に責任を持つ、必要なときはきちんと謝罪するなど、誠意のある言動が品性を養うことにつながります。
また、どのような仕事でも誠意を持って前向きに取り組む姿は、周囲に好印象を与えます。自分の成長につながるだけでなく、自然と周囲からの評価も上がるでしょう。
人の気持ちや立場を尊重する
周囲に目を向け、人の気持ちや立場を尊重することも必要です。仕事やプライベートが忙しいと、つい自分本位になりがちです。
しかし、人徳を得るには、どのような状況でも周囲への気遣いを忘れず、尊重することが大切になります。
例えば、一緒に食事に出かけたら、まずは相手の近況を聞いたり、同僚が忙しそうにしていたら「何か手伝えることはないか」と声を掛けたりすることです。
相手を尊重することを意識すると、自然と人の気持ちも分かるようになり、より思いやりのある対応ができるようになるでしょう。
まとめ
人徳がある人は、常に穏やかで責任感があり、信頼されている人です。周囲に目を配り、思いやりのある対応ができるのも特徴です。
人徳を得るためには、感情をコントロールしてよく考え、何事にも誠意を持って対応することを心掛けてみましょう。人の気持ちや立場を尊重することも大切です。