『あの人朗らかだよね』などという使い方は知っていても、正確な意味を説明できない人もいるのではないでしょうか?ここではそんな意味と、具体的にどのような人を指すのかを紹介します。朗らかな人に自分が近づくためのポイントについても合わせて解説します
朗らかの意味と読み方
まずは『朗らか』の意味や読み方を紹介します。
人や自然にも使える表現
『朗らか』は『ほがらか』と読み、人だけでなく自然に対しても使える表現です。『朗』は、もともと『月が明るい様子』や『月光が澄んでいる様子』を表す漢字で、『日差しが明るく、空が晴れ渡っている様子』という意味もあります。
文章では「朗らかな秋空で、遠足にぴったりの気候だ」のように使います。夏のように日差しが強くなく、過ごしやすい穏やかな日という意味です。
人に対して使うときは、『心にこだわりがなく明るい』という意味になります。例えば、「彼女の朗らかな性格は、落ち込んでいるときに前向きな気持ちにさせてくれる」と穏やかな人柄を表すときに用いられます。
『朗らかな笑顔・話し方』のようにも使うことも可能です。
朗らかの類語・対義語
『朗らか』の類語には、こだわりがなく明るいという意味の『明朗(めいろう)』や、にぎやかで明るいという意味の『陽気(ようき)』があります。『快活(かいかつ)』も、性格が明るく元気がよいという意味があり、類語として使えるでしょう。
対義語には、陽気の反対の意味の『陰気』があります。雰囲気や天候などが、晴れ晴れしていないことを表す言葉です。
みんなに好かれる「朗らかな性格」とは?
『朗らかな性格』とは、具体的にどのような人を指すのでしょうか?主な特徴を紹介します。
明るく前向き
朗らかな人はいつも笑顔を絶やさず、明るく前向きな性格をしています。気分にムラがなく、人前で不機嫌な態度を見せることはないでしょう。場の空気を読む能力にも長けており、さりげなく周囲の人を明るい気持ちにしてくれます。
ポジティブ思考なのも特徴で、職場で予想外な問題が発生したときなどプレッシャーがある状況でも、前向きに取り組めます。たとえ思うような結果にならなくても、一つの経験として捉え『次はうまくいくはず』とプラスに受け止められるのです。
さっぱりした性格で、陰口や愚痴をこぼすなど周囲に暗い面を見せないよう心掛けているとも考えられます。
穏やかで人当たりがよい
朗らかな人は穏やかで人当たりがよく、どのような場面でも冷静に対処できます。例えば、普通の人は職場で責任転嫁されたとしたら、感情的に反論したり、裏切られたと感じ落ち込んだりすることもあるでしょう。
しかし、朗らかな人は、理不尽なことに直面しても感情に任せて行動することはありません。まず冷静に状況を受け入れ、相手を諭すように自分の意見を述べます。
また、ニコニコしていたと思ったら急に不機嫌になるなど、感情の起伏が激しくない人柄は、周囲の人も穏やかな気持ちにさせてくれます。
人によって態度を変えない
社会に出ると、相手の立場によって態度を変えるような人も出てくるものです。しかし、朗らかな人は相手によって態度を変えることがなく、裏表を作らないことも特徴といえます。
たとえ性格的に合わない人だとしても、それを態度や顔に出すことはなく、平等に接します。態度を変えないことからも穏やかな人だと思われやすいのです。
好印象を与えたい、よく思われたいといった気持ちも少なく、ありのままの自分で接します。周囲の人に『建前ではなく、本音で接してくれている』という印象を与えるので、信頼関係を築きやすいというメリットもあるでしょう。
朗らかな人が職場にいるメリット
朗らかな人は、職場でも好かれる傾向があります。その理由やメリットを解説します。
場の雰囲気がよくなる
人の思考や振る舞いは周囲に伝染するといわれており、朗らかな人がいるだけで、その場がパッと明るくなり、雰囲気がよくなるのがメリットです。
朗らかな人は、いつも笑顔で物事をポジティブに捉える傾向があります。陰口を言うこともなく、誰に対しても平等に接するため、周囲の人も自然と心地よくなるでしょう。
朗らかな人は場の空気を読む能力にも長けているため、相手がどのような気持ちでいるか察し、さりげない思いやりで明るい気持ちにさせることも、場の雰囲気がよくなる理由です。
チームの生産性が上がる
チームに朗らかな人がいると、チーム全体の雰囲気がポジティブになり、生産性も上がります。『居心地がよい』『楽しい』というポジティブな気持ちは、モチベーションの向上につながるためです。
また、居心地がよい環境下では、意見を自由に出し合いやすく、チーム内の人間関係もよくなります。お互いを尊重する気持ちやチームワークが生まれ、『チームに貢献したい』という気持ちも高まるでしょう。その結果、高い生産性を生み出すことにつながるのです。
朗らかな人に近づけるためのポイント
性格を変えるのは簡単ではありませんが、朗らかな人に近づけていくことはできます。具体的な方法やコツを紹介するので、試してみましょう。
笑顔を絶やさない
いつでも笑顔を絶やさないように心掛けることが大切です。ずっと笑顔でい続けるのは意外と難しいため、まずは人と話すときに笑顔を意識してみるのがおすすめです。笑顔で相づちを打つだけでも、相手に好印象を与えられます。
ただし、何でも笑顔でいるということではありません。言葉や話の内容と表情がちぐはぐにならないように気を付け、自然な笑顔を心掛けましょう。
自然な笑顔を作るには、普段から表情筋を動かしておくことが大切です。『口角を上げる』『上の歯を見せる』『目尻を下げる』の三つを意識して、鏡の前で練習してみましょう。
言葉の選び方に注意する
使う言葉に注意するだけでも、相手に与える印象が大きく変わります。きつい印象を与えない柔らかい言葉を選ぶようにしましょう。
例えば、「明日までに〇〇を終わらせてください」と指示するよりも、「明日までに〇〇を終わらせてくれると助かります」とした方が柔らかい印象になります。何かをしてもらったときは、笑顔で「ありがとう」と伝えることも忘れないようにしましょう。
ネガティブな言葉を使わないのも、おすすめの方法です。職場では、納得のいかないことに腹が立つこともあるかもしれませんが、愚痴は控えましょう。ネガティブな言葉を使うことで、思考自体もネガティブになってしまうため、口に出さないことも心掛けのうちです。
人の考えを否定しない
人の考えや意見を否定しない気持ちを持ちましょう。どんなことに対しても感情的にならずに受け止められる寛大さや柔軟さを養い、臨機応変に対応できる穏やかさを持てるようにすることが大切です。
たとえ自分とは真逆の意見だとしても、「あなたの考えは間違っている」と頭ごなしに否定せず、『なるほど、そういう考え方もあるのだな』と、一つの意見として受け止めましょう。また、自分の考えを人に押し付けない心掛けも大切です。
気持ちにゆとりを持つ
意識して気持ちにゆとりを持つようにしましょう。仕事が忙しい、プライベートなことで悩んでいるなどの理由で気持ちにゆとりがなくなると、ささいなことにもイライラしたり不機嫌になったりしてしまうことにつながります。
イライラしていると、どうしても周囲にもネガティブな感情が伝わってしまい、場の雰囲気を悪くしてしまうという状況が生まれるのです。
気持ちにゆとりがないときは、やらなければいけないことに対して優先順位を決めて書き出すのがおすすめです。書き出すことで頭の中が整理され、効率よく取り組めます。整理されることで、ゆとりを取り戻すことにもなるでしょう。
まとめ
朗らかな人は明るく前向きで、誰に対しても同じ態度で接し、穏やかで人当たりがよい人です。場の雰囲気がよくなることやチームの生産性が向上することから、職場でも重宝される存在です。
『笑顔を絶やさない』『ネガティブな言葉を使わない』『人の考えを否定しない』ことを心掛けると、朗らかな人に近づけるでしょう。イライラしたり不機嫌になったりしないように、意識して気持ちにゆとりを持つことも大切です。