『地頭がいい』とは、どのような意味なのでしょうか?地頭がいい人の特徴や仕事の進め方についても紹介します。地頭力は今からでも鍛えられるので、具体的な方法やコツについても解説します。
地頭とは?
『地頭』という言葉を聞いたことがあっても、正確な意味を知らないという人もいるのではないでしょうか?そこで、まず意味を解説します。
「地頭がいい」の意味
地頭は『じあたま』と読み、『その人がもともと持っている頭の良さ』のことです。はっきりとした定義はありませんが、勉強などで得た知識の豊富さではなく、『物事を論理的に考える能力』や『コミュニケーション能力』などを指すことが多いようです。
地頭がいい人は頭の回転が早く、その場の状況に合わせてベストな対処法を自ら導き出せるような人を指します。
例えば、予想外な問題に直面したときなどに問題の本質を突き止め、どのように対処すればよいか考え、柔軟に対処できる能力を持ち合わせている人などです。
学歴や知識量だけでは判断できない
地頭の良さは、学歴や知識量だけでは判断できません。もともと頭がいい人でなくても、勉強を重ねることで高学歴や博識になれるためです。もちろん、高学歴や博識な人の中には地頭のいい人もいますが、一般的には『頭のいい人』に当てはまります。
現代、そして今後のネット社会は未知の部分が多いため、自ら課題を見つけ解決していく能力が求められています。これまでのように目の前にある問題をいかに効率よく対処するかということだけでは足りないのです。
そのため、勉強ができるだけではなく、地頭を鍛えることが重要とされています。
地頭がいい人の三つの特徴
地頭がいい人とは、どのような人なのでしょうか?主な三つの特徴を紹介します。
一を聞いて十を知る
地頭のいい人は、少ない情報でも先を見据えて何をすればよいのか察し、行動できる人が少なくありません。
例えば、プレゼン資料の作成を任されたときに、ただ言われたことをまとめるだけでなく、その先も考え想定される問題点や質問に対する解決策をあらかじめ用意しておくなどです。
また、表面的な情報に流されず、物事の本質を見抜く能力にも長けています。例えば、自社製品に不具合があったときは、マニュアル通りに対処するだけでなく、『なぜ不具合が生じたのか』『もし〇〇だったら、どうだっただろうか』と考えます。
教育や経験で得た知識を生かし、少ない情報の中で仮説を立て論理的に考えながら本質を見極めていくのです。
ハプニングに遭遇しても慌てない
職場では、想定外のハプニングが起こることも珍しくありません。地頭のいい人は、ハプニングに遭遇しても慌てずに対処できます。まず状況を冷静かつ客観的に分析し、さまざまな情報をつなぎ合わせ、取るべき行動を導き出せるのです。
独自の経験や知識に必要以上にこだわることがなく、新しいことも受け入れられる柔軟さも持ち合わせています。新しい試みは必ずしも成功するとは限りませんが、『失敗したら別の解決策を導き出す』という柔軟な姿勢で向き合えます。
状況や相手に応じた話し方ができる
地頭のいい人はコミュニケーション能力にも長けており、状況や相手に合わせた話し方ができるのも特徴です。相手の立場で物事を考えられ、臨機応変に対応していくのです。
例えば、職場の新人に指示を出すときは、専門用語を使うと理解できないことを想定し、分かりやすい言葉を選んで話すなどの気遣いを見せます。
日々のルーティン業務についても、ただ手順を覚えさせるだけでなく、自分で使いこなせるように相手にとって必要な情報を選別して与えるなど状況に応じて対応するのです。
地頭がいい人の仕事の進め方は?
職場で重宝されることが多い地頭のいい人は、どのように仕事を進めているのでしょうか?仕事の進め方を知り、自分の仕事にも取り入れてみましょう。
見通しを立てる
地頭のいい人は、『現状からすると、結論はこうではないか?』と見通しを立てて行動しています。情報やデータといった根拠から答えを模索するのではなく、先に仮の結論を想定し、仮説を決定する根拠を探す方法です。
先に見通しを立てるメリットは、答えを模索し試行錯誤する手間が省け、より早く集中して取り組める点です。
また、先に仮の結論があるため、検証する過程で結論から離れていけば間違いだということになります。間違いに早く気が付き、軌道修正ができるのもメリットです。
単純化する
知識のある分野ほど、さまざまな情報が入り乱れ、物事を複雑に捉えがちです。地頭のいい人は、まず物事の全体像を把握し、重要な情報とそうでないものを整理し単純化します。
余計な情報が省かれることで、物事の本質が見極めやすくなるのです。本質が分かれば、どのように対処したらよいのかさまざまな観点から解決策を見いだしやすくなるでしょう。
全体像を把握するメリットは、パズルをイメージすると分かりやすいかもしれません。全体像を見て、どこから手を付けていくか考えて進めた方が、行き当たりばったりよりも完成までにかかる時間を短縮できます。
ロジカルシンキングを意識する
会議で長々と話していたけれど、結局何が言いたいのか分からなかったという経験をした人もいるのではないでしょうか?これは、論理的に話ができてない人にありがちなことです。
地頭のいい人は道筋を立てて論理的に話せるため、一貫した情報や思考を明確に伝えることができます。口頭でもメールでもロジカルシンキングを意識して、無駄なく簡潔に要点を伝えられ、誤解を招くことも少なくなります。
説得力も増すため、賛同や承認を得やすいというメリットもあるでしょう。
日常生活で地頭力を鍛える方法
地頭力を鍛えるには、どうしたらよいのでしょうか?日常生活で簡単に取り入れられる方法を三つ紹介します。
自問自答する
考えることを習慣化することが重要なので、自問自答する癖をつけましょう。『なぜだろう?』と疑問を持ち、自分なりの見通しを立ててさまざまな視点から考えることで、思考力が身に付きます。
例えば、日々のニュースをただ聞き流すのではなく、『なぜ、この事故が起こったのか』『未然に防ぐには、どうしたらよかったのか』と考えてみるだけでも思考力を育てることにつながるのです。
幅広い年代・職業の人と接する
コミュニケーション能力を高めることも大切なポイントといえます。そのためには、幅広い年代や職業の人と積極的に接するのがおすすめです。
自分と異なる状況や環境の人に接することで、相手の立場で物事を捉える能力や本質を見抜く能力が鍛えられます。さまざまな意見に触れることで、柔軟に対処できる能力も磨かれるでしょう。
また、多くの人と話をすることは、道筋を立てて分かりやすく話をするトレーニングにもなります。
多様なジャンルの本を読む
好きなジャンルだけでなく、多様なジャンルの本を読みましょう。読書は見識や価値観の幅を広げてくれるため、あえて自分とは異なる見解の本を選ぶのもおすすめです。同じテーマの本を数冊読むのも、視野を広げるのに役立ちます。
また、読書は登場人物の疑似体験が可能なので、思考力を高めることにもつながります。リアルな世界では経験できないことも、読書を通して体感することで想像力を養い、思考に反映できるのです。
疑似体験でも体験として蓄積されるため、さまざまな場面で生かされるでしょう。
まとめ
地頭はもともと持っている頭の良さのことで、学歴や知識量だけで判断できるものではありません。地頭のいい人は、ハプニングに遭っても冷静に対処ができ、先を見据えて行動し、状況や相手に応じた話し方ができます。
地頭力を鍛えるには、自問自答をする癖をつけ、幅広い年代や職業の人と積極的に接するのがおすすめです。さまざまなジャンルの本を読むのも地頭力を養うことにつながるでしょう。