『知ったかぶり』とは、どのような行為を指すのでしょうか?意味と併せて、つい知ったかぶりをしてしまう心理や,その行動によるデメリットを解説します。知ったかぶりを直すのに役立つ心構えについてもお伝えします。
「知ったかぶり」の意味は?
『知ったかぶり』とは、どのような意味なのでしょうか?日常会話でも使われる言葉なので、正しい意味を把握しておきましょう。
知らないのに知っているふりをすること
『知ったかぶり』は、実際には知らない、もしくはあまり知識がないにもかかわらず、あたかもよく知っているようなふりをすることです。ネガティブなニュアンスのある言葉になります。
例えば、英会話を習い始めたばかりで英語を話せない人が、効果的な英語の勉強法を語るようなケースです。
また、1回しか食事をしたことがないのに、あたかも常連客のようにそのレストランについて語る、なども同様です。
知ったかぶりをする人の心理
どうして知ったかぶりをしてしまうのでしょうか?知ったかぶりをしてしまう人の隠された心理を解説します。
「知らない」のは恥ずかしい
『知らない』ということに、過度に恥ずかしさを抱いていることが関係しています。誰にでも知らないことがあるものですし、恥じる必要もありません。
しかし、知ったかぶりをしてしまう人は、『無知なことは教養がないこと』のように、必要以上にネガティブに捉えているようです。知らないことで、周囲から『無知な人』『教養がない人』と思われたくないのでしょう。
偽ってまで知らないことを隠そうとする心理の方が、よっぽど恥ずかしいということに気付いていないのかもしれません。
バカにされたくない
プライドが高く、周囲の人から『バカにされたくない』という心理が影響していることもあります。会話についていけないことで、「そんなことも知らないの?」とバカにされることを恐れているようです。
また、『負けたくない』という心理も働いています。負けず嫌いな性分なので、知っている・知らないを勝ち負けで考えてしまう傾向があるでしょう。うそをついてまで相手と対等、もしくは優位な立場に立とうしてしまうのです。
知ったかぶりをやめた方がいい理由
知ったかぶりには、どのようなデメリットがあるのでしょうか?やめた方がいい理由を解説します。
信用されなくなる
仕事でもプライベートでも、周囲の人から信用されなくなるのが大きなデメリットです。
知らないのに知っていると言うのは、つまり『うそをついている』ということになります。うそをつく人を信用できないと思うのは、ごく一般的な感情です。
特に職場では信頼関係が重要です。上司や取引先の人などから信頼されることで、仕事を任されるようになることも多いでしょう。しかし、信用できない人とは信頼関係も築けませんし、安心して仕事を任せられません。
一度信用を失ってしまうと、関係を修復するのが困難なことも珍しくないため、注意が必要です。
知識を得る機会を失う
知ったかぶりをすることは、新しい知識を得る機会を失うことにもなります。知らないことを学べる機会を、みすみす逃していることになるのです。つまり、自分自身で成長を妨げているといえるでしょう。
また、職場では知らないまま放置していると、後で聞けなくなって困ることもあります。例えば、上司に議事録の作成を頼まれ、つい作成方法を知っているふりをしてしまった場合、後で困るのは自分です。
知ったかぶりを直すための心構え
知ったかぶりを直すには、意識を変えることが大切です。どのような心構えが必要なのでしょうか?
誰にでも知らないことはある
まずは、『誰にでも知らないことはある』と受け止めましょう。どんなに優秀な人でも知らないことがあるのが現実ですし、恥ずかしいことでもありません。『知らない=教養がない』という意識を捨てることが大切です。
また、『負けたくない』『バカにされたくない』と、他人にどう思われるかという基準で考えたり、比較したりするのもよくありません。自分は自分、人は人というように割り切って考えることで、見えを張ることもなくなるでしょう。
教えを請うことができる人は成長できる
知らないことがあるからこそ、人は学び成長できるのです。知らないことを知らないと素直に言え、周囲に教えを請うことができる人は、それだけ成長できるというわけです。
特に職場では、素直に教えを請うことができる人は信頼されますし、学ぶ姿勢やきちんと向き合う姿勢が高く評価されることもあります。
また、相手が知らないことを、自分が知っているケースもあるでしょう。教え合うことで仲間意識や信頼関係も生まれ、よい人間関係も築きやすくなるのもメリットです。
まとめ
知ったかぶりには、『無知なことが恥ずかしい』『バカにされたくない』という心理が隠れています。
信用を失ったり、知識を得る機会を失ったりするデメリットがあるため、知らないことを知らないと素直に言えるようになることが大切です。
意識を変えるのは簡単なことではないでしょう。しかし、誰にでも知らないことはあるものだと受け止め、素直に周囲の人に教えてもらうことで、さらに成長できるかもしれません。