ありがた迷惑な行為をしてくる人に困っているなら、おせっかいな人の心理を知ることで解決策が見えるかもしれません。 心地よい人間関係を築くための参考に、よくあるおせっかいな行動から、角が立たない上手なかわし方までをまとめてご紹介します。
おせっかいとは?
『おせっかい』とは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか?まずは、言葉の意味から見ていきましょう。
する方は「親切」でもされる方は「迷惑」
おせっかいとは、自分では『親切』な気持ちからしていることが、相手にとっては『迷惑』になってしまう行為のことです。
ネガティブな意味で使われることが多いのですが、損得抜きに相手のためを思ってする行動なので、そこには優しさも感じられるかもしれません。
しかしながら、親切とは受ける側が『ありがたい』『助かった』と感じてくれることで成り立つものです。たとえ相手のためを思っての行動でも、相手が求めていることではなかったり、迷惑だったりすれば、それは親切とはいえません。
似た意味の言葉には、『余計なお世話』『ありがた迷惑』『押し付けがましい』などがあります。
おせっかいな人の困った行動
日常生活で、おせっかいな人に悩まされている人は少なくありません。よくある困った行動を紹介します。
自分の価値観を押し付けてくる
人それぞれ考え方や捉え方は違うものですが、おせっかいな人には自分の価値観を押し付けてくる人が多いといえるでしょう。
おせっかいな人は、相手の価値観を無視して『その考え方はおかしい』『絶対にこうした方がいい』と偏った価値観を押し付けてきます。自分に自信がある人やプライドが高い人に多く、過度に自分の価値観をアピールしてしまうのです。
また、『困っている人を助けたい』という優しさから余計なお世話を焼いてしまう人だけでなく、打算的な考えの人もいるので要注意です。
そういった人は、『感謝されたい』『自分の評価を上げたい』『恩を売っておきたい』といった気持ちが根底にあるのではないでしょうか。
どこにでも首を突っ込もうとする
求められてもいないのに、どこにでも首を突っ込もうとするのも、おせっかいな人の典型的な行動パターンです。全く関係のないことでも干渉してきて口出しをする人は、常に首を突っ込めることを探しています。
例えば、友人に恋愛相談をしていると、悩んでいる様子を敏感に察して、聞いてもいないのにアドバイスしてくることもあるでしょう。
恋人に会ったこともないのに、『こうした方がいい』『相手はこう思っているに違いない』と意見してきます。
自分の経験を基にしたアドバイスだとしても、聞かされる方は『私たち2人のことを何も知らないのに、首を突っ込まないでほしい』と思ってしまうでしょう。
「拒否」を「遠慮」だと思い込む
独りよがりな行動をしてしまう人は、人の立場に立って相手の気持ちを察するのが苦手な人が多いものです。相手がどう感じているのか、何を求めているのか読み取れず、本音を見抜けないのです。
そのため、角が立たないようにやんわりと拒否しているのに、遠慮だと勘違いしてしまうことも少なくありません。
例えば、「もう解決したので、大丈夫です」と伝えても、「本当はまだ悩んでいるでしょう?遠慮しないで話して」などと、しつこく言ってくることもあるでしょう。
おせっかいを焼く心理は?
おせっかいな人は、どうしておせっかいを焼いてしまうのでしょうか?隠された心理を解説します。
周囲に評価されたい
おせっかいを焼く人には、周囲に評価されたいという気持ちが隠れていることが珍しくありません。
誰にでも『周囲から認められたい』『感謝されたい』という気持ちがあるものですが、おせっかいな人は承認欲求が他人よりも強いといえます。
例えば、『悩んでいる人にアドバイスをして悩みの解決ができれば、すごい人だと思ってもらえる』『人助けをして人間性が高いと思われたい』といった気持ちが、余計なお世話につながってしまうのです。
「ありがとう」と言われることで、承認欲求を満たしている人もいるでしょう。
知らないことがあるのが嫌
知らないことがあるのが嫌だという心理が、何にでも首を突っ込んでしまう理由の場合もあります。自覚している・していないにかかわらず、他人に対する好奇心が人一倍旺盛なのです。
また、普段からおせっかいできることを探しているので、周囲の人のささいな変化に気付きやすい傾向もあります。
例えば、同僚2人が話していると『何かあったに違いない』と思い、「どうしたの?何かあった?」とすかさず声をかけ、根掘り葉掘り聞き出そうとします。
人の気持ちが分からず空気を読むのが苦手なことも、余計な干渉をしてしまう理由の一つでしょう。
他人を思い通りに動かしたい
他人を自分の思い通りに動かしたいという、身勝手な心理が影響していることもあります。『人助けをしたい』『役に立ちたい』という気持ちよりも、相手をコントロールしたいという『支配欲』や『独占欲』が強いのです。
そういった人は、一見、親身に悩みを聞いてくれているように思えても、実は悩みを解決するためでなく、自分のアドバイス通りに相手を動かすことが目的なのです。
ありがた迷惑が度を越してしまうと、ハラスメントに該当するケースもあるでしょう。
おせっかいを上手にかわすには
職場などでは、おせっかいをきっぱりと拒否することが難しいこともあります。そこで、うまくかわす方法を三つ紹介します。相手や状況に合わせて使い分けましょう。
理解を示して受け流す
相手の気持ちに理解を示しつつ、軽く受け流すと角が立ちにくくなります。
「手伝っていただきありがとうございました。次回からは〇〇さんに教わった通りに自分でやってみますね」のように言えば、感謝の気持ちを表すと同時にやんわりと断ることができるでしょう。
大げさに喜ぶなど過度に反応すると、相手の世話をしたい気持ちを刺激してしまうので要注意です。あまり反応を示さず、軽く流すようにしましょう。
相手も自分の好意が軽くあしらわれていると思えば、やりがいを感じなくなり、それ以上関わってこなくなるかもしれません。
プライベートを明かさない
誰でも世間話をするものですが、おせっかいな人にはなるべくプライベートなことを明かさず、差し障りのない内容に留めるのがよいでしょう。
おせっかいな人には他人のプライベートなことに興味津々な人が多いものです。そのため与える情報が多ければ多いほど、おせっかいの対象になってしまう可能性が高まるためです。
思うように情報が引き出せないと分かれば『面白くない』と思われ、対象外にされることもあるでしょう。
また、おせっかいな人は口が軽い人も多いため、自分のことのみならず他人のうわさ話などもしない方が得策です。自分の知らない間にうわさ話が広まり、うわさを広めた張本人と勘違いされ、悪者扱いされる可能性もあるかもしれません。
相手が納得しやすい言葉で断る
断り方によっては相手を傷つけたり、不機嫌にさせてしまったりすることもあります。今後も付き合いが続く相手であれば、なおさら言葉選びに気を付ける必要があるでしょう。
大切なポイントは、相手を不愉快にさせることなく、納得しやすい言葉で断ることです。例えば、「お気遣いありがとうございます。今回は1人でチャレンジしてみたいので、もし分からないことがあったら教えてください」などです。
全否定ではなく、相手を尊重する断り方になるため、相手も納得しやすいでしょう。
まとめ
おせっかいな人は、詮索好きな人や承認欲求・支配欲が強い人が多いものです。そのため、自分の価値観を押し付けてきたり、何にでも首を突っ込んできたりするのです。
今後も付き合いが続く相手の場合はきっぱりと断るのが難しいため、極力プライベートを明かさない、相手の気持ちを傷つけないように納得しやすい言葉で断るなど、うまくかわすようにしましょう。