音読みは主に仏教用語に使う
音読みで『か』『が』『きゃ』は、どのような言葉に使われているでしょうか?具体的な例を三つ紹介します。
香り高い木の「伽羅」
香りの高い木として知られているのが『伽羅(きゃら)』で、お香に使われる『沈香(じんこう)』のことです。植物から出る樹液が時間をかけて樹脂に変質し、特有の香りを出すようになったものが、『沈香』です。
ベトナムのごく一部で採れる希少価値の高いものが『伽羅』と呼ばれており、最上級の香りとされています。沈香にあるとされる五味『甘・酸・辛・苦・鹹(しおからい)』を兼ね備えた深みのある香りと言われています。
寺院の建造物、修行をする場所「伽藍」
『伽藍』は『がらん』と読み、もともとは僧侶が集まって修行をする閑寂な場所のことでした。のちに『寺院の建造物』を意味する言葉になりました。
寺院の主要な建造物は『七堂伽藍(しちどうがらん)』と呼ばれています。宗派により異なりますが、禅宗では仏殿(ぶつでん)・法堂(はっとう)・三門(さんもん)・庫院(くいん)・僧堂(そうどう)・浴室・東司(とうす)を指します。
お釈迦様の総称「薄伽梵」
お釈迦様の総称が『薄伽梵』で、『ばかぼん』と読みます。赤塚不二夫氏の漫画である『天才バカボン』が思い浮かんだ人もいるのではないでしょうか?テレビアニメ化もされた人気作です。
『バカボン』は、『薄伽梵』をイメージして付けられたという説があります。バカボンのパパは、生まれてすぐに歩き出し「天上天下唯我独尊」と言ったという点も、お釈迦様が誕生したときのエピソードを模していると言えます。
口癖の『これでいいのだ』も『ありのままを受け入れる』という意味で、悟りの境地と言われています。
まとめ
『伽』は音読みで『か』『が』『きゃ』と読み、訓読みでは『とぎ』と読みます。『梵語』として生まれまた漢字で、『退屈の相手をすること』『看病』『世話』という意味です。
あまりなじみのない表記ですが、『御伽話』や『夜伽』などの言葉にも使われています。