日常であまり使わない漢字『伽』は、どのような意味があるのでしょうか?意味と合わせて、音読み・訓読みの正しい読み方についても紹介します。具体例とともに、それぞれの使い方についても触れるので、知識を深めましょう。
「伽」の意味と読み方
『伽』には、どのような意味があるのか見ていきましょう。読み方についても紹介します。
意味は退屈の相手をすること
『伽』は、部首の『にんべん』と『加』が組み合わさった漢字で、『退屈の相手をすること』や『看病をすること』という意味です。
もともとは古代インドのサンスクリット語である『梵語(ぼんご)』の音訳に用いられる漢字で、『看病』や『世話』という意味があります。
『にんべん』は『人』や『人の行為』に関連する事柄に用いられ、『加』は『力強さ』と『祈りの言葉を口にすること』を表します。人に力や言葉を加えるという意味合いから、『退屈の相手をすること』や『看病・世話をすること』という意味になりました。
読み方は「か」「とぎ」など
『伽』は、音読みで『か』『が』『きゃ』と読み、訓読みでは『とぎ』と読みます。漢字は中国から伝わったもので、中国の発音をそのまま用いた読み方が『音読み』です。『訓読み』は、意味を日本語に置き換えたときの読み方です。
『伽』は『人名用漢字』のため、名付けに使えます。例えば、『伽衣(かい)』『大伽(たいが)』『愛伽(あいか)』『凜伽(りんか)』などがあります。『か』が付く女の子の名前が多いので、どちらかと言うと女の子の名付けに使いやすいでしょう。
訓読み「とぎ」の使い方
訓読みでは、『とぎ』と読みます。どのような言葉に使われているのでしょうか?
子どもに話す「御伽話」
『おとぎばなし』を漢字で書くと、『御伽話』になります。子ども向けに作られた物語で、昔から語り継がれてきた『童話』や『昔話』のことです。
『御伽話』は、空想的・寓話的な物語が多いのが特徴です。具体的には、『桃太郎』『浦島太郎』『かちかち山』『花咲じいさん』『かぐや姫』『かさじぞう』『舌切りすずめ』『一寸法師』などがあります。
子どもの頃に、読んでもらった記憶がある人もいるのではないでしょうか?
また、『御伽話』は、『空想的な現実離れした話』という意味でも使われます。「そんな御伽話みたいなことを言っていないで、もっと現実を見た方がいいと思う」のように使うことが可能です。
看病や夜の相手をする「夜伽」
日ごろ使う言葉ではないので、知らなかった人もいるかもしれませんが、『夜伽』という言葉もあります。『よとぎ』と読み、三つの異なる意味がありますが、いずれも『一晩中付き添うこと』を意味します。
一つ目の意味は『看病すること』、二つ目は『夜の相手をすること』、三つ目は『故人を見守ること』です。
故人を見守る『夜伽』は、古くは 親が亡くなった際は子どもが、夫が亡くなった際は妻など故人と最も親しかった人が同じ布団で寝るという習わしのことです。