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「頂く」の意味や成り立ちって?「いただく」や「頂戴」との違いも紹介

2021.06.22

『頂く』は、『いただく』や『戴く』と書かれることもありますが、どのような違いがあるのでしょうか?また、同じような意味を持つ言葉を状況に合わせて使い分けられるように、合わせてご紹介します。

「頂く」の意味と漢字の成り立ち

(出典) pexels.com

『頂く』には、どのような意味があるのでしょうか?漢字の成り立ちについても解説します。

人から何かをもらう、してもらうこと

『頂く』は『もらう』の謙譲語で、『人から何かをもらうこと』や『してもらうこと』という意味です。『食べる』や『飲む』の謙譲語としても使われています。

『お土産を頂く』『有名なスイーツを頂きました』など、ビジネスシーンだけでなく、日常生活でも使用する言葉です。

「頂」は頭の上を表す漢字

『頂』は、部首の『頁(おおがい)』と音符の『丁』が組み合わさった漢字です。『頭の上』という意味で、そこから『頭』も意味する言葉になりました。

『頂く』には、『敬意を表して高くささげる』や『頭上に押し頂く』という意味もあります。身分の高い人や神仏へお供え物をするときに、敬意を示すために頭上に高くささげるような動作をしたことから、『頂く』が使われるようになったと考えられています。

食事の前に『いただきます』と言うのは、この敬意を表す動作から用いられるようになったそうです。

「頂く」の使い方

(出典) pexels.com

では、『頂く』はどのように使われているのでしょうか?例文とともにご紹介します。。

「料理を頂く」「押し頂く」のように使う

『食べる・飲む』の謙譲語であるため、料理など飲食関連に使われることが多いです。例えば、以下のように使います。

・地元の新鮮な野菜をふんだんに使ったおいしい料理を頂いた
・取引先の人から郷土土産を頂きました

飲食関連だけでなく、人から何かをしてもらったときにも使います。

・定年退職した上司から手紙を頂き、懐かしい気持ちになった
・先輩から貴重なアドバイスを頂いた

また、日常生活ではほとんど使わない言葉ですが、『物を顔の前面の上方にささげ持つ』という意味の『押し頂く』という言葉もあります。敬意を表す動作で、以下のような場面で使います。

・賞状は押し頂くのがマナーだ
・焼香の際は、押し頂くようにお願いいたします

「頂いてください」は誤用

一見正しいように思えますが、『もらってください』の敬語表現として『頂いてください』と言うのは誤りです。『頂く』は敬語であっても、『謙譲語』であるためです。

謙譲語は、自分がへりくだることで相手に敬意を示す表現になります。つまり、動作の主体が自分のときに使う表現です。

目上の人に「冷めないうちに、どうぞ頂いてください」と言ってしまうと、失礼に当たるので注意しましょう。『食べる』の尊敬語である『召し上がる』を使い、『召し上がってください』とするのが良いでしょう。

参考:敬語の指針 P.17、40|文化庁

「いただく」や「戴く」との違い

(出典) pexels.com

『いただく』や『戴く』という表記を目にしたことがある人もいるのではないでしょうか?どのようなときに使うのか解説します。

補助動詞で使う場合は仮名の「いただく」

『補助動詞』として使う場合は、仮名の『いただく』を使います。主に『話し手や動作を受ける側にとって、恩恵になる行為を他者から受ける』という意味のときです。

・せっかくお電話いただいたのですが、社長は出張中です
・一言相談していただけていたら、力になれることもありましたのに

『自分がある動作をすることを他者に許してもらう』という意味でも使います。

・後ほどご連絡を取らせていただきます
・企画書を読ませていただきました

「戴く」は日常では使われていない

『戴く』は常用外漢字であるため、日常では使われていません。意味は『頂く』とほとんど同じですが、使い分けられています。

『戴』のもともとの意味は、『頭にものをのせる』『尊いものとしてあがめる』です。そのため、王冠を頭にのせるという意味の『戴冠(たいかん)』や謹んで頂くという意味の『奉戴(ほうたい)』という言葉に使われています。

格式高いイメージがあるため、目上の人から品物などをもらう際に、敬意を強調する意味であえて『戴く』を使うこともあります。ただし、常用外漢字であるため、使用は個人的な手紙やメールに留めましょう。

「もらう」意味を持つ言葉

(出典) pexels.com

『もらう』という意味を持つ漢字は、他にどのようなものがあるのでしょうか?言い換えにも使えるので、覚えておくと表現の幅が広がるでしょう。

「頂戴する」

ビジネスシーンでも使われることが多いのが、『頂戴する』です。ものをもらったり、飲食したりするという意味で、『もらう』の謙譲語になるため、目上の人に対して使えます。

ビジネスシーンでは、『時間を作ってもらう』という意味でも使われる表現です。

・この度はギフトを頂戴しまして、誠にありがとうございます
・明日、お時間を頂戴してもよろしいでしょうか

「賜る」

謙譲語である『賜る』は、ビジネスやフォーマルなシーンで使われことが多い言葉です。『頂く』よりも丁寧で格式張った表現になります。

・旧年中は格別のお引き立てを賜り心より御礼申し上げます
・会員の皆さまから貴重なご意見を賜りました

まとめ

『頂く』は『もらう』の謙譲語です。『戴く』は常用外漢字のため日常ではほとんど使われず、補助動詞として使う場合は『いただく』と仮名になることを覚えておきましょう。

『頂戴する』や『賜る』と言い換えられるので、状況に合わせて使い分けましょう。

 

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