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「感謝」の気持ちを丁寧に伝える敬語とは?

2021.07.11

多くの人との関わりの中で生活していると、人に感謝する機会が数多くあります。お礼の気持ちを伝える際には、『ありがとう』以外にも状況に応じた表現を使えると便利です。謝意を表す言い回しについて学び、多彩な表現を身に付けましょう。

最上級のお礼の伝え方

毎日の暮らしの中で、人にお礼を言う場面は多いものです。落としたペンを拾ってもらったようなときから、仕事上の大きなトラブルで救われたときなど、事の大小もさまざまでしょう。

ときには、『ありがとう』の言葉では伝えきれない感謝を抱くこともあります。心からの謝意を表す表現について考えてみましょう。

「ありがとうございます」を超える言葉で

『~いただき、ありがとうございます』は、多くの場面で使用できる表現です。相手の行為に触れながら、感謝の念を伝えます。

『ありがとう』は、めったにない・起こりにくいという意味で、『ございます』は、補助動詞『ある』の丁寧語です。つまり『めったに受けられない良いことがあった』という思いを表している言葉になります。

しかし、丁寧な言い回しであっても敬意が十分とはいえないため、言葉を加えるのがよいでしょう。そこでおすすめなのが、 『~いただき、ありがとうございます』という表現です。

『いただく』は『もらう』の謙譲語です。へりくだりながらお礼を述べることで、相手を高めることにつながります。

どれほどありがたかったかを伝える

さらりと謝意を述べるのではなく、どれほど感謝しているかをきちんと伝えることも大切です。お礼を言っているのに、儀礼的な文章だと感じられてしまっては、意味がありません。

思いを込めるには、どのような配慮や行為への謝辞なのかを、具体的に記す方法が有効です。相手も「あのときのことを感謝してくれているのか」とよく理解でき、好意的に受け止めてくれるでしょう。

・お忙しい中お出でいただき、ありがとうございます。
・先日の会議では心強いサポートをいただき、ありがとうございました。
・過日のご配慮が身に浸みました。お気遣いいただき、ありがとうございました。

ビジネスでよく使われる感謝の言葉

『ありがとうございます』という言葉を使わずに、謝意を表現する方法もあります。感謝の念をきちんと伝えられる、『ありがとう』の言い換えについてみていきましょう。

「御礼申し上げます」

『御礼(おんれい)』は『お礼』を丁寧に表現した言葉で、『申し上げる』は『言う』の謙譲語です。そして、丁寧語の『ます』で締めくくっています。

『心から御礼申し上げます』とすることで尊敬の念を込め、少しかしこまった言い回しで深い感謝の気持ちを表します。心から湧き出る謝意を、しっかりと伝えられる言い方です。

・ありがたいお申し出に対し、心から御礼申し上げます。
・親切なお言葉がとても励みになりました。心から御礼申し上げます。

「感謝申し上げます」

『感謝』は、ありがたい思いを感じている様子を示す言葉です。この気持ちを謙譲語の『申し上げる』でへりくだった表現とし、丁寧語の『ます』に続けます。そうすることで、『ありがたい気持ちをお伝えします』という意味になります。

『感謝します』では、立場の違いを示す表現が盛り込まれていません。そこで、謙譲語を含めることにより、自分より相手が上であることを示しつつ謝意を伝えています。

・弊社の新社屋開設にあたりまして結構なお品を頂戴し、心より感謝申し上げます。
・私どもの結婚披露宴でのスピーチをお引き受けくださり、深く感謝申し上げます。

かしこまったビジネス文書やメールで使おう

相手によっては、恭(うやうや)しい表現を使用することが望ましい場合もあります。フォーマルな文章でも活用できる言葉について解説しましょう。

「痛み入ります」

『痛み入る』は、相手の配慮に対して、心が痛むほど感じ入っている様子を表しています。相手の言動に対して、恐縮する気持ち・もったいないという思いが込められているため、この言葉だけでも敬意を示すことができます。

この『痛み入ります』という表現は、日本語特有の繊細な表現です。

この言葉を向けらえた側は、込められた深い感謝の気持ちを受け取り、文章に品位を見出してくれることでしょう。

・異動の際に頂戴しましたお言葉、誠に痛み入ります。
・本日の品評会で頂いた貴重なご意見の数々、痛み入ります。

「感謝の念に堪えません」

『堪える』は、辛抱する・我慢することを指しています。それが『堪えない』となると、抑えきれない・我慢できないという意味になります。

つまり、『抑えきれず、溢れてしまうほどの感謝をしています』と伝える言い回しです。目上の人や顧客に謝意を表す際に適している言葉です。

この表現を使う際は、同音異義語の『絶える』『耐える』と混同しないように注意しましょう。

・本部所に配属されてからというもの、部長からは多岐にわたるご指導を頂き、感謝の念に堪えません。
・このたびの契約成立にあたりまして、A様より力強いご協力を賜り、感謝の念に堪えません。

「拝謝します」

『拝』は、上位の者から何かを授けられるという意味と合わせて、頭を垂れて拝むことを意味する文字です。このことから、ありがたい気持ちを敬虔(けいけん)な気持ちで受け止めています、という気持ちを示しています。

『拝』には既に相手への敬意が含まれているため、大切な相手にも『拝謝します』と使えます。あまり多用される言葉ではありませんが、深い敬意が感じられるため、身に付けておくとよいでしょう。

・平素は変わらずご愛顧くださり、拝謝します。
・今回の弊社からの提案をご快諾賜り、拝謝します。

まとめ

日々の生活では、周囲とのスムーズなコミュニケーションがとても大切です。感謝の気持ちを分かりやすく伝えることは、人間関係にも大きく影響します。

多彩な表現で謝意を伝えられると、受け止める側の解釈も好意的になり、良好な関係を維持しやすくなります。丁寧で品のある表現で、感謝の気持ちを表しましょう。

 

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