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手紙やメールで「謝る」ときの敬語とは?善後策の提示も大切

2021.06.24

仕事をしている以上、ミスはどうしても起こりうるものです。その際は、迷惑をかけた相手に対して、どのように謝るかというのがとても重要になります。謝罪の仕方によっては、かえって相手の心証を悪くする場合もあります。さまざまな表現を身に付けるとともに、善後策の提示の大切さも知っておきましょう。

謝罪の手紙やメール作成のポイント

仕事上、自分の業務であってもなくても、ミスやトラブルは発生しうるもの。周囲に迷惑を掛けてしまったときは、しっかりと謝罪しなければなりません。ただし謝り方を間違えると 、相手は余計に気分を害してしまうこともあります。

スムーズに問題を収束させるためにも、手紙やメールで謝罪の意を伝えるときのポイントについて把握しておきましょう。

まず非を認めて謝罪し、善後策を講じる

ビジネスシーンにおける謝罪には、公式と呼べる組み立てがあります。それは『責任を認める』+『適切な謝罪の言葉』+『善後策の提示』です。

まず責任を受容することが重要です。間違いの経緯などを先に述べたい気持ちが湧きますが、言い訳がましく思われて心証を悪くする恐れがあります。

次に、自分の落ち度からミスが発生したこと・損害をもたらしてしまったことに対して、素直な気持ちで謝罪の言葉をつづります。その後に、ミスや間違いが生じた原因や理由を続けましょう。

そのうえで、どのような策を講じれば同じ過ちが起こらないかを提示し、その実践に取り組むことを伝えましょう。

謝罪の言葉を使い誠意を示す

心得ておくべきなのは『明確な言葉で簡潔に謝れば分かってもらえる』と考えることは危険です。

手紙やメールは対面ではないため、『真剣な表情で深く頭を下げる』などの態度で誠意を示すことができません。テキストしかないだけに、表現や言葉を使い分けながら文を綴る必要があります。

・このたびは私どものミスでご迷惑をお掛けしてしまい、誠に申し訳ありませんでした。責任を痛感し、深くお詫びいたします。

上の例文では、謝罪の言葉を繰り返しています。くどいと思う人もいるかもしれませんが、迷惑を被(こうむ)った側の気持ちに立てば、これくらい丁寧に謝るべきでしょう。大前提として、きちんと許しを請う気持ちを持つことが大切です。

謝罪文で使われる前置きの言葉

前置きの言葉を適切に使って、『事の重大さを認識して謝罪している』という気持ちを伝えることも大事です。

例として『ご迷惑』を使った謝罪文を見てみましょう。

・このたびは、多大なるご迷惑をお掛けしまして~
・貴社の発送業務に関してご迷惑をお掛けし~
・当方の至らなさによりご迷惑が生じたことを~

迷惑の内容を記載したり、誰の行為がミスにつながったのかを示したりすることで、経緯を明確にしながら謝罪する文章にできます。

ビジネスで使える謝罪の言葉

謝罪の気持ちを伝える言い回しは、一つに限りません。いくつものフレーズの中からより適切なものを選ぶ必要があります。状況に合った言い回しをするためにも、多くの謝罪の表現を身に付けておきましょう。

「誠に申し訳ございません」

つい口から出てしまうという人もいるくらい、使用する機会の多い言葉といえます。

『申し訳』は『弁解・言い訳』の意味です。『弁解などあるはずもない』、つまり『全て自分が悪い』と伝えています。

『申し訳ない』を形容詞として捉えている場合には、『申し訳ございません』は誤用だとする考え方もあるようです。しかし、『申し訳』を名詞として捉えれば、『ある』の丁寧語『ござる』を続けることは誤用とは言い切れません。

・甚大な被害をもたらしてしまい、誠に申し訳ございません。

「心より陳謝いたします」

『陳』には『申し述べる』という意味があります。『言う』の謙譲語『申す』を含んでいることから、相手に対してへりくだる意味が込められています。

『陳謝(ちんしゃ)』は自分を下げることで相手を立て、謝罪する様子を指す言葉です。真摯(しんし)に謝罪した上で、ミスの経緯や改善案を順序立てて述べる際に使います。

・過日の誤配送に関しましては、検品部門で宛名ラベルの出力ミスが発生したことによるものです。今後は二重チェック体制をとることをお約束しつつ、陳謝いたします。

「謹んでお詫び申し上げます」

『謹んで』は『うやうやしくかしこまる』様子を表す言葉です。相手が自分より上位だと認めている表現です。

『お詫び申し上げます』は、謝罪の『詫び』に接頭語『お』と最後の『ます』で丁寧な表現にし、さらに『言う』の謙譲語である『申し上げる』で自分を下げています。

『謹んでお詫び申し上げます』は、相手を立てた敬語として多くの機会で使われるフレーズです。

・弊社社員の振る舞いによってご不快な思いをさせてしまったことを、謹んでお詫び申し上げます。

「お詫びの言葉もございません」

『あまりにも大きな被害をもたらしてしまい、どう表現したらよいか分からない』という気持ちを示している表現です。

『言葉を超えてしまうほど』という点で、最上級の謝罪の意が込められています。ただし、頻繁に使用すると言葉に重みがなくなり、慇懃無礼(いんぎんぶれい)に捉えられることもあるので注意が必要です。

・私のミスにより貴社に多大なる損害を与えてしまい、お詫びの言葉もございません。

「反省している」を伝えるフレーズ

謝ると同時に、ミスや間違いを繰り返さないよう行動や手法を見つめ直すことも大切です。それを相手に伝えることで、リカバリーへの気持ちも伝わります。

反省の気持ちを表現するための言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?適切な言い回しを紹介します。

「猛省しております」

『猛(もう)』は、『激しい・荒々しい』といった様子を示す言葉です。それを『大きい・とても』と捉えた『猛省』は、深く自分の至らなさを省みている状態を指しています。

ただし、目上の人に対して『猛省しています』とするのはおすすめできません。『います』という丁寧語で締めくくってはいますが、目上の人には尊敬語や謙譲語もあわせて使うのが適切です。

『猛省しております』の場合、『いる』の謙譲語である『おる』に丁寧語の『ます』と続けているため、へりくだった使い方になっています。

・今回の誤発注の件について猛省しております。

「慙愧に堪えません」

『慙愧(ざんき)』は、『自分の過ちを恥じること』という意味です。年輩の人の中には『ざんぎ』と発音することも見られますが、現在では『ざんき』で統一されています。

この熟語はどちらの字も恥を示しており、『慙』は自分に対して、『愧』は他者に対して使用する点で違いがあるという解釈もあります。自分自身でも恥ずかしく思い、他人に対してもみっともない、という気持ちを表現しています。

『堪(た)える』は『我慢する・辛抱する』の意であることから、『慙愧に堪えません』は、あまりの恥ずかしさにどうしようもない、という心情を表しているのです。

・弊社社員が重大な事態を引き起こしてしまい、慙愧に堪えません。

今後の対策はどのように伝える?

リスクマネジメントにおいては、ミスや間違いの原因と発生した損失を具体化し、改善策を示すことが不可欠です。

ミスが起こる可能性をゼロにはできないにせよ、再発のリスクを抑える取り組みは示さなければなりません。

今後の対応について伝える際の表現を解説しましょう。

「~に取り組んでまいります」

『取り組む』は物事と真正面に向き合い、課題や問題を解消しながら結果を求めていくことです。

『〜に取り組んでまいります』は、そこに『向かう・行く』の謙譲語である『参る』を補助動詞として使用し、丁寧語の『ます』を付けることで、敬意を示しながら改善策を実践する気持ちを伝えています。

『参る』を補助動詞として使うときはひらがなで表記します。

・同じミスを繰り返さないよう、再発防止に取り組んでまいります。

「~に努めてまいります」

『努める』は、尽力する・頑張る姿勢を表しています。その後に接続助詞の『て』、謙譲語の『参る』を補助動詞として使い、丁寧語の『ます』と続けています。

そうすることで、物事に真剣になって力の限り頑張っていきますという決意を表現しているのです。

・貴社に貢献できる仕組みの構築に努めてまいります。
・ご期待に応えられるよう努めてまいりますので、ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。

まとめ

ミスがトラブルを引き起こし、迷惑や損害を与えてしまった場合には、まず真摯に謝罪しなければなりません。はじめの対応を間違えてしまうと、相手の怒りは膨らみ、トラブルがより大きくなる可能性があります。

丁寧かつ適切に謝る方法を身に付けておくことは、ビジネスパーソンとして欠かせません。正しい表現を知り、対応に役立てましょう。

 

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