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「お願い」を伝える際の敬語表現とは?クッション言葉も添えて

2021.07.05

上司や取引先にお願いをする場合、どのような敬語表現が適切なのでしょうか?ストレートに本題を伝えるよりも、クッション言葉を添えた方が印象がよくなる場合もあります。お願いや依頼で使える表現を学びましょう。

「お願い」でよく使われる敬語

相手に何かをお願いするときは、立場に関係なく敬語を使うのがマナーです。特に、ビジネスや仕事の場面において表現がふさわしくないと、相手の気分を害してしまう可能性もあります。

丁寧語の「お願いします」

敬語には主に、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類があります。

『お願いします』は、丁寧表現を使って相手に敬意を示す丁寧語にあたります。尊敬語や謙譲語のように相手の立場を高めたり、自分を低めたりする働きはありません。

この表現が使えるのは、直属の上司や同僚などのごく身近な人に対してです。人によっては命令されているように感じるため、取引先や目上の人には使わないのがベターでしょう。

・鈴木さん、コピーを一部お願いします。
・14時までに、返信くださいますようお願いします。

質問形の「お願いできますか」

『お願いします』は、こちらから一方的にお願いしている印象がありますが、『お願いできますか』と質問形にすると相手の都合や意向を確認する形になり、丁寧さが増します。

ビジネスシーンでは『お願いできますでしょうか』が使われることもあります。違和感のないように思われる表現ですが、実は二重敬語と呼ばれる表現ということをご存じでしょうか?

二重敬語とは、一つの語について同じ種類の敬語を二つ以上組み合わせた敬語のことです。『お願いできますでしょうか』の場合、『お願いする』に丁寧語の『ます』と『でしょうか』が同時に使われています。

『おっしゃっられる』や『お見えになる』のように既に定着している二重敬語もあり、必ずしもNGとはいえませんが、誤った表現であることを認識しておきましょう。

参考:敬語の指針 P.30|文化庁

謙譲語を使った「お願い」の言い方

自分の立場を低める敬語表現を謙譲語といいます。クライアントや目上の人に対しては、『致す』や『申す』などを用い敬意を示しましょう。

「致し」は平仮名で「お願いいたします」

『お願いいたします』は、『する』の謙譲語『致す』に、丁寧語の『ます』が付いた表現です。謙譲語によって自分の動作・行為を低めるため、目上の人にも問題なく使えます。

『致す』は漢字ではなく平仮名で表記しましょう。『致す』には良くない結果を及ぼすという意味があるため、依頼やお願いのシーンではふさわしくないと考えられています。

また、『お願いいたします』の『致す』は補助動詞です。動詞に後続して文法的機能を果たすのが役割で、動詞として本来の意味はありません。

動詞としての『致す』は漢字、補助動詞としての『致す』は平仮名と覚えておきましょう。

「お願いしたく存じます」で下手に出る

『お願いしたく存じます』は、思う・知るの謙譲語『存じる』に、丁寧語の『ます』を組み合わせた言葉です。

『お願いいたします』は、相手にストレートに依頼をする表現ですが、『お願いしたく存じます』は『~したいと思っています』と自分の気持ちを伝える点に重きが置かれています。

相手に押しつけがましい印象を与えたくないときに使うとよいでしょう。硬い表現なので、身近な相手に対して用いると距離を感じる場合があります。

・貴社にはご不便をお掛けしますが、ご理解を賜りますようお願いしたく存じます。
・弊社都合で誠に恐縮ですが、ご了承くださいますようお願いしたく存じます。

「何卒」「どうぞ」と「お願い申し上げます」

『お願い申し上げます』は、『言う』の謙譲語『申す』、敬語の補助動詞『上げる』、丁寧語の『ます』から成り立つ表現です。自分をへりくだる謙譲表現かつ相手を高めるため、目上の相手や取引先に使うのに適しています。

『お願い申し上げます』は、『何卒(なにとぞ)』や『どうぞ』などの副詞を伴うケースがほとんどです。

『何卒』は『どうぞ』の改まった表現で、心からお願いするシチュエーションで用います。『どうぞ』よりも強い気持ちが込められているため、連続使用を避けて締めのフレーズとして使うのが好ましいでしょう。

・今後もご指導のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
・何卒ご検討くださいますようお願い申し上げます。

「お願いがございましてご連絡いたしました」

『お願いがございましてご連絡いたしました』は、ビジネスメールや手紙の文頭で用いる表現です。『なぜ連絡をしたのか(目的)』を最初に述べることで、相手は対処しやすくなります。

『お願い』という言葉を用いれば、メールを優先して確認してくれる確率は高くなるでしょう。

『ご連絡いたしました』は、『する』の謙譲語『致す』と丁寧語の『ます(ました)』で構成される表現です。

『ご連絡させていただきました』と言う人もいますが、『させていただく』は、相手に許可が必要で、かつ恩恵を受ける場面で用います。単にお願いをする場合は、『ご連絡いたしました』を使いましょう。

ビジネスで使える「お願い」の言い換え

ビジネスメールや手紙で『お願い』という言葉を多用するのは好ましくありません。お願いの内容に合わせて、言い回しを変えましょう。目上の人や取引先の相手に問題なく使える、丁寧な言い換え表現を紹介します。

「ご教示ください」

『ご教示ください』は、尊敬または謙譲の意を添える接頭語『ご』、教え示すというの意味の『教示(きょうじ)』から成ります。

相手に教えを乞いたいときに用いる丁寧な表現で、ビジネスシーンでも問題なく使えます。ただし『ください』には『くれ』という命令的なニュアンスが含まれる点に注意が必要です。

目上の人に対しては、『ご教示いただけますと幸いです』や『ご教示いただけますか』と表現するのがよいでしょう。

ご教示に似た言葉に『教授(きょうじゅ)』があります。『教示』は情報や知識の伝達、『教授』は学術や芸事などの訓練が必要なことに用います。

「ご依頼したく存じます」

「依頼したいと思っています」という意味の敬語表現です。思うの謙譲表現『存じる』を使うことによって、自分の立場を低めます。

『依頼』と『お願い』は一見同じように思われますが、微妙にニュアンスが異なる点に注意しましょう。『お願い』は『~してほしいな』『~してもらってもいいかな』という意味合いで、相手に助力を求めるときに使います。

一方、『依頼』は相手に任せることです。要求や命令ほど強い表現ではありませんが、お願いよりも指示の程度は強いと考えましょう。

お願いする相手や内容によって注意すること

日本語にはさまざまな敬語表現があります。相手や内容によって言い方を変えましょう。言い出しにくいときは、クッション言葉を挟んで本題に入るのがポイントです。

「お忙しいところ」などをつけて丁寧に

依頼やお願いをストレートに伝えると、相手にきつい印象を与えてしまうことがあります。相手は心の準備ができず、「急に言われても…」と困惑してしまうかもしれません。

ビジネスシーンでは、相手への配慮を示すクッション言葉を添えるのが基本です。お願いや依頼で使えるクッション言葉には以下のようなものがあります。

・恐れ入りますが
・お忙しいところ申し訳ありませんが
・差し支えなければ
・誠に恐縮ですが

相手に急ぎの返信をお願いしたい場合は、「お忙しいところ恐縮ですが、本日中に返信をお願いいたします」と伝えましょう。

「幸いに存じます」は急がないときに使う

『幸いに存じます』は、こうしてくれたら助かります、というニュアンスを含みます。

お願いを実行してもらうには弱い表現のため、急ぎの用事がない場合に使いましょう。ぜひともお願いしたい、という場面ではふさわしくありません。

目上の人や取引先に対しても使えますが、より改まった表現である『幸甚(こうじん)に存じます』の方が適切です。

・この度の企画についてご意見をいただけましたら幸甚に存じます。
・親睦会は本日18時より開催いたします。ご参加いただけますと幸いに存じます。

まとめ

お願い・依頼をするときは、相手の状況や心情に配慮した言葉を選ぶ必要があります。ストレートに伝えることも大切ですが、できるだけクッション言葉や丁寧な敬語表現を使うように心がけましょう。

ビジネスメールでは、同じ言い回しを連続して使わないように注意が必要です。シチュエーションに応じて、複数の表現を臨機応変に使い分けるようにしましょう。

 

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