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「予て」の意味と使い方知ってる?お知らせや報告の際に活用

2021.06.08

『予て(かねて)』という言葉を、正確に読めていなかった人もいるのではないでしょうか。ビジネスにおける公式な文書でも活用機会が多いため、読み方と意味を理解しておきたいものです。相応しい活用法や、言い換え可能な言葉についても触れていきましょう。

「予て」とはどんな言葉?

『予定』『予約』などの言葉は活用場面が多くても、『予て』となると使用する機会が少ないのではないでしょうか?難読漢字の部類といえますが、まずは言葉の意味を理解することから始めましょう。

「以前から」の意味で古文でも使用

古文でも使用されていた『予』は、『自分・私』という意味を持つ言葉です。ただし『予て』という使い方をした場合は、『以前から・旧来より』という意味になります。

『予約』という単語を例に考えてみると、飲食店に行くにあたり、席を確保することを約束してもらう場合など使います。そこから、前もってという意味を示していることが分かるでしょう。

このような例からも『予』には、今より前のことを指す意味を持っていることが理解できます。

「兼ねて」が使われることもある

読み方の『かねて』を辞書で調べると、『兼ねて』についても説明されています。漢字表記としては、基本的にどちらも間違ってはいません。

『兼ねる』は、『兼ぬ(かぬ)』という古語に由来しています。物事を予期する、予測するといった意味を持っている言葉です。ここからも、ある時点より前のことを指していることが分かります。

ただし『兼ねて』を使用する際には、注意も必要です。一般的には、別の役割も担える、二つ以上の役目が果たせるといった意味で使用することが多いため、誤解も生じやすいといえます。

記載する側は『前もって』の意味で使用しているにもかかわらず、受け手がとらえ違いをすると文章が正しく理解されません。そのため、どちらかを選ぶなら『予て』のほうが妥当でしょう。

「予て」の使い方と注意点

『前もって』『旧来より』といった意味合いを『予て』で表現すると、ビジネスの場にふさわしい文章となります。適切な文書を組み立てるために、使用方法と注意点について解説しましょう。

「予てより」「予てから」のように使われる

日常で使用する場合、『予てより』『予てから』といった使い方をします。

連れて行ってもらったカフェで「予てからこのお店に関心があったんです」とすることで、以前から気になっていたという気持ちを表しています。

「テニスは予てから始めたかったスポーツなんです」という文章の場合、前から興味を抱いていた雰囲気が感じられます。

同じ意味の言葉が重なる重複表現である

正しく日本語の文法を理解している人からすると『予てから・予てより』という使い方には、違和感を抱く場合があるかもしれません。本来のあり方からすれば、間違った活用ともみえるからです。

元来『予て』には、既に『前から継続して』という意味が含まれています。そこに『から・より』といった一つの起点から時間の経過を表す言葉を加えることは、同じ意味がある言葉が連なる重複表現になってしまうのです。

しかしその点に関しては、誤用の指摘を恐れて神経質になる必要はないでしょう。古くは平安時代の文献からも『予てより』が使用されていることは確認されており、間違った使い方とは言い切れないのです。

それよりも『予て』とだけ使用する方が、現代では不自然な使い方だと思われる可能性があります。広く普及している『予てより・予てから』は使用してもよい表現といえるでしょう。

かしこまった場面では使える?

普段使っている言葉の中には、日常会話なら許されるものもあれば、社会人としてふさわしくないものもあります。『予て』はどのようなシーンで用いればよいのでしょうか?

一般的にビジネスでも使われている

普段の私的な会話はもちろん、ビジネスシーンなどでも不安に感じる必要はありません。『予て』は、かしこまった場面でも問題なく使える言葉です。

『予てより計画していた事業計画をスタートさせる』といった場合、前から構想してきたプランがいよいよ実現することをスマートに表現しています。

顧客に「予てより相談しておりました件のお返事はいかがでしょうか?」と尋ねた場合、尋ね方に丁寧さが加わったように感じられるでしょう。

『前から』といった言葉よりも、社会人としての品位があるようにも思えます。使い方によっては、文書や会話にフォーマルな雰囲気が生まれるのです。

公式な書類は「予て」を使う

『予てから・予てより』は重複表現でありますが、普段は『から・より』を付けても問題はありません。しかし公式な書類では、『予て』とするほうが無難です。

前からその状態であることを表す類似表現

文書を作成する際に、同じ表現を何度も使用すると、メリハリがなくなります。そのため、一つの言葉の言い換えを知っておくと便利です。『予て』の類似表現を紹介しましょう。

確認メールで使える「先だって」

『先だって』も前もって・あらかじめといった意味を持つ言葉です。感覚として、1日前など直近のことではなく、数日から数週間前のことを指すニュアンスです。

会議で会った相手に「先だってはありがとうございました」としたり、確認する際に「先だって仰っていたことですが」として使用可能です。

『この前は』とするよりも、しっかりとした印象を与えます。仕事上でのメールにも適した表現です。

あいさつの決まり文句に「平素より」

『平素より』も、よく使われる言葉です。いつも自社の商品を購入してくれる相手方に宛てる文書で「平素より大変お世話になっております」とするのは決まり文句のように使われます。

意味合いとしては『過去から現在に至るまで』となります。常日頃、今までずっと、といったことを表現したい場合に用います。

ただし『平素はいつも』としてしまうケースが見られますが、重複表現となるので気を付けましょう。

まとめ

『予て』は、現時点までのことを表すのに適した言葉です。カジュアルなやり取りからビジネスシーンに至るまで、幅広く適応します。

『今まで』や『ずっと』ではやや幼稚かな、と思うようなときに便利です。適切な活用法を身に付けましょう。

 

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