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「ご厚意に甘えて」はどのように使う?意味から類語まで解説

2021.06.14

お礼の言葉として『ご厚意に甘えて』を使うときには、どのような点に注意するとよいのでしょうか?適切に活用できるよう、基本的な意味や使い方・例文を紹介します。類語との違いなど使用上の注意点もチェックしましょう。

「ご厚意に甘えて」の意味と使い方

日常で使いこなせるよう、まずは『ご厚意に甘えて』に込められている意味合いや使えるシーンを紹介します。例文もチェックして、実際に使用するときの参考にしましょう。

ご厚意」は相手からの思いやりのこと

『厚意』は『心がこもっているさま』を表す『厚』と、『気持ち』を表す『意』から成る熟語です。二つの字が持つ意味から『思いやりの心』を表しています。

尊敬・丁寧の接頭語『ご』を付けた『ご厚意』は、相手から受けた思いやりのある行動やありがたい言葉を意味する語として、目上の人の行動に対しても使われる言葉です。

またビジネスシーンでの『ご厚意』は「お金」を表す場合もあります。寄付金や援助金などを受け取ったときに、直接的に表現するのではなく『ご厚意』とすることで露骨な印象を避ける使い方です。

「甘えて」を付けると受け取る立場で使える

相手からの厚意を受ける立場のときは、『ご厚意に甘えて』という表現で謙遜する姿勢を表せます。『甘えて』は「人の親切をありがたく思い、遠慮なく受け入れる」という意味の言葉です。

人からありがたい申し出を受けたとき、感謝と同時に「申し訳ない」という気持ちも表せます。「厚かましいとは思いますが、せっかくお申し出いただいたので」というニュアンスを含む言い回しです。

ビジネスで使える例文

『ご厚意に甘えて』は仕事の場でも問題なく使えます。相手からの思いやりや心遣いを感じる言葉・申し出・贈り物などをもらったときに使うのが通常です。どのようなシーンで使えるのか、例文を見ながら確認しましょう。

・(社外の人から物を受け取って)○○様のご厚意に甘えて、ありがたく頂戴します。

他にも上司から体調への気遣いを受けた場合など、相手に感謝しつつ配慮を受け取るときにも活用しましょう。

・顔色も悪いようだから、今日は早めに帰っていいですよ。—ありがとうございます。ご厚意に甘えて本日は早退させていただきます。

「ご厚意」の言い換えに使える類語

『ご厚意』は似た意味を持つ類語での言い換えも可能です。言葉ごとにふさわしい場面や使える相手を押さえ、シーンに合わせて使い分けましょう。

フォーマルな場で使う「ご厚情」

式典のあいさつや顧客への年賀状など、かしこまった場での使用に適しているのが『ご厚情(こうじょう)』です。「深い思いやり」や「心からの親切」を表現する『厚情』と接頭語『ご』から成っています。

主に取引先や顧客に対して使うフォーマルな言葉です。目上の相手であっても、社内の上司や先輩に使うと仰々しい印象を与えてしまいます。相手の立場や、そのとき求められる丁寧さを考えて使いましょう。

相手の立場を選ばない「ご配慮」

心配りを意味する『配慮』を尊敬語にした『ご配慮』も、『ご厚意』の言い換え表現の一つです。お礼を伝える言葉と合わせて使うことで、相手の気遣いをうれしく感じた気持ちを強く伝えられます。

目上の相手だけでなく、同僚など立場が近い・同じ相手に対しても使える言葉です。『気遣い』『気配り』とほぼ同義ですが、漢語の『配慮』とする方が堅い印象があるためビジネスでの文書に向いています。

金品をもらったときにも使う「お心遣い」

相手のために気を使うことや、心から行う気配りのことを『心遣い』と表現します。「(自分以外の)人の気持ちを考えて気を遣うこと」を指す言葉です。

『ご厚意』が改まった印象の言葉であることに対し、 『お心遣い』は柔らかい印象を与えることができるでしょう。 もともと丁寧な言い回しである『心遣い』に接頭語をつけて 『お心遣い』とすることで、さらに柔らかい表現をすることができるのです。

また『お心遣い』は、言葉や行動だけでなく金品をもらったときにも使います。『ご厚情』を支援金や援助金などに対して使う場合と同様、遠回しな表現で露骨さを避けることが可能です。

「ご厚意に甘えて」を使う際の注意点

『ご厚意に甘えて』を適切に使うには、注意点を押さえておくことが大切です。似た言葉や同じ読み方の単語と混同しないよう使い分けましょう。

「お言葉に甘えて」との使い分け

『ご厚意に甘えて』と似た表現に『お言葉に甘えて』があります。 相手が差し出してくれたものを遠慮なく受け取るという点では同じですが、受け取る際の状況によって使い分けるのがベターです。

相手が言葉をかけてくれたときには、『お言葉に甘えて』を問題なく使えます。 行為に対して使う場合は『ご厚意に甘えて』の方が適切です。

例えばただ贈り物をもらったときは、「ご厚意に甘えて」と伝えましょう。「お土産を買ってきたから受け取って」など一言添えられた場合は、「お言葉に甘えて」を使って問題ありません。

「好意」と混同しないよう注意

読みが同じ『好意』との違いにも注意しましょう。相手からの思いやりや親切を表す『厚意』に対して、『好意』には遠回しな愛情表現や親しみの気持ちが含まれます。

『厚意』が相手からの思いやりを表すときにのみ使えるのに対し、『好意』は自分の気持ちにも使える点も大きな違いです。また『厚意』は『ご』を付けて使われますが、通常『好意』を『ご好意』とは表現しません。

まとめ

『ご厚意に甘えて』は、相手の親切な行動や言葉を遠慮なく受け取るときに用いる言い回しです。感謝と同時に申し訳なさも伝えられます。

ビジネスシーンでも問題なく使えますが、フォーマルな場であれば『ご厚情』を使いましょう。他の類語には、立場によらず使える『ご配慮』や、金品を意味することもある『お心遣い』などがあります。

『ご厚意』を使う際は、似たフレーズの『お言葉に甘えて』や同じ読みの『好意』との違いにも気を付けましょう。

 

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