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「了承いただく」は正しい敬語?目上の人に使うときの注意点も解説

2021.05.25

『了承いただく』は、目上の人に使う言葉として正しい表現なのでしょうか?『了承』の意味からふさわしい利用シーンを知り、ビジネスの場面で失礼のないよう使いこなしましょう。言い換えに使える類似表現も紹介します。

「了承いただく」の意味とは?

『了承いただく』を使うにあたり、まずはビジネスシーンで問題なく使える言葉なのかをチェックしましょう。基本の意味や文法について知っておけば、スムーズに活用できるでしょう。

「了承」は相手の申し出を認めること

『了承』は『悟る』『了解する』という意味の『了』と、『相手の意向を受け入れる』という意味の『承』で構成されています。二つを組み合わせ、『相手の意向を受け入れ了解すること』という意味合いになっている言葉です。

事情を理解する『了解』も似た言葉ですが、『了承』には受け入れるというニュアンスを持つ点が異なります。それぞれの言葉が持つ意味合いを正確に理解し、適切な場面で使いましょう。

「いただく」は「もらう」の謙譲語

『いただく』は、『もらう』を謙譲語にした言葉です。『了承いただく』は、『了承してもらう』をへりくだって表現する言い回しであることがわかるでしょう。

了承を得ることを表現したいときは、何についての了承なのか補足するのが基本です。例えば「新システム導入について、ご了承いただけますか」と表現すれば、相手に意図が伝わります。

また「予算の件についてご了承いただき、ありがとうございます」といった使い方で、了承を得たことへの感謝を伝えるときにも活用可能です。

「了承」は目上の人にも使える?

敬語表現にすることで文法上は目上の人にも使える『了承』も、相手と状況によって注意が必要です。目上の相手に対して使うときのポイントを解説します。

「了承」を求める側かする側かで変わる

『了承』自体は、ビジネスシーンで問題なく使える言葉です。ただし目上の人に対してふさわしいかどうかは、『了承』を求めているのかするのかで変わってきます。

目上の人へ『了承』を求める場合、きついニュアンスにならないような言い回しが必要です。『ご了承ください』は敬語として間違いはありませんが、命令形のため強制的な印象を与えてしまいかねません。

一方で『了承』する側として『了承しました』を使うと、『分かったよ』といったニュアンスになってしまいます。目上の人に対して使うには不適切なので、言い回しではなく単語自体を変え、『承知しました』とするのが適切です。

「いただく」は「ください」より丁寧な表現

目上の人へお願いする立場で『了承』を使う場合、『ご了承ください』では丁寧さが足りません。『ください』という命令形ではなく、『してもらう』という意味の『いただく』を活用しましょう。

・ご連絡した件について、ご了承いただけますか?
・注意事項についてご了承いただけますよう、お願い申し上げます。

取引先から了承を得たとき、上司に「先方からご了承いただきました」と報告する使い方もあります。

親しくない場合は避けた方が無難

『ご了承いただく』は目上の人へ使っても間違いではない敬語ではあるものの、『了承』という言葉自体が目上の人から目下の人へ使うものという認識もあります。

『受け入れてください』という意味も含むため、頼む立場で使っても一方的な印象を与えてしまう可能性があるでしょう。人によっては見下されたと感じるかもしれません。

親しい間柄なら丁寧な言い回しにすれば問題ありませんが、距離がある相手には『了承』を使わないのが無難です。上から目線なニュアンスのない、他の言葉に言い換えましょう。

「了承」を使って丁寧にお願いしたい場合

親しい間柄で『了承』を使う場合も、できるだけ丁寧な言い回しを心掛けましょう。ビジネスシーンで使える代表的な表現を紹介します。

「お願い申し上げます」を付ける

『ご了承』のフレーズに『お願い申し上げます』をプラスすると、敬意を示す丁寧な言い回しになります。「ご了承のほど、お願い申し上げます」という表現は、かしこまる必要がないなら取引先への文書やメールに使ってもOKです。

他にも次のような言い回しがありますので、使い方を覚えておきましょう。

・サポート内容についてあらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます
・来月より新しい担当者が参りますこと、ご了承の程お願い申し上げます
・次回アップデート後は仕様が変わりますことを、何卒(なにとぞ)ご了承いただけますようお願い申し上げます。

「幸いです」を組み合わせる

『了承』に『いただく』と『幸いです』を付けて、「ご了承いただければ幸いです」という表現もできます。お願いよりも、「了承していただけるとうれしいです」という気持ちを強く表した言い回しです。

・当該期間は担当者不在のためご迷惑をおかけいたしますこと、ご了承いただけますと幸いです。
・仕組みが複雑でわかりにくい部分もあろうかと存じますが、ご了承いただければ幸いです。
・上記日程にてサービスの利用が一部制限されますことを、あらかじめご了承いただければ幸いです。

「いただけますでしょうか」は二重敬語となりNG

『いただけますでしょうか』をプラスした『了承いただけますでしょうか』は、丁寧な表現に見えますが、二重敬語となるため使用しない方がよいでしょう。

『ます』と『です(でしょうか)』はいずれも丁寧語であるため、『ますでしょうか』の部分が二重敬語となってしまうのです。

文法的に正しい表現は『ご了承いただけますか』です。少々ややこしいですが、正確な敬語を使うことで相手により敬意を伝えることができるでしょう。

言い換え表現も覚えておこう

似た意味を持つ言い換え表現を知っておくと、シーンに合わせて適切な言葉を選べます。『了承いただく』の代表的な言い換え表現をチェックしましょう。

ご承諾いただく

相手の意向を受け入れる『承』と、引き受けることを意味する『諾』を組み合わせた『承諾』は、意向を聞き入れた上で受け入れるという意味のある言葉です。

謙譲語の『ご』と『いただく』が重なる表現であるため二重敬語だと指摘されることもありますが、ビジネスや日常的に定着している許容された言葉といえるでしょう。

『ご承諾いただく』は、目上の相手にお願いを聞き入れてほしいときに使えます。例えば「〇〇の件について、ご承諾いただけますでしょうか」という使い方が代表的です。

また相手の承諾を得たときに『ご承諾ありがとうございます』とお礼を述べる表現としても使えます。

より丁寧な言い回しなら、『ご承諾いただきありがとうございます』『ご承諾を賜(たまわ)り、感謝申し上げます』などが適切です。

ご容赦いただく

『ご容赦いただく』も、目上の人へお願いをするときに使えるフレーズです。『了承いただく』と同様に、起こりうる不手際に対して事前に断りを入れることができます。また、単に状況を認めてほしいだけでなく、こちらの過失に対して許しを請う必要がある際にも使用されます。

「商品の在庫が無くなり次第、販売を終了させていただきます。何卒ご容赦くださいませ」など、 クレームに対する予防線を張る目的で『ご容赦いただく』を使うことがあります。 また、深刻に謝罪するほどではない不手際があったときに使うケースも覚えておくと便利です。

・ご入金が確認できなかったため、ご連絡いたしました。なお入れ違いでご入金いただいている場合には、どうかご容赦くださいませ。

このように

期限を過ぎている件を催促するメールを送るとき、相手が入れ違いで対応していた場合でも失礼のない言い回しです。

お含みおきいただく

『心にとめておく』『了解しておく』という意味の『お含みおきいただく』も、『了承いただく』の代わりに使える言葉です。『含みおく』の前に『お』をプラスすることで、事前に配慮してもらいたいことを丁寧に伝えられます。

・〇月〇日より夏季休暇となりますこと、お含みおきいただけますようお願いいたします。
・担当者が不在の場合、代わりの者が対応することがございます。あらかじめお含みおきいただけますでしょうか。

目上の人に使うのは避けたい類似表現

理解や納得・許容などを伝えるとき、目上の人へ使うのには不適切な言葉があります。適切でない理由を知っておくと、うっかり使ってしまうトラブルが減るでしょう。

ご承知おきいただく

『ご承知おきいただく』は、敬語として間違った表現ではありません。しかし『承知』という言葉には謙譲語である『承る』の字が入っており、一般的には自身の行動をへりくだって表現する謙譲語という認識があります。

文法的には問題ありませんが、目上の人に使用する場合は言い換えた方がよいでしょう。『承知』はあくまで自分が理解し、受け入れたことを表すときにのみ使うのがベターです。

ご理解いただく

事情や立場を察してほしいと伝える『ご理解いただく』も、目上の人に対して使うには向きません。敬語として正しい文法になってはいますが、丁寧さに欠け高圧的なニュアンスも伝わってしまいます。

理解を強要するような語感もあり、敬語とはいえ受け取る側によって不快に感じることもあるでしょう。生意気な印象にならないよう、『ご理解いただく』は目上の人に使わないのが無難です。

まとめ

『了承いただく』は相手の意向を受け入れ了解するという意味の『了承』に、謙譲語の『いただく』をプラスした敬語表現です。文法的には正しい言い回しですので、目上の人に使うのも間違いではありません。

ただし『了承』自体が目上の人が目下の人へ使う言葉と認識されているため、社外の人や立場が遠い相手は使わない方がよいでしょう。

親しい相手であっても、『ご了承いただく』や『ご了承いただき幸いです』など、言い回しを変えた方が丁寧な印象を与えられます。

シチュエーションによっては、『ご承諾いただく』『ご容赦いただく』『お含みおきいただく』といった類似表現への言い換えも可能です。状況に合う言葉を選べば、よりスマートなやりとりができます。

 

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