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「拝聴する」をより丁寧に伝える方法は?「聞く」の敬語表現を解説

2021.03.19

自分よりも立場が上で敬意を払う必要のある相手には、『拝聴する』という表現を使います。「拝聴しております」と表現すれば、相手の話を謹んで聞いている様子や気持ちが伝わるでしょう。『聞く』の敬語表現や使い方を解説します。

「拝聴する」の意味と使い方

『拝聴する』は、相手を敬う表現の一つです。メールや会話の中で上手に使うことができれば、あれこれ言葉を尽くさずとも相手に感謝や敬意がストレートに伝わります。『拝聞する』との違いについても確認しましょう。

謹んで聞くことを表し、目上の人に使える

『拝聴』は『聞く』の謙譲表現です。目上の人に対して用いる言葉で、『謹んで聞く』という意味があります。

動作(聞く)の対象は『自分』で、相手ではありません。謙遜した言い方をすることで、相手の立場を持ち上げるのが謙譲表現の特徴です。

『拝』の字には『拝む』『あがめる』などの意味があり、動作を示す言葉の前に付けると、相手への敬意を示す意味になります。拝聴の他に、『拝見』『拝読』『拝受』もビジネスシーンではよく目にするでしょう。

『きく』には『聞く』と『聴く』がありますが、『拝聴』はどちらに対しても謙譲の意味をプラスできます。

・先生のデュオリサイタルを拝聴しました。
・本日の講演を拝聴する予定です。

より丁寧に伝えるなら「拝聴しております」

会社の上司や目上の人に対しては、『拝聴しております』と表現した方が丁寧さが伝わります。

『~しております』は、『いる』の謙譲語『おる』に、丁寧語の『ます』が付いた表現です。改まった場面で使う『丁重語(謙譲語2)』の一つで、『~しています』よりも、相手に対する敬意を強く示せます。

注意したいのは、敬意の対象が『動作をしている人』ではなく、あくまでも『話し相手(聞き手)』である点です。

また『~しております』には、『前にしていた動作が現在も継続している』というニュアンスが含まれる場合もあります。

・こんばんは。鈴木先生のラジオをいつも楽しく拝聴しております。
・電話で社長のご意見を拝聴しております。

「拝聞」とほとんど同じ意味を持つ

『拝聞(はいぶん)』は拝聴とほぼ同義で、『謹んで聞く』という意味があります。日常会話やビジネスシーンでは『拝聴』の方が多く使われる傾向がありますが、どちらを使っても問題ありません。

あえて使い分けをするのであれば、「誰かの話が偶然耳に入った」「人づてに聞いた」という場面では拝聞を使うとよいでしょう。

演奏や音楽・ラジオなどを聴くことに対しては、『拝聴』を使うのがベターです。『聴』には『耳を澄まして(意識的に)聴く』というニュアンスが含まれています。

「拝聴する」を使うときの注意点

敬語を使うときは、「敬意の対象は誰か?」を意識する必要があります。『拝聴』の動作の対象はあくまでも自分で、相手に対しては使えません。『清聴』と『拝聴』の違いを明確にしておきましょう。二重敬語にも注意が必要です。

「拝聴いたします」は避けるのが無難

敬語を使う際に注意したいのが『二重敬語』です。二重敬語とは、一つの語に対して複数同じ種類の敬語を用いることを指します。

『拝聴いたします』は、『聴く』の謙譲語『拝聴』に、『する』の謙譲語『いたす』が組み合わさった言葉です。

二つの語に対してそれぞれ謙譲語が入っているため厳密には二重敬語ではありませんが、二重敬語と認識している人も多いため避けた方がよいでしょう。

接頭語の『ご』を付けた『ご拝聴』という言い方は、謙譲語とするための『ご』を重ねて付けているため二重敬語です。ビジネスシーンでは、正しい日本語・相手が違和感を覚えない言い回しを心掛けましょう。

参考:敬語の指針|文化庁 P.30

自分の話に対しては「ご清聴」を使う

相手に話をする立場で聞いてもらうことを伝える場合は、『ご清聴』を用います。『清聴』は他人が話を聞いてくれることに対して敬意を示す言葉です。

「ご清聴ありがとうございました」といったように、『感謝の言葉』を添えて使うケースがほとんどでしょう。プレゼンやスピーチなどを終えた後の決まり文句として覚えておくと便利です。

注意したいのが、『清聴』と『静聴』の混同です。どちらも読み方は『せいちょう』ですが、後者には『静かによく聞くこと』という意味があります。

「ご静聴願います」というフレーズは、会場などがザワザワしている際に用いられます。この場合、敬意の対象は話者ではなく『聴衆』です。

「拝聴する」以外に使える「聞く」の敬語

『伺う』や『お聞きする』は、さまざまなシーンで役立つ表現です。特にビジネスメールでは、同じ言葉や言い回しを連続して使うとしつこく感じるため、類似表現で言い換える工夫が大切です。

主に尋ねるときに使う「伺う」

『伺う(うかがう)』は、『聞く』『訪れる』『尋ねる』の謙譲表現です。一つで複数の意味を持つ言葉のため、日常会話でもビジネスシーンでも幅広いシーンで使われます。

・お噂はかねがね伺っております。
・部長の佐藤より話は伺っています。

特に話し言葉では、何かを尋ねる際に多く用いられる傾向があるようです。「ちょっとお伺いしたいのですが…」「名前をお伺いできますか?」「お伺いいたします」は、日常的によく耳にするフレーズでしょう。

注意したいのは、謙譲語としての接頭語『お』を付けると二重敬語になる点です。使っている人が多い言い回しですが、『お伺い』は本来正しい用法ではないことを頭に入れておきましょう。

使えるシーンが幅広い「お聞きする」

『お聞きする』は、『聞く』の謙譲表現です。拝聴と同じ意味で使える他、『尋ねる』の意味も含まれます。たとえば、相手に意見を聞きたい場合は「ご意見をお聞きしてもよろしいでしょうか?」と表現します。

『お聞きする』を『伺う』や『拝聴』へ言い換えることも可能です。しかし使い慣れていないと、二重敬語になってしまったり敬う相手を間違ったりしてしまうケースがあります。

無難に『お聞きする』を使った方が、誤用も少なく安心でしょう。

逆に聞き手に対し「~について聞いたことがあるか?」と確認する場合は、尊敬語の『お聞きになる』や『聞かれる』を用います。

・どちらでお聞きになりましたか?
・どちらで聞かれましたか?

まとめ

『拝聴』は、へりくだって相手を高める謙譲語の一つです。ビジネスメールや会話で正しく使うことができれば、相手に好印象を与えられるでしょう。

同じ意味の言葉には『伺う』や『お聞きする』があります。この二つは、『聞く』や『聴く』以外にも複数の意味を含む言葉なので、シチュエーションに応じて使い分けるのが賢明です。

敬語は「敬意の対象は誰か」を意識して使う必要があります。くれぐれも「ご拝聴ありがとうございました」と言わないようにしましょう。

 

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