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「頂戴いたします」は二重敬語?正しい言い方を解説

2021.04.09

『頂戴いたします』は、相手から物や言葉をもらったときに使う謙譲表現です。相手に丁寧な印象を与える一方で、『二重敬語』と見なされることもあります。ビジネスシーンでは、状況に応じて『いただく』『受領』『拝受』を賢く使い分けましょう。

「頂戴します」の意味

『頂戴(ちょうだい)します』は、自分の立場を低めて相手を高める言い回しの一つです。日常会話ではもちろん、ビジネスシーンでも多く登場するため、意味や正しい使い方を覚えておきましょう。

物や言葉などをもらうこと

『頂戴する』には、他人から物や言葉などをもらうという意味があります。『もらう』の謙譲語で、特に目上の相手から何かをもらうときに用いるのが一般的です。

『謙譲語』とは、相手への敬意を示す敬語表現の一つです。自分の立場を低める言葉を使うことで相対的に相手を高め、敬意を示します。「ありがたく頂戴します」と表現すれば、相手は自分が尊重されていると感じるでしょう。

『頂戴』には、『顔の上にささげ持つ』『食べる(謙譲語)』という意味もあります。

名刺交換、贈り物があったときなどに使う

『頂戴する』は、実際にどんなシーンで用いられるのでしょうか?

よく使われるのが、名刺交換の場面です。初めて会った相手の名刺が欲しいとき、「名刺をくださいませんか?」と言う代わりに「名刺を頂戴できますか?」と表現できます。

相手から贈り物をもらったときは「お中元の品をありがとうございました」と言うのが一般的ですが、丁寧さを強調したい場合は「結構なお中元の品を頂戴しまして、ありがとうございました」と伝えましょう。

形ある物だけでなく、言葉や気持ちにも『頂戴する』が使えます。相手の援助をやんわりと断るときは「お気持ちだけ頂戴します」という表現が適切です。「いりません」というマイナスの表現を使わずに済むでしょう。

しかし「お名前を頂戴できますか?」という表現は誤りです。名前はもらうものではないため、「お名前をお伺いできますか」と伝えます。

「いたします」を使うと二重敬語?

『頂戴いたします』は、『もらう』の謙譲語である『頂戴』に、『する』の謙譲語『いたす』が合わさった言葉です。

敬語表現である謙譲語が2回使われているため、一般的には『二重敬語』と見なされます。

本来、二重敬語は間違った表現ですが、ビジネスシーンや日常会話では一部容認されているものがあります。

・お願いいたします
・お伺いいたします
・拝見いたしました
・お見えになる

NGとまではいえませんが、二重敬語であることは覚えておきましょう。

「頂戴します」以外の伝え方

『頂戴します』の類語には、『いただきます』が挙げられます。『受け取らせていただきます』も間違いではありませんが、冗長な印象を与えるため、できるだけシンプルな表現を心がけましょう。

「いただきます」

『頂く(動詞)』は、頂戴すると同じ『もらう』の謙譲表現です。自分の立場を低め相手を立てるニュアンスを含むため、ビジネスシーンや目上の人との会話でよく用いられます。

・温かいお言葉を頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。
・今週、休暇を頂いてもよろしいでしょうか?

動詞としての使い方以外に、『補助動詞』としての使い方もあります。『~していただく』や『お(ご)~いただく』などは日常会話でも使える表現なので、例文を覚えておきましょう。

・ご連絡いただきありがとうございます。
・企画書にお目通しいただきますよう、お願いいたします。

動詞としての『頂く』には、漢字表記が用いられるのに対し、補助動詞はひらがなで表記するのが一般的です。

また何かをもらうことを表現する際、『頂戴する』より『頂く』方がかしこまった印象を与えます。

「受け取らせていただきます」は使わない

『受け取らせていただきます』も日本語として間違いではありませんが、くどくどしい印象を与えてしまいます。

そもそも、『~をさせていただく』は、相手側や第三者の『許可』を受けて行い、そのことで自分が『恩恵』を受ける場合に限って使える表現です。

誰かの許可を必要とせず、かつ自分が恩恵を受けるわけでもない場合、「(名刺を)受け取らせていただきます」や「紹介をさせていただきます」は、不自然な表現と言わざるを得ません。

シンプルに「名刺を頂戴します」「紹介いたします」と表現するのがベターです。

「受け取りました」をより丁寧に伝えるには?

『受け取りました』は、動詞の『受け取る』に、『する』の丁寧語である『ます』が付いた表現です。

目上の人に対して使っても問題はありませんが、より丁寧に伝えたい場合は、次のような表現が使えます。シーンに応じて使い分けましょう。

物を受け取るときは「受領いたしました」

目上の人や取引先からお金や物を受け取ったときは、『受領(じゅりょう)いたしました』と表現しましょう。

『受領』には、『物やお金を受け取る』の意味があります。敬語ではありませんが、日常会話よりもビジネスメールや手紙で多用されるやや堅い言い回しです。

さらに『する』の謙譲語である『いたす』が使われているため、相手に対する敬意を示したいときに役立つでしょう。同僚や部下など、へりくだる必要がない相手に対しては『受領しました』のみでOKです。

一方で友人や知人からプライベートで贈り物を受け取った場合、『受領』という言葉は使いません。資料やデータ・請求書・郵便物・お金などビジネスに関連するものを受け取った場合にのみ使いましょう。

目上の人に適した「拝受しました」

『拝受(はいじゅ)』とは、『受けること』をへりくだった言葉です。『拝』には、敬意を表する・お辞儀をする・拝むなどの意味がある通り、『拝受しました』は目上の人や取引先に対して使います。

くれぐれも、自分より立場が下の人には使わないように注意しましょう。

例えば会社やビジネスシーンでは、上司やクライアントのメールを受け取ったときに、「確かに受け取りました」という意味で用います。

『拝受』は謙譲表現のため、『いたしました』を使うと二重敬語になります。NGではありませんが、できるだけ正しい表現を使うように心がけたいものです。

やや堅い印象の「賜りました」

『賜る(たまわる)』は、『もらう』の謙譲語です。『頂戴する』と同義で、目上の人から何かをもらったときや恩恵を受けたときに使います。

また『与える』の尊敬語でもあり、目上の人が(目下に)物を与えるシーンでも使える表現です。

現代ではほとんど用いませんが、『神の許可を得て、通行を許してもらう』という意味合いもあります。恐れ多いというニュアンスが含まれていることがわかるでしょう。

ただし日常会話やビジネスシーンでは、使い過ぎに注意が必要です。過剰な敬語表現をすると相手との距離が遠くなってしまったり、逆に誠意が感じられなかったりする場合があります。

まとめ

他人に物や言葉をもらったときは、『頂戴します』や『いただきます』という表現が使えます。ビジネスシーンでは、『受領いたしました』や『拝受しました』という言い回しが役立つでしょう。

注意したいのが、丁寧さを意識するあまり敬語を重ね過ぎてしまうことです。一部容認されているものもありますが、『頂戴いたします』は本来正しい使い方ではないと覚えておきましょう。

『受け取らせていただきます』は相手や第三者の許可があり、自分に恩恵があることが前提です。

 

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