代替シーフード
大豆ミートや植物肉ハンバーガーなど世界的にブームとなっている代替肉。日本でも外食産業に広まる中、水産物にも代替の潮流が押し寄せている。
「ツヤのある赤身の色、白い筋、ほどよい柔らかさと弾力感など、マグロの見た目と食感を再現することに注力しました」と話すのは、あづまフーズの松永瞭太さん。
同社の代替マグロはこんにゃく粉が原料。調味のアレンジがしやすいよう、淡泊な味に仕上げた。視覚情報は味覚に大きく影響するそうで「マグロの味がする」と錯覚する人も多い。特にこんにゃくを知らない外国人は、ほぼ魚と認識するそうだ。当初は代替食に関心の高い海外向けに開発されたが、脂質・たんぱく質がほぼゼロで低カロリーのため、研究機関からの問い合わせも後を絶たない。
内閣府の食堂などを運営するニッコクトラストは、食から環境問題に触れられるよう、ベジメニューを考案。エル・ブジのシェフが考案した技術をもとに作った植物由来のイクラは、プチッとはじけた後に液体がとろりと出てくる。
植物性の食スタイルを提案する不二製油の〝味の再現にこだわったウニ〟も含め、進化を続ける代替シーフードに今後も注目したい。
使いやすい家庭用向けのパッケージ仕様
■ 見た目はマグロそっくり!
台湾の企業と共同開発した、あづまフーズの『まるで魚シリーズ』。マグロ、弾力のあるイカ、柔らかなサーモンの3種。現在、ウナギのかば焼きも開発中。海外展開も始め、日本では一部の業務用スーパーなどで販売している。
業務用向けの分野でも採用が進む
■ イクラっぽいプチプチ感!
「精進そばとミニヴィーガン海鮮丼セット」(1640円)。こんにゃくと昆布由来の素材で作ったイクラ、ナタデココのイカを使用。東京・北千住『蓼科庵』で扱う。
■ ウニっぽいペースト入り!
不二製油では世界初の製法で、豆乳素材による魚介類、乳代替品の開発に成功。〝植物性ウニ〟の食感・味・色は〝もどき〟ではなく本物のウニそっくり!
取材・文/嶺月香里
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2022年3月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。