小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

担当者必読!社内でSDGsを推進して社員を動かすトーク事例と取り組み

2022.05.17

いま、多くの企業で推進されているSDGsの目標達成を含む取り組み。しかし、なかなか進まないという課題もあるようだ。トップダウンで推進するものの、現場の社員にとっては自分ごとにしづらいという側面がある。

そこで今回は、社員が会社のSDGsへの取り組みに心から賛同し、SDGsの事業に積極的に取り組むためのアプローチのポイントをSDGsの専門家に聞いた。具体的なトーク例は必見だ。

SDGsの取り組み状況

近年、企業ではどれくらいSDGsが浸透しているのだろうか。

JTBコミュニケーションデザインが2021年9月、全国の企業に勤める男女1,030人を対象に、勤務先の会社のSDGs達成への取り組み状況を調査したところ、会社員のSDGs認知度は82.5%と高い水準だった。また理解度は56.0%で、年代や役職が高いほど高い傾向となっていた。

そして会社のSDGs達成への取り組みは、社員のモチベーション等との関連が見られた。

「勤め先の会社では、社員に対して、SDGs達成の意識を高めるような告知や教育などの活動を行っている」にあてはまる人ほど、「勤め先の会社では、社員の仕事に対するやる気(モチベーション)が、全体的に高いと思う」も比例して高くなっている。

さらに、「私は、会社の理念・ビジョンを日々の仕事を通じて体現している」「会社では、ダイバーシティ推進が進んでいる」も肯定する割合が高くなっている。

SDGs達成の告知や教育は、社員のモチベーション向上や理念・ビジョンの体現、ダイバーシティ推進といった、仕事への意識や職場の多様性にも関わっていることがわかった。

自社のSDGs推進手順

では、SDGs推進は具体的に、どのように行っていけばいいだろうか。

近年、SDGs経営に切り替える企業が増えているようだが、まだ経営層やマネジメント層の間でしか達成意識を共有できてない企業も多いといわれている。

全社に効果的に浸透させるにはどうすればいいか。

企業のサステナビリティ推進を支援するSDGsコンサルタントの玉木巧氏は、自社のSDGs方針・目標・取り組みを社内浸透につなげるための手順について、次のように述べる。

【取材協力】

玉木巧氏
株式会社Drop/SDGsコンサルタント
数多くの企業でサステナビリティ推進を支援。企業・青年会議所・教育機関などでSDGs経営をテーマにしたSDGs研修実施し、計40万人以上のビジネスパーソンが参加。YouTuber・音声メディア配信者として「SDGs media」でSDGsの基本知識から取り組み方法について発信中。
SDGsの情報サイトSDGs media:https://sdgs.media/

「SDGs推進はダイエットと似ています。ダイエットをする際は、現状の健康状態を把握することで痩せる理由・目的を理解するでしょう。またダイエットを始めるにも、理想の状態を踏まえた目標・方針がないと、取り組みが継続されていきません。目標・方針が決まれば、日々の具体的な行動が明確になります。行動を続ける中で、体重が減り、見た目が変われば周りから好意的な反応が得られ、自己肯定感も高まり、さらなる取り組みへのモチベーションにつながります。

SDGsもこれと同様です。まずは社内研修から始め、同時に経営層やマネジメント層で取り組みの目標方針を策定します。決定した方針に沿って全社で取り組めるように、事業部目標に落とし、社員一人ひとりのアクションにまでつなげていく必要があります。

現在、多くの企業において『SDGsの社内研修を実施したが上手く進まない』といった課題が見受けられます。社員の皆さまは日々の業務でさえ忙しいのに、そこにSDGsの取り組みとなると負担に感じる方もいるでしょう。ですが、自社のありたい姿を実現するための方針として、事業部目標まで落とし込むことができれば、より具体的な行動が生まれていきます」

社内を動かすトーク例3選

実際、社内でSDGs推進の告知やプレゼンを行う際には、どのようなトークを行えばいいか、具体的なトーク例を玉木氏に挙げてもらった。

●トーク例1

「Z世代は、SDGsに貢献する事業活動を行う企業で働きたいというデータが出ております。中長期的に企業を持続させる上で、未来を担う社員の獲得は不可欠になりますので、若い世代から選ばれるためにSDGsへの取り組みは必須です」

●トーク例2

「ほとんどの産業は平和産業と言い換えることができます。豊かな環境・社会があるからこそ、企業は事業活動を続けられます。ですので、私たちのビジネスを続けていく上で、企業が責任を持って、当たり前に環境や社会に配慮する必要があります」

●トーク例3

「気候変動対策に無関心でいるとどうなるか、連鎖して想像すると自社に及ぼす影響が理解しやすくなります。気候変動対策に無関心→地球の平均気温が上昇→異常気象が多発→自然被害が増える→損害保険会社の登場→支出される保険金が増える→アクサ保険の調査では平均気温が4℃上がると保険事業が成り立たなくなることがわかっている→保険会社が倒産→住宅・車・機械設備などに保険が使えなくなる→投資へのリスクが大きくなる→人々が投資に消極的になる→経済が停滞・悪化する→自社の売上が減少する→社会全体、及び自社の雇用が減る・なくなる→倒産・貧困に陥る」

これらのトーク例について、玉木氏は次のように解説する。

「SDGsに取り組む意義については、事実を伝えるだけでなく、社員自らも思考してもらうことが大事です。特にトーク例3のように現象を連鎖的に伝えると、自社ごととして腹落ちしやすくなり、思考の助けになります」

SDGs方針を社内に浸透させるポイント

自社のSDGs方針や目標が決まった後、全社的に取り組みを進める際のポイントについて、玉木氏は次の3つを挙げる。

1.社内浸透施策は大小に限らず毎月実施する

「例えば、カードゲーム研修、ゴミ拾いイベント、オリジナルマイボトルの支給などを毎月必ず何かしら実施することを継続することで、社員にも習慣的にSDGsへの意識が芽生えます」

2.自社で解決したい課題に直接触れる機会・体験の場を設ける

「例えば水質汚染の課題であれば、水処理施設への見学の機会を設けるなどがすることで、課題に対する見え方が変わります。頭で理解せず、ぜひ身を持って体験する機会を設けましょう」

3.社外への情報発信を積極的に行う

「自社の取り組みに関する社外への情報発信を積極的に行いましょう。発信することで自社のステークホルダーから何かしら反応や評価が受けられます。その反応・評価によって、社員も自社の取り組みに自信を持つことができます。またSDGsの取り組みを発信することは、SDGsのターゲットでも推奨されているため、ぜひ積極的に行っていきましょう」

SDGsを強く推し進めたいものの、なかなか社内に浸透しないという場合には、目標や方針を今一度明確にし、繰り返し伝え、浸透させていくのが良さそうだ。

【調査出典】
JTBコミュニケーションデザイン「SDGsと社員のモチベーションに関する調査」

取材・文/石原亜香利

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。