コロナ禍による生活様式の変化により、通勤や通学に自転車を利用する人が増えている。とくにスポーツサイクルは人気が高いようで、都市部では本格装備で疾走する姿もよく見かける。自転車ってやっぱり便利だよねと再認識した人も多いことだろう。
そんなエコで快適な乗り物をレンタルで、自動車や信号へあまり気を使うことなく、風景を楽しみながらのんびりと走らせることができる場所が千葉県にある。
手賀沼を周遊するコース
やってきたのは、千葉県北西部にある手賀沼だ。ここは沼の南側、柏市の北柏橋から手賀あけぼの橋に至る堤防に全長9.4㎞の「手賀沼自然ふれあい緑道」が整備され、自転車と歩行者のレーンがしっかり分けられている。
それだけでも嬉しいのに、沼の北(我孫子市)側も手賀曙橋から手賀沼公園まで約6㎞の自転車走行可の遊歩道が整備され、最後の約2㎞だけ一般道を走ることになるが、マイペースで手賀沼を一周することができるのだ。
柏市と我孫子市の両市はサイクルステーションを周遊コース上に5か所、JR我孫子駅近くに1か所の計6か所を整備している。各ステーションは営業時間などが異なるので、詳しくはこちらのページを参考にしてほしい。
https://www.city.kashiwa.lg.jp/facilities/parking/bicycle_rental.html
今をときめくe-Bikeもレンタル可能
手賀沼周遊のスタート地点としてオススメしたいのは沼の西にある北柏ふるさと公園だ。カフェや広々とした芝生広場があり、レンタサイクルは「テガチャリ」の愛称で平日も営業している。
車種も豊富で、一般的なシティサイクルからクロスバイク、子ども用、電動アシスト付きに加え、e-Bikeと呼ばれる本格ロードバイク仕様のヤマハYPJ-ECも1台だけだが用意されている。
料金はシティサイクルが500円/1日なのに対し、1500円/4時間、3000円/1日と少々高めながら、メーカー希望小売価格28万6000円ということを考えれば、充分に納得できるはず。
筆者がレンタルしたのは、もちろんe-Bikeだ。高価なものだけに、規約をしっかり読み、スタッフからコンパクトマルチファンクションメーター、スイッチユニット、ギア操作、施錠方法など入念な説明を受ける。
結構覚えることがあるものだ。そして最後はサドル高さを合わせてもらい、さぁ出発! 軽くペダルを踏めば、スーッと走り出す。
広く走りやすいサイクリングロード
ルートはスタッフのオススメに従い、大堀川に架かる柏ふるさと大橋を渡り、対岸のかしわふるさと公園へ。ここから反時計周りでサイクリングロードを走り出す。
道は思った以上に広く、適度にカーブする平坦な状態が続く。
すると1㎞ほどで右手に現われるのが北千葉導水ビジターセンター。見学可能な施設だ。
さらに3㎞ほど進むと道の駅しょうなん。農産物直売所をはじめ、カフェや芝生広場も備えている。こちらも平日営業するサイクルステーションだ。
道の駅しょうなんの脇にある手賀大橋の下をくぐると、しばらく田園風景が続く。道は相変わらず快適。ところどころに休憩所やトイレもある。
スタートして約10㎞。手賀沼の東端まで来ると手賀あけぼの橋を渡り、目の前にあるのが手賀沼フィッシングセンター。こちらもサイクルステーションのひとつで、周遊コースはここから沼の北側を走ることになる。
*体力のある方は手賀あけぼの橋を渡らず、さらに東、手賀川に沿って3㎞ほど先の浅間橋で折り返すのもオススメ。
水辺が近い我孫子川の遊歩道
我孫子市側の道は歩行者優先の遊歩道なので、道幅は今までの半分ほどしかない。スピードを控え目にして進むようにしたい。もっとも、こちらの道は水辺のすぐ近くを走ること。沿道の植物もよく整備されているので、ゆっくり走るほうが気持ちいい。
すると約4㎞ほどで我孫子市鳥の博物館に隣接した手賀沼親水広場に到着。サイクルステーションは同広場の駐車場内にある。
再び手賀大橋をくぐると1kmほどで手賀沼公園となり、遊歩道はここまで。
ここから先は一般道の手賀沼ふれあいラインを2㎞ほど走れば、スタート地点の北柏ふるさと公園にたどり着く。
メーターを確認すると走行距離約20㎞。数分走っては写真を撮り、かなりゆっくり走った結果、約2時間で手賀沼を一周していた。皆さんもぜひ、お試しあれ!
ミニ情報
・テガチャリには年間パスポート(2500円/1年間有効)があり、シティサイクルならいつでも乗り放題となり、保有者は車種を指定して予約することもできる。
・e-Bikeのサドルは本格仕様なのでとても硬い! 乗り慣れていないとあっという間にお尻が痛くなります。筆者は10分に1回は休憩していました(笑)
テガチャリ
HP(柏市みどりの基金)
facebook
instagram
取材・文/西内義雄