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ハイエンドスマホ「Galaxy S22 Ultra」はGalaxy Noteの後継モデルと言ったほうがしっくりくる?

2022.05.13

■連載/石野純也のガチレビュー

 Galaxy Sシリーズは、言わずとしれたサムスン電子のフラッグシップモデル。最先端の機能を盛り込む一方で、使い勝手もよく、指名買いをするユーザーも少なくない。そのGalaxy Sシリーズの最上位モデルが、「Galaxy S22 Ultra」だ。同モデルは、メインカメラに1億800万画素のセンサーを採用しており、画面サイズも6.8インチと大きく、精彩だ。ディスプレイはリフレッシュレートが1Hzから120Hzで可変し、表示の滑らかさと省電力性を両立させている。

 元々はGalaxy Sシリーズの中でカメラやディスプレイを強化したモデルにつけられていたUltraだが、Galaxy S22 Ultraはその位置づけが少々異なる。新たにSペンを内蔵できるようになり、デザインもかつてのGalaxy Noteシリーズに近くなった。近くなったというより、むしろ型番を言われなければ、Galaxy Noteシリーズの新機種と思う人もいるはずだ。

 Sペンの機能もGalaxy Note時より強化されており、Galaxy Sシリーズの最上位モデルというより、Galaxy Noteの後継機と言った方がしっくりくる。そんなGalaxy S22 Ultraのドコモ版を発売から1週間弱使用してきた。Galaxy Sシリーズとして最上位に位置づけられる端末の実力は、いかほどのものか。デザインやディスプレイ、カメラ、Sペンなどをそれぞれチェックしていきたい。

Galaxy Note風になったGalaxy S22 Ultraの実力をチェックした

まるでGalaxy Noteなデザイン、ディスプレイも大迫力

 Galaxy Sと銘打たれてはいるが、Galaxy S22 Ultraのデザインは少々異質だ。例えば、ディスプレイ。左右がわずかにカーブしているうえに、ディスプレイの端も直角に近い。同じGalaxy S22シリーズでも、Ultraのつかない「Galaxy S22」は、ディスプレイの角が丸くなっており、柔らかな印象を与える。紙のノートに近づけるよう、直線的なデザインを採用していたGalaxy Noteのテイストが受け継がれているところだ。

ディスプレイは左右がカーブしている

四隅が直角に近いのも、Galaxy S22との違いだ

 本体の上下がフラットなのも、Galaxy Noteのデザインに近い。6.8インチというサイズ感もあり、予備知識なしでこの端末を見たら、Galaxy Noteシリーズの後継機と思うはずだ。少なくともデザイン的には、「Galaxy S21 Ultra 5G」の後継機というより、「Galaxy Note20 Ultra 5G」の後継機と言った方が納得感はある。後述するSペン対応も合わせて考えると、Galaxy Noteのブランディングを変え、Galaxy Sシリーズに統合したと言えそうだ。

本体上下がフラットで、このデザインテイストもGalaxy Noteを踏襲している

 Galaxy S21 Ultra 5Gに比べると、カメラ回りのデザインがシンプルになった点は評価できる。Galaxy S21 Ultraは、他のGalaxy S21シリーズやGalaxy S22のように、カメラが台座のようなパーツに配置されており、カメラ回りが強調されていた。一方で、センサーやレンズが大型化していることもあり、カメラ部分の出っ張りが目立ちすぎていたことは否めない。これに対し、Galaxy S22 Ultraでは、本体背面の上に直接4つのカメラが搭載され、すっきりした見た目になった。

カメラ回りのデザインは、本体背面にレンズを直接乗せたような形になった

 見た目は好みが分かれるところかもしれないが、カメラはあくまでスマホの中でひとつの機能にすぎない。ユーザーからも重要視されている機能のため、メーカー各社が力を注いでいるが、カメラだけが目立ちすぎるのは考え物だ。Galaxy S22 Ultraのようにやや控えめに配置した方が、スマホとしては自然に見える。カメラのスペックが高いため、レンズの出っ張りはやや大きいが、背面と一体感があるためあまり気にならない。

 逆に、こうしたカメラ回りのデザインも、Galaxy S22 UltraがGalaxy Sっぽくない理由の1つだ。先の述べたとおり、Galaxy S22はGalaxy S21シリーズを踏襲したデザインを採用しており、『オペラ座の怪人』のファントムがつけている仮面のようにも見える。カラーバリエーションの名称に“ファントム”とついているのは、そのためだろう。Galaxy S22 Ultraもブラックの名称は「ファントムブラック」だが、デザイン面ではGalaxy S22シリーズとしての一貫性がない。

試用したGalaxy S22 Ultraはバーガンディだが、もう1色はファントムブラックと名付けられている

 ディスプレイはさすがGalaxyの最上位モデルといったクオリティで、映像はクッキリしており、コントラスト比も抜群に高く、色彩も鮮やかだ。リフレッシュレートが最大120Hzということもあり、スクロールなどの動きは非常に滑らか。サイズが6.8インチと大きいこともあり、映像には迫力がある。一方で、同じGalaxyシリーズにはフォルダブルスマホの「Galaxy Z Fold3 5G」があるため、大画面という観点ではお株を奪われている。他社でも大画面モデルが増えており、サイズはGalaxy Note初期のころのような売りではなくなってきているのも事実だ。

ディスプレイは1Hzから120Hzにリフレッシュレートが可変する。設定で60Hzに切り替えることも可能だ

コントラスト比が高く、黒が締まって見えるのは有機ELならでは

Galaxy Sシリーズの名に恥じぬ、高いカメラ性能

 カメラは、1億800万画素のメインカメラに、1200万画素のカメラが1つ、1000万画素のカメラが2つ搭載されるクアッドカメラ構成だ。1200万画素のカメラは超広角、1000万画素のカメラはどちらも望遠で、焦点距離が異なる。倍率の異なる望遠カメラを2つ搭載することで、段階的なズームを可能にした仕様と言えるだろう。望遠カメラは1つが標準の広角カメラから約3倍になる70mm、もう1つが10倍になる230mmだ。10倍ズームにデジタルズームを掛け合わせることで、最大100倍まで被写体に寄ることができる。

 1億800万画素の広角カメラで撮った写真は、以下の通り。ピクセルを結合し、受光面積を広げて暗所での感度を向上させる技術に対応しているため、標準の状態で撮影すると記録画素は1200万画素相当になる。こうした仕様のため、やや暗めの室内で撮った写真も、かなりノイズが少なく、明るめに撮れている印象だ。少々やりすぎ感もあるように思えるが、AIで被写体を識別しており、料理は暖色が強調されて温かみのある写真に仕上がる。

料理の写真を撮ってみた。比較的暗い場所でも、ノイズが少なくキレイに撮れる

 ただし、センサーサイズが大きく、レンズのF値も1.8と明るいため、特に料理のような被写体だと、不要な場所までボケてしまうことがある。カメラ性能に優れたスマホに共通した課題だが、こうした被写体を撮影する際には、もう少しボケを減らして全体を捉えたい。「Galaxy S10」などの端末には、絞りを切り替える「デュアルアパチャー」という機能が搭載されていたが、これは、画質が向上した今だからこそ復活させてほしいと感じた。

 夜景撮影は、HDRがかなり強力に効き、メリハリがはっきりしたダイナミックレンジの広い写真が撮れる。以下の写真をご覧いただければ分かるとおり、普通に撮るとすぐに白飛びしてしまう路線図までクッキリと写っている。フラッグシップモデルのGalaxyに共通した傾向ではあるが、ほかのモデルではここまでHDRが効くのは珍しい。暗い場所のノイズもほとんど出ていないうえに、肉眼では見えづらい箇所までしっかり描写できているのは、同モデルの実力と言えそうだ。

ナイトモードの性能がさらに進化。暗い場所のノイズが非常に少ないだけでなく、HDRがはっきりと効いており、白飛びもかなり抑えられている

 かつてはマーケティング的な意味合いの方が強かった100倍ズームも、Galaxy S22 Ultraではかなり実用的になっている。以下は、標準カメラで撮った写真と、その一部を100倍ズームで撮った写真を比較したもの。標準カメラで撮った写真では非常に小さくしか写っておらず、文字の判別もしづらい横断幕の一部の文字が、はっきり写っている。さすがにまったく劣化していないわけではなく、ところどころ粗くはなっているが、100倍ズームで撮ったことを考えれば十分なクオリティだ。

標準カメラで撮った写真と100倍ズームで撮った写真。ほとんど文字が読めない横断幕の一部に寄って撮れているうえに、劣化が少ない

 出番がどこまであるかは未知数だが、どちらかと言えば、作品や思い出に残る写真を撮るより、遠くの看板を撮って文字を確認するといった実用面での活躍が期待できる。ズームは本体が薄いスマホにとって、難しい機能の1つだったが、ペリスコープの10倍ズームとデジタルズームでここまでの画質を実現できたことは高く評価したい。

書き味が大きく向上したSペン、使い勝手のいいUIも健在

 Galaxy S22 Ultraを特徴づけるもう1つの機能が、Sペンだ。Sペン自体には先代のGalaxy S21 Ultra 5GやフォルダブルスマホのGalaxy Z Fold3 5Gも対応しているが、Galaxy S22 Ultraは本体にSペンを収納できる。これにより、サッとペンを取り出してペンで文字や図形、絵を書くことが可能になった。本体に収納されていることですぐに使い始められるので、やはりこちらの方が使い勝手はいい。

本体下部の左側にはSペンが収納されている

 Sペン自体の機能も進化している。特にうれしいのが、遅延の削減だ。Galaxy S22 Ultraでは、Galaxy Note20 Ultra 5Gと比べ、遅延が3倍改善されている。これの効果により、書き味がさらによくなった。これまでのSペン対応端末の場合、ペンをかなり素早く動かすとどうしてもコンマ数秒、描画が遅れてしまうことがあったが、Galaxy S22 Ultraではそうした遅延が感じられないレベルになっている。これが、書き味のよさに直結している印象だ。

遅延を削減することで、筆記時のスムーズさが大きく向上した

 Galaxyらしい使い勝手のよさも、きちんと受け継がれている。例えば、「エッジパネル」もその1つ。これは画面の端から引き出せるアプリのドックのことで、ドラッグ&ドロップをするだけで簡単に2つのアプリを同時に表示できる。Galaxy S22 Ultraぐらい画面の大きい端末では、動画を見ながらSNSに投稿したりといった機会が増えることもあり、重宝する機能と言えるだろう。

エッジパネルを使って、簡単に2アプリを同時に表示できる

 Galaxy S22 Ultraに特化した機能ではないが、ギャラリーの画像補正機能も優秀だ。特にうれしいのが、写真に写り込んでしまった影や反射をAIで判別して除去する機能。ギャラリーから編集したい写真を開き、「オブジェクト消去」を呼び出すことでこの機能が利用できる。料理などを撮影した際に影が写り込んでしまっても、簡単に消せるため、撮影時に角度を細かく調整せずに済む。影や反射の移り方によっては完全に除去できないケースもあるが、かなり目立ちにくくなる。

オブジェクト消去を利用すると、影や反射といった写り込みを簡単に消すことが可能だ

オブジェクト消去で、影を消去した写真。手前に写ってしまった撮影者(筆者)の影が、しっかり消えている

 こうした機能を備えつつ、チップセットには「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載しており、処理能力が非常に高い。メモリもRAMが12GB、ストレージが256GBと十分な容量だ。先に挙げたディスプレイのリフレッシュレートが高いことも相まって、操作感のよさには太鼓判を押せる。そのぶん、価格は18万3744円(ドコモオンラインショップの場合)と、かなり高額にはなってしまったが、長く使える1台であることは確かだ。スマホに最高の性能を求めたいユーザーには、強くお勧めできる。

【石野’s ジャッジメント】
質感        ★★★★★
持ちやすさ     ★★★★
ディスプレイ性能  ★★★★★
UI         ★★★★★
撮影性能      ★★★★★
音楽性能      ★★★★★
連携&ネットワーク ★★★★★
生体認証      ★★★★★
バッテリーもち   ★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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