現役文系エンジニア6人に直撃取材。彼らはなぜエンジニアを目指し、どのようにそのスキルを身につけたのか? これからエンジニアを目指す人へのアドバイスとともに紹介!
法学部出身
DeNA 常務執行役員CTO
小林 篤さん
【Background】法学部からクリエイティブな仕事に憧れエンジニアに
法学部在学中は、法律の資格取得の勉強に精を出していたが、いつしか「もっとクリエイティブな仕事がしたい」と思うように。当時の知り合いのすすめもあり、エンジニアとして新卒で入社。複数社でキャリアを積み、2011年にDeNA入社。2019年より現職。
モバイルゲームの大規模プラットフォーム「Mobage」を筆頭に、ネット関連のサービスを多数手がけるDeNAでCTOを務める小林さんの出身学部は、意外にも法学部だ。学生時代にプログラミングを学ぶことはなかったという。
「法律を学ぶと就活に有利だし社会で役立つに違いないのですが、ゼロからプロダクトを生み出すクリエイティブな仕事が楽しそうだなと思い、エンジニアになりました」
新卒では、企業向けの大規模なECサービスの開発をするSIer(システムインテグレーター)という業種でゼロから学びながらエンジニアの経験を積んだ小林さん。転機が訪れたのは入社から3年目のことだ。
「エンジニア向けの雑誌『WEB+DB PRESS』(技術評論社刊)を読んでいた時、自分と同じ20代のエンジニアが様々な場所で活躍しているのを目の当たりにし、触発されOSS(オープン・ソース・ソフトウェア)を作るようになり、ネット系企業に転職。その後DeNAに入社することにしました」
2011年に同社へ入社し、2019年に常務執行役員CTOに就任した。
「法学部で学んだ法律の知識は、個人情報保護など、ITセキュリティーに対する法規制理解の一助になっていると思います。入社してからはよりよいサービスを作ることばかり考えていました。目の前のプログラミングに加えて、人材配置のこと、経営のことなど、様々なことを最適化するにはどうしたらよいか。地道に行動を重ねていくことが大切だと思います」
Mobageのプラットフォームではユーザーの使い勝手も大切だが、それ以上に大量のデータが行き交うサーバーでの高速性×安定性がサービスの品質に直結する。
エンジニア職をはじめ、社内全体のコミュニケーションを高めるべく、希望者を集めワーケーションを実施するなど、リモートワーク下での工夫も行なう。
エンジニアを目指す人へのアドバイス
●読み書きできれば誰でもエンジニアになれる可能性はある。実現したいことを構造化し文章にまとめられる能力があるとよい。
●様々なOSSを通して、いろいろな人の活動を知ること。その中で少しずつ学んでいくよい。
●最も基本的なことだが、キーボードを早く打てることも重要。今はスマホで仕事ができる時代だが、入力速度は成長に直結する。
取材・文/久我吉史