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通販で買った商品が配送中に破損して届いた場合、クレームを入れる相手は販売会社?それとも配送業者?

2022.05.10

通販で購入した商品が配送中に破損した場合、販売会社と配送業者のどちらに責任があるのでしょうか。

梱包のやり方がまずかったならば、販売会社に責任があるような気もします。一方、配送中の荷物の取扱いに問題があったならば、配送業者に責任がありそうです。この点、法律上の取扱いはどうなっているのでしょうか?

今回は、通販で買った商品が配送中に破損した場合における、販売会社と配送業者の法的責任についてまとめました。

1. 通販で買った商品が配送中に破損した場合のクレーム先は?

通販で購入した商品が配送中に破損した場合、買主(荷受人)は、売主である販売会社と配送業者のどちらに対しても責任を追及できます。

1-1. 販売会社|契約不適合責任を追及できる

販売会社に対しては、通販の購入契約に基づき「契約不適合責任」を追及できます。

契約不適合責任とは、契約に基づき引き渡された目的物が、種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合に、売主が負担する法的責任です。

通販の商品が配送中に壊れた場合、買主に対する引渡しの時点で、目的物の「品質」が契約内容に適合していません。そのため、販売会社は買主に対して契約不適合責任を負います。

買主が販売会社の契約不適合責任を追及する方法には、以下の4つがあります。

①履行の追完請求(民法562条)

壊れた目的物を修理するか、または代替物を引き渡すように請求できます。

②代金減額請求(民法563条)

販売会社が履行の追完に応じない場合、または履行の追完が不能の場合などには、不適合の度合いに応じて代金の減額を請求できます。

③損害賠償請求(民法564条、415条1項)

目的物の修理にかかった費用などについて、損害賠償を請求できます。

④契約の解除(民法564条、541条、542条)

販売会社が履行の追完に応じない場合、または履行の追完が不能の場合などには、購入契約を解除したうえで返金を求めることができます。ただし、破損の程度が軽微な場合には、契約の解除が認められないこともあります。

1-2. 配送業者|不法行為に基づく損害賠償を請求できる

通販の買主と配送業者との間には、契約関係は存在しません。

しかし、商品の破損について配送業者に故意または過失がある場合には、買主は配送業者に対して、不法行為に基づく損害賠償を請求できます(民法709条)。

2. 配送中の商品破損について、販売会社と配送業者の責任分担は?

販売会社・配送業者のいずれかが、買主に対して損害賠償などを行った場合、次はその損害につき、販売会社・配送業者のどちらが負担するかが問題となります。

2-1. 配送サービス約款に従って責任を分担する

販売会社と配送業者の間では、荷物の配送契約が締結されています。配送契約の詳細な内容は、配送業者が定める約款に基づいて決定されるのが一般的です。

よって、配送中の商品破損につき、販売会社・配送業者のどちらが損害を負担するかは、配送サービスの約款に従って決まります。

2-2. 約款による責任分担の例

たとえばヤマト運輸株式会社の「宅急便約款」では、受取から引渡しまでの間に生じた荷物の滅失・損傷に関して、以下のとおり責任分担を定めています(抜粋・要約)。

<原則>

配送業者負担(21条本文)

<例外>

①荷物の受取・運送・保管・引渡しについて注意を怠らなかったことを証明した場合
→荷送人負担(21条但し書き)

②免責規定に該当する場合
→荷送人負担(22条)

③運送が法令または公序良俗に反する場合
→荷送人負担(23条1項)

④引受を拒絶すべき荷物の場合
→配送業者が知らずに引き受けた場合は、荷送人負担(23条2項)

⑤運送上特段の注意を要する荷物の場合
→送り状にその旨を記載せず、かつ配送業者がその旨を知らなかった場合には、特段の注意を払わなかったことにより生じた滅失・損傷について、荷送人負担(23条3項)

⑥引渡日から14日以内に配送業者への通知がなかった場合
→荷送人負担(24条。ただし、配送業者が滅失・損傷を知って荷物を引き渡した場合を除く)

参考:宅急便約款|ヤマト運輸株式会社

3. 配送中の商品破損に関する、販売会社と配送業者の各責任限度額

通販の買主が、販売会社または配送業者に対して損害賠償請求等を行う場合、事業者側の責任に一定の上限が設けられることがあります。

3-1. 販売会社の責任範囲|商品の購入契約に従う

買主が販売会社に対して契約不適合責任を追及する場合、販売会社の責任範囲は、原則として商品の購入契約に従って決まります。

よく見られるのは、「商品代金の範囲内でのみ責任を負う」という内容の上限規定です。このような規定がある場合、買主は原則として、商品代金を超えて販売会社に損害賠償等を請求することはできません。

ただし、商品の滅失または損傷について、販売会社に故意または重大な過失がある場合には、責任の上限規定が無効となる可能性があります(消費者契約法8条1項2号)。

3-2. 配送業者の責任範囲|配送サービス約款の責任限度額に限定される場合あり

通販の買主と配送業者の間には契約関係がないため、商品の滅失・損傷について、配送業者が買主に対して負う損害賠償責任の範囲は、原則として無制限です。

ただし、配送サービスの約款で責任限度額が定められており、かつ買主がその配送サービスを利用して商品が運送されることを容認していた場合には、配送業者の損害賠償責任が責任限度額の範囲内に限定されると解されています(最高裁平成10年4月30日判決)。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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