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スーパーやデパ地下の試食コーナーで食べまくる行為は犯罪と見なされる?

2022.05.10

スーパーやデパ地下の試食コーナーを見つけると、買う気がなくてもつい食べてしまう…という方もいらっしゃるかと思います。

「試食しても買わない」人がいることは店舗も織り込み済みなので、少量の試食であれば買わなくても特に問題ありません。しかし、買う気もないのに、あまりにも大量の試食をした場合、程度によっては犯罪に当たる可能性があるので注意が必要です。

今回は、試食コーナーで食べ過ぎたら犯罪に当たるのかどうかについてまとめました。

1. 実演販売員がいる場合、試食コーナーで食べ過ぎるのは犯罪?

試食コーナーには、実演販売員がいるケースと、実演販売員はおらず自由に試食できるケースがあります。

実演販売員がいる場合、試食コーナーで食べ過ぎても、詐欺罪や窃盗罪は基本的に成立しません。しかし、しつこく試食を要求すると犯罪に当たる可能性があるので注意が必要です。

1-1. 実演販売員の許可があれば、詐欺罪・窃盗罪は不成立

実演販売員がいる試食コーナーでは、試食を行うに当たって実演販売員の許可を得る必要があります。

実演販売員から試食の許可を得た範疇であれば、試食で食べ過ぎたとしても、詐欺罪や窃盗罪は成立しません。実演販売員を騙しているわけではないですし、実演販売員に隠れて試食品を盗んでいるわけでもないからです。

1-2. しつこく試食を要求すると、犯罪に当たる可能性あり

ただし、あまりにもしつこく試食を要求した結果、実演販売員が断り切れずに試食を認めてしまうようなケースも想定されます。

実演販売員に対してしつこく試食を要求した場合、以下の犯罪が成立する可能性があるので注意が必要です。

①恐喝罪(刑法249条1項)

暴行・脅迫を用いて試食を要求した場合、「恐喝罪」が成立します。恐喝罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。

なお、実演販売員が試食を認めなかった場合でも、恐喝行為があった時点で「恐喝未遂罪」が成立します(刑法250条)。

②威力業務妨害罪(刑法234条)

暴行・脅迫を用いる場合を含めて、実演販売員の自由意思を制圧するに足る勢力を用いて試食を要求した場合、店舗の業務を妨害したものとして「威力業務妨害罪」が成立します。

威力業務妨害罪の法定刑は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。

2. 自由に試食できるようになっている場合、食べ過ぎると犯罪?

利用客が自由に試食できるような体裁が取られている場合でも、当然ながら「いくらでも試食してよい」というわけではありません。

あまりにも大量に試食した場合、窃盗罪が成立する可能性があります。

2-1. あまりにも食べ過ぎると窃盗罪に当たる可能性あり

試食コーナーでは、店舗が利用客に対して試食を許可していますが、それはあくまでも「販促目的の範囲内」という条件付きです。言い換えれば、店舗が利用客に試食を認めるのは、主に以下のいずれかの条件を満たす場合であると考えられます。

・商品の購入を検討している利用客が、判断の参考とするために試食をする場合
・当初は商品に興味がなかった利用客に対して、店舗が商品の購入を勧誘するために試食をお願いする場合

いずれの場合でも、店舗が利用客に試食をさせる目的は、商品を購入するかどうかの判断材料としてもらうことにあります。販促目的の範囲を超えて、大量に試食することまで認めているわけではありません。

したがって、利用客が試食品を大量に食べてしまうことは、店舗の意思に反して試食品を窃取する行為として「窃盗罪」に該当する可能性があります。

窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。

2-2. 試食が窃盗罪に当たるボーダーラインは?

大量の試食が窃盗罪に当たる可能性があるとしても、「どの程度食べたら窃盗罪に当たるのか?」という点は、ケースバイケースの判断となるので一概には言えません。

窃盗罪の成否は、「店舗が(その量の)試食を認めているかどうか」を基準として判断されます。

たとえば、店舗が試食の数量制限を明示している場合があります(「お一人様1個まで」など)。この場合は、数量制限を超えて試食した場合には、窃盗罪が成立すると考えられます。

これに対して、数量制限が明示されていない場合には、商品の種類や販売方法などに照らして、「試食として常識的に認められる範囲」を個別に判断するほかないでしょう。

3. まとめ

試食コーナーを利用する際には、法令上の取扱いもさることながら、社会的な「常識」を踏まえて行動する必要があります。

「大量の試食が違法・犯罪かどうか」という論点についても、社会的な「常識」に照らして判断される部分が大きいのが実情です。

店舗の立場や他の利用客の目線を考慮すれば、試食がどこまで認められるのか、どのくらい食べてしまうとアウトなのかのボーダーラインは、自ずと見えてくるでしょう。その際、試食コーナーでの食べ過ぎは犯罪に当たり得ることも、多少頭の片隅に置いておいてください。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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