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古き良きアメリカンスピリッツを継承!豪快かつ繊細に進化したシボレー「カマロ」の魅力

2022.05.10

低く幅広い、迫力のあるアピアランスが特徴のカマロ。グリル内の“ボウタイ”エンブレムを中空式として冷却機能を高めたほか、SSではフード中央にエア排出口を追加するなどして空力性能の向上も図られている。

スポーツカーというとイタリアンエキゾチックやイギリスのライトウェイトを思い出すが、自動車大国たるアメリカのそれもまだまだ元気だ。代表格はシボレー・コルベットといえるが、より身近なモデルとして1960年代から幅広い層に支持され続けているのが、同社のカマロである。

アメリカンピュアスポーツとも言える一台

 シボレー・カマロとして6代目にあたる現行型は2015年に登場した。スペシャルティ・スポーツクーペというキャラクターやデザインは先代を踏襲しながら、車体をコンパクトにまとめつつ、軽量化と高剛性化を果たしているのが特徴だ。コンパクトになったといえどもそのスタイルは長く低く幅広く、グリーンハウスは天地方向に薄いThe American Sportといえるもので、迫力は満点。コクピットは適度に囲まれ感のあるタイトさがあって気分が盛り上がる。最近ではスポーツカーといえどもタブレットのようなディスプレイを多用して先進性や機能性の高さをアピールするものも少なくないが、カマロのそれは端的にいえば古典的。メータークラスターやナビ/エンターテイメント用モニター、センターコンソールの物理スイッチなどは独立タイプで、オールドファンにも馴染みやすいレイアウトを継承しているのがいい。

 現行型は2020年にマイナーチェンジを受け、ナビゲーションシステムは完全通信型のクラウドストリーミングタイプとなり、ワイヤレスチャージング機能が全車標準となった。ラインアップは2ℓ直4ターボと6.2ℓV8を用意し、試乗車は後者を積むトップグレードの「SS」。スーパースポーツの略称どおり、伝統のプッシュロッドOHVユニットは迫力ある走りの源となっていた。

 アイドリング時は大排気量V8らしい野太いビートを響かせ、ひとたびガスペダルを踏み込めば、タイヤのグリップを簡単に打ち負かすほどのパワーを炸裂させて路面を掻きむしるようにスタートダッシュを決めることも可能。このとき、ドラッグレーサーのようにバーンアウト(後輪を空転させてタイヤを温める)できるラインロック機能も備わる。その先は10速ATの繊細なシフトプログラムも相まって力強く滑らかに加速していく。V8のマナーは決して大味ではなく、自然吸気らしい粒の揃ったフィールを伝えながら高回転域まで軽やかに回っていくのが気持ちいい。足回りも決してハードにすぎるところはなく、ドライブモードセレクトがツーリング(標準)モードならある程度のストロークを許す、鷹揚な乗り心地が味わえる。またモードをスポーツやトラックに切り替えて、スロットルレスポンスを強めるとともにサスペンションを固めることもできるなど、ハードな走りにも応えられる柔軟性も持ち合わせている。最新のカマロは現代車らしい洗練性を実現しつつも、旧き佳きマッスルカーのダイナミズムをしっかりと継承した、アメリカンピュアスポーツとも言える一台なのである。

SSには伝統のスモールブロックLT1ユニットを搭載。可変バルブタイミング機構や直噴システムなどでアップデートされ、気筒休止機構を備えるなど燃費への配慮も怠らない。

コクピットと呼ぶにふさわしい適度な囲まれ感のある運転席周り。大ぶりのスポーツバケットレザーシートは、ホールド性はもちろん掛け心地もよく長距離ドライブにも適している。

トランクは257ℓと決して大容量というわけではないが、後席バックレストを倒せるスロースルーティング機能を持ち、リアシートは大人でも使えるスペースを確保するなど実用性にも優れる。

リアフェンダーにかけてのキャラクターラインがカマロのマッシブさを強調する。SSの専用装備となる4本出しのクァッドステンレスエギゾーストが奏でるアメリカンV8サウンドに痺れる人も多いだろう。

諸元

シボレー カマロ クーペ SS
ボディサイズ:全長×全幅×全高:4,758×1,900×1,345mm
車両重量:1,710kg
駆動方式:RWD
エンジン:6,168cc V型8気筒自然吸気
最高出力:333kW(453PS)/5,700rpm
最大トルク:617Nm(62.9kgm)/4,600rpm
価格:¥7,280,000

問い合わせ先:GMジャパン
TEL:0120-711-276

TEXT:桐畑恒治(AQ編集部)
PHOTO:篠原晃一

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