多くの職場に蔓延るハラスメント行為。世の働く女性のうち何割がその被害を受け、また、モラハラ、パワハラ、セクハラなど、特にどんな種類のハラスメントに悩まされているのだろうか?
キャリアデザインセンターが運営する、女性の転職に特化した転職サイト「女の転職type」ではこのほど、女性677名を対象にした「職場のハラスメント」に関する調査の結果を発表した。
職場でハラスメントを感じたことがある人は76.8%
『女の転職type』会員にハラスメントについて聞いたところ、76.8%の人が何らかのハラスメントを感じたことがあると回答した。
感じたことのあるハラスメントを聞くと、1位「パワハラ(パワーハラスメント)」(58.1%)、2位「セクハラ(セクシャルハラスメント)」(36.6%)、3位「モラハラ(モラルハラスメント)」(35.0%)という結果になった。
【Q.1 職場で感じたことのあるハラスメントは?】
ハラスメントを感じた相手、1位は「上司」
Q.1で何かしらのハラスメントを感じた人に、誰から感じたかを聞くと、圧倒的に多かったのが「上司」(85.8%)、次いで「同僚」39.8%、「社長」14.9%となった。その他のコメントでは「グループ会社の社員」や「お客様」などがあった。
【Q.2 ハラスメントを感じた相手は?】
※ハラスメントを感じたことがある人のみ
※複数回答あり
ハラスメントについて誰かに相談したか聞くと、「同僚」37.1%が1位、次いで「誰にも相談していない」(30.2%)が2位だった。その他のコメントとしては「派遣会社の営業担当」や「労働基準監督署」などの回答があった。
【Q.3 ハラスメントについて誰かに相談した?】
※ハラスメントを感じたことがある人のみ
※複数回答あり
ハラスメントについて相談しても、改善した人は2割弱。改善しなくても半数が我慢
ハラスメントについて誰かに相談した結果、状況が改善したかを聞くと、「改善した」「やや改善した」と答えた人は2割に満たず、「改善しなかった」81.9%が圧倒的に多い結果となった。
【Q.4 相談した結果、状況は改善した?】
※ハラスメントについて誰かに相談したことがある人のみ
Q.4 で「改善しなかった」を選んだ人に、その後どうしたかを聞くと、1位「我慢した」(50.3%)、2位「退職した(退職予定)」(41.1%)、3位「転職した(転職予定)」(26.9%)となった。その他のコメントとしては「パワハラに言い返せるくらい仕事ができるようになった」「冷めた目で会社と付き合っている」などがあった。
【Q.5 相談しても状況が改善されず、どうした?】
※Q.4で「改善しなかった」を選んだ人のみ
※複数回答あり
一方で、自分が職場でしてしまったかもしれないハラスメントがあるかどうかを尋ねたところ、13.6%の人がハラスメントをしてしまった(可能性がある)と回答。その他には「無自覚に他人を傷つけている可能性はある」というコメントも目立った。
【Q.6 自分がしてしまったかも?というハラスメントはある?】
※複数回答あり
職場でハラスメントが起きてしまう原因について聞くと、1位「個々人の価値観の違い」(74.0%)、2位「世代による価値観の違い」(66.3%)、3位「ハラスメントへの理解不足」(51.3%)となった。ハラスメント加害者本人の意識や知識不足に問題があると考えている人が多いことがわかる。
【Q.7 ハラスメントが起きてしまう原因は?】
※複数回答あり
ハラスメントをなくすために必要なことは「上司の理解、対応力」
ハラスメントをなくすために必要だと思うことを聞くと、1位「上司の理解、対応力」(68.5%)、2位「相談しやすい窓口の整備」(63.2%)となり、6割以上の人が回答している。
3位、4位は僅差で「ハラスメントに関するガイドラインの作成・周知」(43.7%)、「ハラスメントに関する研修の実施」(43.1%)が続いている。その他のコメントとしては、「労働基準監督署の指導」や「人事の定期的なフォロー」など、第三者による指導やサポートが必要だと感じている人が多いことがわかった。
【Q.8 ハラスメントをなくすために必要なことは?】
※複数回答あり
<調査概要>
・調査期間:2022年3月28日~4月8日
・有効回答数:677名
・調査対象:『女の転職type』会員
・調査方法: Web上でのアンケート
出典元:株式会社キャリアデザインセンター
構成/こじへい